体操しようよ / 草刈正雄主演。退職して第二の人生に悪戦苦闘中のシングルファーザーがラジオ体操の集まりに参加し人々と関わっていく様子をユーモラスに描いたコメディドラマ。和久井映見、木村文乃ら共演。

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草刈正雄主演。定年退職し、主夫としてそれまでずっと娘がやってくれていた家事をすることになった佐野道太郎。カレーすらまともに作ることができず途方にくれ、かつての上司の紹介で早朝開かれるラジオ体操の集まりに参加することに。そこで出会ったマドンナ的女性が気になってしまい、継続することに。さらに彼女の力になれると勘違いして便利屋さんとして働きはじめ……。
仕事をやめて生きがいを見つけられなかった主人公がラジオ体操とその仲間たちに出会うことで変わっていく過程をユーモアを交えて描いたドラマ。
和久井映見、きたろう、渡辺大知、徳井優ら共演。
あらすじ
定年退職を迎えた佐野道太郎(草刈正雄)は、妻がこの世を去ってから18年仲良く暮らしてきた娘に、佐野家の主夫になるように言い渡された上に、娘に恋人がいることを知ってショックを受ける。ある日、道太郎は公園で行われているラジオ体操に参加する。さまざまな世代や立場の人と関わり、さらには体操会のマドンナを好きになる。(シネマ・トゥデイより)


真田丸あたりから草刈正雄さんはコメディも似合うなーと感じていましたが、今回もかっこいいのにちょっとダメな男性を見事に演じていて、かなり面白かったです。一番最近だとWOWOWドラマの「オペレーションZ」で総理大臣役を見てたのでギャップが……笑。
一部誇張されてるというか、コミカル要素が結構ありまして。まず送別会の時点で誰もスピーチを聞いてくれてない。そしてその帰り道でよっぱりにゲロをかけられて、さらにベンチで寝落ち。この時点でラジオ体操の集まりと遭遇してるのが地味にウケます。かなりの醜態晒しちゃってるという。前述の通り家事もダメダメ。一切の経験がなくてお風呂掃除で転びそうになったり、前述の通りカレーすらまずいという始末。それだけ娘がずーっと頑張ってきた結果なんでしょうけど、いくら自分でやらなきゃ覚えないとはいえその状態でバトンタッチは極端すぎますよね。

そんなダメダメおじさんはマドンナ目当てというこれまたわかりやすい理由でラジオ体操に通い始めるわけですが、その中で毎日顔合わせると地元の人と仲良くなっていくんですね。家事のために買い物するからお肉屋さんとか朝以外でもやりとりが増えるし。見てるこっちまで楽しそうでした。会長さんの「お互い詮索はしない」ってルールがすごく良くて、その時間だけはみんなで体操に没頭できる。気を使いすぎない仲間って良いなぁって思います。さらに働き出した「便利屋」の仕事も頭でっかちタイプの道太郎にとっては縁のなかったジャンルで、年下に教わりながらも奮闘していく姿もそしてその頑張りが認められてく過程を見れて好きでした。

道太郎はマドンナが泣いている姿を見てるので、単純に一目惚れだけじゃなく気にして体操仲間以上に関わろうとしていきます。ここに彼女の過去の掘り下げが入り、同時に娘と同僚の関係性が明らかになるおかげで(これは誰もが予想しうると思います) 主人公、マドンナ、同僚、娘で旅にでかかけることになります。全体から見るとちょっと重すぎるというかここだけシリアス多めなんでちょっと意外でしたが、おふざけがない状態で結婚とか親子の距離感など考える時間になってよかったのかも。

もう一つの山場としては主人公張り切り事件で冒頭から割と変に融通が効かない要素は垣間見れてましたが、厳格な体操をしいたばかりに仲間がバラバラに。一旦はものすごい落ち込みますけど、最終的には仲直りしてハッピーエンドという王道の展開を見せるわけですが、それ以上にプロポーズ、そして結婚パーティのシーンがすごく良くて。父親がラジオ体操をしてたからこそできた知り合いたちと、そんな彼らに祝福される姿。最序盤では誰も聞いてくれなかった道太郎のスピーチをみんなが聞いてるのも良かった。もちろん内容も素晴らしいですし。いや、娘だって別に父親が嫌いなわけじゃないからね。ずっと家のことやってきて「もう子離れしても良いでしょ」って思いできつくしたんであって、大事にされてたのはわかってたはず。それがああやって言葉にされると余計に泣けたと思います。

終わり方もすごく良くて、娘が嫁いでひとりぼっちになった道太郎。朝起きて家事を済ませて(冒頭と違ってめっちゃスマートにこなすのも対照的で好き)、ラジオを持って出かける。ほんと仲間に会えて良かったね、体操して良かったねって思わせてくれる爽やかなラストでした。

気になってたのがアマプラ にきたので視聴。
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