ジョジョリオン 第99話 【ネタバレあり】 あらすじ 感想 (2020/7/18 更新) #ジョジョ

前回までは……
TG大学病院の研究室にて一同に会した定助、礼、そして院長・明負悟。彼こそがスタンドであり、本体は別の場所にいる模様。攻撃することもまた厄災のターゲットになりかねない状況だが、定助はこの場で決着をつけようと考えており、その方法があるという。一方、何か罠があると警戒した院長は床に足を踏み入れることすらせず、代わりに岩生物を放って定助達を襲うのだが……。
ジョジョリオン」最新99話本編ネタバレを含むあらすじ+プチ感想です。


#99 終わりなき厄災 その(5)

参考:前回、第98話の感想はこちら( http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/jojolion98.html )

扉絵は厄災をぶつけるスタンドの本体だと判明した透龍と、その背後に控えるワンダー・オブ・ユー。顔は院長ではなく無機質なものになっています。あらゆる出来事はこの男に集約していくーーというアオリですが、いよいよ新ロカカカをめぐる最大の敵との戦いに全陣営が巻き込まれていきそうですしね。

ページをめくると意外にも前回の続きではなく、岩人間の生態についての解説がスタート。岩人間の「メス」は人間のそれと見分けがつかないというのは過去登場の岩人間のオスの例を見ても分かるんですが、人間(オス)と岩人間(メス)の繁殖が可能(逆は確認されてない)って割と衝撃。背景に色んな国、時代を超えて女性たちが映っていますが、その中にエンヤ婆エルメェスの姿も。「この中の誰かが岩人間でもおかしくない」という描写だと思いますが、彼女たちが実は岩人間だった、ってのがあっても面白いかもしれませんね。というかそもそも7部8部とそれ以前の部の関係はどうなんだって話ですけど、細かいことは気にしないのが一番。

見開き5つ、合計10ページ以上も割いて解説されますが、胎児の妊娠期間は6ヶ月で、出産するとすぐ森の奥の枯れた樹木の根元に放置して立ち去り、愛情もない親子関係をほぼ持たないという、人間と全く違う方法なのもびっくり。体長28ミリ、15グラムとかなり小さいですからね。人間の3000グラムと比べたらどれだけのことか分かる。その小ささが活きるのか、攻撃してきた蜂に逆に取り入ることで巣に潜り込み、女王の体を半分のっとることで寝床と栄養を得る。ある意味寄生生物っぽいですね。蜂だから今回そこまでグロくないけど習性自体はちょいキモい。そうやって17年間過ごして世界の色々なことを学んだ後急激に成長。人間ぽい姿で這い出てきます。イメージ映像として映ってる岩人間、髪型がどう見ても透龍なので彼も岩人間で確定ですね。

我々人間も含め、40億年前に誕生した炭素系有機体と、それと違って「ケイ素」で結合構成される『岩生物』。この解説者としてはこの二つは相反するものというよりも、片方に何かが起きたときの「滑り止め」的な保険なのではと結論づけてます。SF小説っぽくてロマンありますよね。さらに面白いのが岩と地面にこだわる彼らにとって「大地からの恵をくれる」「特別な場所」がこそが真のすみかであり、移動してきた人間とは認め合う関係も築けないし同化することもできないと。7部の懐かしい面々と共に『悪魔のてのひら』、そして『杜王町の地面』という単語が出てきますが、それが今言及された「特別な場所」ということなんでしょう。石仮面、弓と矢も映ってますし、それらも実は岩生物に関わりが深いものだったのかも。「矢に付着してたのは宇宙からきたウイルスかも?」という設定と、「昆虫は宇宙から地球にきた」的な説とか考えると、岩生物のルーツは??とか深読みしてくこともできそうですね。

場面変わって、誰かの葬儀のシーン。ページをめくると少年が「礼」と呼ばれてるので、彼の父親が亡くなった時期だと分かります。憲助さんがかなり親身になって慰めています。どうやら少し前に育ててた梨がダメになる事件が発生した模様。その時礼さんは害虫を見かけたといいます。しかしみんなが調べたものの何もでなかったのですが、調べに行った父親は崖崩れに巻き込まれてしまったと。これが死因だったのか。「自分のせいにするな、厄災なんだ」という言葉をかけますが、こりゃ自分を責めちゃうよね。トラウマものだと思う。のちに彼が安全を何よりも優先したり、生存率とか持ち出すのもこの出来事があるからかなと思うと納得します。

そんな中参列者に目をやると、見慣れない後ろ姿が一人。憲助さんも知らない人だといいますが……。この帽子は?? そこで舞台は現在へ。あの時の男は院長だったのかと礼さんは今思い出したようです。この時点で関わり合いがあったのか。前回ラストの定助の「もしかしてまだ新ロカカカ手に入れてないのか」という問いに答えるように、「今もう収穫の時がきている」と告げますが、そのセリフをもとに彼の手元にないことを確信する定助。しかし余裕たっぷりの院長は「流れ」が運んでくると宣言。「わたしは「ワンダー・オブ・ユー」流れはずっと厄災なんだ」

定助が椅子から立ち上がることを予言してみせますが、地面に潜んでいた岩生物が再び襲いかかり、避けようと座っていた状態から椅子に足を上げてさらに上に向かおうとしてしまいます。すると彼の目や鼻、口からワタの様なものが飛び出します。視界を遮られ攻撃を受けそうになりますが、礼さんが手を伸ばし庇うことに成功。スタンド判明当時から思ってましたが、マウンテン・ティムを思い出しますね。

「毒だ」「刺されて上に逃げると石綿を吐く」動かなければ大丈夫なのでしょうか。礼さんが性質を言い当てたことに驚く院長は正確には「刺されて、関節を伸ばすと」だと指摘。この「ドゥ・ドゥ・ドゥ・デ・ダー・ダー・ダー」はウサギや鳥類を狙うハンターであり、植物も傷つけられると、伸びたところから石綿が出ると。院長もまた礼さんを思い出したようで、「あの当時、厄災の流れにいたにすぎない」「崖崩れで死んだ、ただのそれだけだよ」と冷たく吐き捨てます。これよくブチギレずにいられるよな、ある意味自供したようなものじゃないか。父親を殺したって。しかもそれをなんとも思ってないという。いつの間にか顔が院長になってるのも怖い。

「君たちが所有していいものなんてない」「梨園だろうと、新ロカカカだろうとな」岩生物による次の攻撃がきそうなところで今回はおしまい。流れは変わらない……!!というアオリで締められています。

いや、思ってたほど攻撃力は高くないというか「攻撃されても動かなければそこまで影響がない」のはまあ救いがありますが、例によって院長=ワンダーオブユーに何か仕掛けることができないってのが辛いですよね。定助は何か攻略法がある的なことを言ってましたが、このままでは一方的に防御するだけで手一杯。ほんと意地のわるい戦い方しますね、敵は。
そして前半の解説。これも意外で、1話分ではまだ定助達のバトルは決着はつかないにしても東方邸の康穂&常秀が描かれえると思ってたので、ここでそういうの入れるのか!と驚きました。ただ、透龍がラスボスだと仮定すると、完結に向けて一気に色々と動く前にキャラクターの掘り下げ的な回想が入ったと考えると割と不自然じゃないというか、大統領のハンカチエピソードっぽさもあります(あれはどのタイミングでしたっけか) そして単に透龍の出生についてだけなのか、岩人間のメスが登場するのか(種族の性質上、愛情はないものの彼の母親となった個体とか?) 色々予想もできそうです。
今のところ定助を守ってくれただけですが、今後礼さんもバトルに参加し、院長VS 定助&礼 の戦いが見れると思うとそれも楽しみ。次回はいよいよ100話という大台ですからね、より大きく動くことに期待。

そんな99話掲載のウルトラジャンプ8月号7月18日(土)本日発売。




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