連行され刑務所で過ごしていた豆銑礼。彼も未だぶつかってくる厄災のターゲットになっており、うかつに行動を起こせずにいた。しかしながらスタンド能力と同じ房の男を利用する事で脱出。定助同様、TG大学病院まで向かうことに成功する。一方で東方家では緊迫した状態が続いており、常敏は家族に新ロカカカの説明と、改めてこれを狙う"敵"に立ち向かう意思を表明。そんな中、影のような実態のない姿で院長が室内に侵入。次々と移動するが、シーツの中に潜り込んだ瞬間を狙って常敏はラッシュを叩き込んでしまう。
「ジョジョリオン」最新97話・本編ネタバレを含むあらすじ+プチ感想です。
#96 終わりなき厄災 その(3)
参考:前回、第96話の感想はこちら( http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/jojolion96.html )
扉絵は常敏と彼のスタンド、スピード・キング。その熱は禍いを焼き払えるか。というアオリ。新ロカカカを隠し持ってたのは常敏だったのだから本来攻撃されるべきはこの人だったのに外野ばかりターゲットになってしまって、ようやく直接(?)対決になりそうですね。前回ラストの行動で完全に「意思」を見せちゃったし。
ページをめくるとそれについて焦る密葉さんの叫びからのスタート。こっちからの攻撃はダメ駄目だと。追いかけてしまうと「禍い」に襲われると警告します。スタンドでの攻撃をやめ、シーツを剥がすもそこにはすでに何もありません。ヘアスプレー缶が転がっていますが、能力によって熱を持ってしまい少しグツグツいってます。これかなり危険ですよね。
しかし常敏はとっさに枕で防御。案の定熱せられたことで爆発し中身のガスを飛ばしながら缶は明後日の方向へと飛んで行きました。
これまで常敏には院長の姿は全く見えておらず、今はどこかにいるか密葉に尋ねます。今までは遠くに見えていただけだったのに今や家の中に入ってきて、ベットカバーの下へ潜ったと。院長の姿をしているが「スタンド」なのか?と確認しますが、彼女曰く「厄災の形」だと。
前回の感想記事にいただいたコメントに返すときにも触れましたが、『死期が近づいた人間が見る、死神』みたいなイメージなのかなと思ってます。"禍いあるところに院長の(後ろ)姿あり"的な。
フルーツの場所を探るためにずっと周りの人間に対しての攻撃は続いていて、密葉に関しては大学病院のDr羽のラボに入った直後から始まっていたのだし、康穂もターゲットになったことでこの家にたどり着いてしまったのという彼女の予想を改めて口にします。さらに病院で出会ったため、礼や定助も同じ攻撃を受けているだろうと。
説明を黙って聞いている常敏。おそらく考えを整理しているんでしょうが、不安になった密葉は「あなた!」と声をかけます。「遠隔自動の攻撃スタンドという事か」「オレがこの持っている限り続くのか」焦る妻の言葉とは対照的に冷静に状況を一つ一つ確認してく常敏。
「今まで余り口にしたことがなかったが」という前置きで、妻への感謝を告げ、さらには「おまえがいたから現在のオレはここに存在している」「おまえがいるからつるぎもいる」と続けます。これには言葉を失う密葉。順番なんてつける理由はないが、それがオレの大切な順番で絶対に手放さない。自分自身に言い聞かせるように呟きます。あーこれ立ち向かう決意したんですね。以前も触れましたが、やり方が過激なだけでこの人もまた家族思いなのは間違いないんでね、こういうところはカッコよく見えますよね。家を、家族を守るんだ、って気持ちが人一倍強い。
ただ、死亡フラグがすごいんですけど……。
本体がどこかにおり、新ロロカカの存在がバレたなら屋敷の近くにいると推測。逆に都合がいいと、鉢植えを抱えたまま家の中を移動します。監視カメラの映像をチェックすると、ガレージ前でかなりピンチな状態で倒れている康穂の姿が目に入り、さらにその向こうにもう一人の人影が。おお、この服の模様は!!
その方向を確かめようとするとむせてしまい、不意に抑えた手を見るとなぜか血が。さらに口から血がたれ、次の瞬間、力が抜けたようにかべに倒れ込んでしまいます。息も苦しくなり、支えた手の形にあとが残るほど出血はひどくなっています。一体何が起きているのか、自身の体を探ると、心臓のあたりに小さい筒のようなものが突き刺さって、そこからドバドバと血がふきだしています。そこでようやくスプレー缶から飛んだものだと理解しますが、こうなったらもうなす術はありません。立っていることすら困難になり、倒れ込む常敏。駄目押しと言うように持っていた鉢植えが彼の体に落ち……。「密葉、つるぎ」彼の最後(?)の叫びも虚しく、ロカカカが転がっていきます。
動くなと言われ部屋に待機していた密葉含め他の家族は何が起きたのかさえ分からず、呆然とするしかありません。こないだ死んだと思ってた憲助さんがまだギリギリ息があることがわかったんでこれもまあ確定とは言えないんですけど(リタイアって書いてないし)、流石にこの状態じゃもう望み薄じゃないですかね。常敏、ここでか〜。
そして樹々の間から様子を伺う影の正体がアップになり、やはりそれは透龍。この感想で毎回「敵に違いない」って書いてきましたが、ついに発覚しましたね。その手に持ったiPodの画面にはプレスリーの「ザ・ワンダー・オブ・ユー」曲に合わせて口を動かす余裕っぷりです。何も知らない康穂は彼が助けに来てくれると信じているようですが、一連の行動を見た感じ「自分の敵(定助)の仲間だから康穂を見殺し」にするつもりなのかな。あんなに求愛しといてそれはちょっとドン引きですよね。実際はかなり近くにいるのに、助けないっていいうのがさらに怖い。
舞台変わって、TG大学。院長の講演が終わった頃。定助が依頼したバイク便「バイク・ハイ」の配達員が、小包を届けます。相手は記者。頭頂部の脇で髪を縛り、顔面にはニキビ。特徴的な風貌をしたこのおじさんは不振ながらも受け取ります。言葉で説明するの難しいのですが、なんとなく野性爆弾のくっきーさんがコスプレしたら似合いそうなキャラ(笑)
その彼が向かったのは院長の控室。パンゲア・ランド、通称パンラーという科学情報誌の記者・田岡というらしいのですが、講演について院長におべっかを言っても壁のそばで背中を向けて立ったまま全く反応しません。まるで人形みたい。恐る恐る近づくとやっと振り返りますが、相変わらず院長・明負悟の眼光は鋭く、思わずたじろぎます。意外にも名刺を差し出し、そこからは普通に会話がスタート。
どうやら小包の中身はSDカード。中には0分前に撮影された、病室にいるホリーさんやラボの画像が入っており、加えてロカカカの破片の入った瓶も同封されていたようです。科学雑誌の記者ゆえすぐに推察できたのか田岡はロカカカ6251の原材料であり、吉良ホリーで人体実験していたのでは?と問い詰めます。おお、手強い院長相手に脅しのようなことを。なかなかやるな。
しかしこの次が不味かった。「君は私を追うつもりで来たのかね?」これに対して田岡は追いかけますよと肯定。真実や、隠蔽してたことを記者として追跡する、という意味ですけど、これでターゲットに決定。相手が悪かったね。彼にバレないように世間に公表してたら少しは違ってたのでしょうか。でも敵になった瞬間に厄災の対象にするでしょうし、遅かれ早かれ結果は同じかな……。
どうやられるのかと不安ながら読み進めると、田岡がフルーツとわかったのは瓶を明けて調べたから。その時に触れてしまったのでは?と。自分が追い詰めてるはずなのに冷静な院長に混乱しますが、さらにその場から立ち去ろうとしてしまいます。「自分の顔を見てみるといい」そう言って部屋を後にする院長。田岡が手で顔を探ると、なぜかニキビが消えており、その代償として他の部分が岩化。首のところでボキッと折れてしまいます。コウベがたれた状態で絶命し、手からロカカカの瓶が滑り落ちます。うわー、一般人なのに死に方キッツイ。
「情報源が誰かわかった」と言っていた院長は敷地内を移動。救急車から脱出してロープから元の姿に戻った礼さんも同じ場所にかなり近くにおり、彼→院長という順番で同じ目的地、定助の元に向かっていることが判明します。今ままでは追わせようとしていたのに、向かっている。文字通りの形勢逆転ですね。ついに直接対決か。ラボで悠然とその時を待つ定助。ホリーさんの伝えた「追わせるのはいい」最高のアドバイスでしたね。
反対のページではそのことに気がついた透龍が熱唱を止め、「面白い」「追わずに誘ってきた」とコメント。「機も熟したのか」というアオリと共に「新ロカカカ収穫まであと2時間11分」とカウントダウンが表示されて今回はおしまい。
今回もかなり中身が濃く感じましたね。特に常敏VS厄災があってメインキャラクターに動きがあったから余計そう思うのでしょうけど、強いスタンド使いがどんどん戦闘できなくなって東方家のピンチが加速してくのはとても緊迫感があります。透龍が近くにいるってことは、「自分で鉢植えを回収する」つもりでしょうから、王手かけてますし、一方で院長を使って定助たちとも対峙してく流れですね。
その透龍ですが、確定しましたね、敵だって。散々ここでも書いてきた怪しさだとか「ザワンダーオブユーの歌詞」とか要素としてはほぼ確信してましたが、ロカカカ編で終わると仮定すると「ラスボス」と考えていいと思います。
僕の中でのイメージを一応整理すると
<名前>ザ・ワンダー・オブ・ユー
<本体> 透龍
<スタンド>自分のことを攻撃、探る、追跡などしてくる/意思を抱いた対象に厄災をもたらす。主に物理的な激突を伴うことが多い。
ここまではいいんですけど、<スタンドビジョン>がね。病院の階段などで出てきた黒っぽい上半身だけのスタンド。ターゲットに攻撃中は相手に明負悟の姿を見せる。(黒いのが院長の姿に変化すると思ってたんですが、84話の階段のシーンだとスタンド像も院長も両方いるんですよね。)
さらに講演会や今回のように「実体」として明負悟が存在してるケースがどういうことなんだろってまた疑問が。そういう風に見せている、ということなのかな。
youtubeにアップされていた展開予想で、定助が二人で一人の存在だからラスボスは一人が二人になってるというものを見かけましたが、ターゲットに見せている「後ろ姿だけの院長」とは別に「実体のある院長」が存在してて、岩人間・透龍から分裂したもの、というのもありえそうでね。スタンドビジョンが上半身だけに見えるのもそういう示唆じゃないのかとか。何にせよ次回以降で明らかになってくると思いますし、例によって色々考えながら待ちたいと思います。
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