新ロカカカ収穫まであとわずかという状況の中、東方家の長男が代々患ってきた謎の病が進行したつるぎはスタンドが暴走し姿が変貌していく。果実、そして院長への手がかりを得るため広瀬康穂はスタンド「P・P」を使って東方家に侵入を試みるも東方常敏に見つかり、スマホごと水洗トイレの中に落とされてしまう。事態を知った密葉は彼女を見逃すように夫を説得するも聞き耳を持たず、スタンド攻撃で無理やり下水まで押し流そうとするも手元が狂って壁を攻撃。ロカカカの鉢植えが露見してしまうが……。
「ジョジョリオン」最新95話・本編ネタバレを含むあらすじ+プチ感想です。
#95 終わりなき厄災 その①(1)
参考:前回、第94話の感想はこちら( http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/jojolion94.html )
扉絵は定助の顔ドアップ。ロカカカから抽出した薬を摂取した後遺症(等価交換)により顔面の一部が石のように硬化してるわけですが、いまだに眼球あたりのはちょいグロで直視しにくい。でもこれだと単純に上瞼から垂れ下がってるだけで黒目から直接生えてるのではないのかな。いやいや、深く考えると余計ゾワゾワするのでやめます。どちらにせよ邪魔なので視界は悪くなってそう。傷つき見えるのはーというアオリですが、彼は今、より先を見据えて「待ち」の時間ですからね。
しかし院長のスタンド攻撃にあっているのは東方家の面々。前回のラストで壁に穴が空いてしまったのは紛れもなく「厄災」のせいであり、外でボロボロになっている康穂も彼の後ろ姿が見えています。音を聞きつけ他の家族も部屋に入ってきますが、このカオスな状況に驚きを隠せない様子。「何をしている?」「何事だ?」憲助の問いかけにも何も答えない常敏。微かに聞こえるのはトイレから聞こえるスマホからの康穂の声だけです。わずかな時間とはいえ、無言のままでいる常敏が怖い。
「バラバラになる」絞り出す声に状況を理解し、急いでスマホをすくい上げる憲助。「何をしているのかと聞いているんだッ」声を荒げる父とは対照的に、諭すようにに淡々と話す常敏。もうまもなく、あらゆることに勝てると。「これは『正しい道』だ」つるぎの病気も治る。そう言われ反応せざるを得ません。「お願い(スマホを)電源の近くへ」懇願する康穂ですが、相変わらず常敏は水の中に戻してくれと言い放ちます。自ら出たことで康穂自身の崩壊は止まったように見えるものの、依然としてボロボロなのには変わりありません。まだスマホびちょびちょですしね。彼女の目には自家用車に腰掛ける院長の後ろ姿が依然として見えており、攻撃が終わってないことを予感させます。
それ(康穂)は侵入者であり、そのまま返すわけには行かないから水に戻してくれ、これはつるぎも密葉も納得した上での決定だと強調しますが、流石に憲助さんは二つ返事というわけには行かず、逆に新ロカカカのことについて尋ねます。つるぎにしか知らなかったわけですから、こんな近くにあったのかと驚きですよね。「新ロカカカで、俺が育てた」他の面々にも衝撃が走ります。果樹園の家事の時に手に入れたこと。これによって「呪い」=代々患ってきた奇病を、誰の犠牲もなく確実に治せると説明。ただ今このことを外に漏らすわけには行かないのだと。
命を失ったわけではないものの、母親が刑務所に行ったことととかを含めて「誰かが犠牲になる」ことに思うところがあったんでしょうね。だから何のデメリットもなく病を直すことが、東方家が「呪い」に勝つことだ、そのためには〜っていう価値観で、時に非情になった感じ。
その言葉を受け、これまで自分とは価値観が違っていた、自分が古くて間違っていたのかもしれない。「お前が『正しい』のかもしれない。長男に従おう」と認めてしまいます。え、じゃあ康穂は?? 彼女もショックを受けて思わず叫びます。
ただし、それは「われわれが『正しい道』を間違いなく歩いてるならば」の話だと訂正し、自分のスタンド「キング・ナッシング」で鉢植えに残った別の人間の痕跡=匂いを具現化します。
そこに出来上がったシルエットは、正しくオージロー。一度鉢植えを抱えて窓から出ていこうとする姿が再現されてしまいます。顔を見たことで密葉さんの中で新聞記事の情報と繋がり、全てを悟ってしまった模様。窓に目をやったことで外で倒れている康穂と憲助の目が合います。かなり辛そう。
「この男に何をやったんだ?」一度持ち逃げされた(されかけた)のがここにあるということは、取り返したわけで、まあピンときちゃいますよね。振り返ると、なぜか常敏がそっと触れています。
「すまない」「この『道』をあとへは戻れない」「許してくれ」大量の涙を流しています。お前、まさか!
血液が煮えたぎり、手首のあたりから血を噴き出して倒れる憲助。なんと実の父親にスタンド攻撃、しかもどう見て息絶えてますし酷すぎる。なりふり構ってられないにしたって限度があるでしょうよ。衝撃の展開にその場の全員が動揺を隠しきれず、大弥の悲しい叫びが響き渡ります。駆け寄ろうとする兄弟たちに対し、スタンドで牽制する常敏。
「覚悟を 決めろ」「さもなくば口を閉じろ」「俺たち東方家はこのまま前に進む これが『正しい道』だ」戸棚からシート?を出し父の亡骸を包みます。誰一人何も言葉を発することができません。果実の収穫はこの日の日没。「オレたちはすでに全てを手に入れて買っているんだ」邪魔者はもういないと思ってますけど、院長の攻撃は続いてますからね、多分。
ふとスマホに注意を向けると、コンセント穴を伝ってペイズリーパークが脱出してる姿が。ギリギリ間に合いましたね。憲助さんの手から滑り落ちたおかげです。とりあえず彼女はこれで一安心かな。まだダメージが相当残ってますし、すぐに行動は起こせなさそうですけどね。「助けを呼ばなくては」やっぱりまだ院長の姿もあります。
密葉さんはこれまでの全てはずっと繋がっていて、自分が病院から帰った時からはじまり今も続いている「厄災」なのだと改めて実感します。スタンド攻撃として、彼女の「周り」東方家、定助や康穂たちも巻き込まれてしまったと。院長の姿を見ようとすると厄災はぶつかってくる。康穂が外に出た、ここからどうなるのか。考えを巡らせるところで今回はおしまい。
いやー、ついに「つるぎが憲助の遺体をひきずる」のところまで到達しましたね。かなーり昔に予告みたいな形で描写されたシーン。あの感じだとてっきり他の家族の知らないところでつるぎ自身が攻撃しちゃって、バレないように証拠隠滅してるのだとばかり思ってました。ここ最近「暴走」するような描写があったので。でも常敏だったとは。過去にも触れてますが、散々「価値観の違い」は強調されてきましたけど、息子を救う邪魔をするから父を殺めるって、犠牲を出すことよりも悪化してないか?とツッコミたくなってしまうぞ常敏。まあ子孫含めて解決できると思ってますしね。
そしてこの未来予告、当時だとつるぎ君が普通の姿のままひきづっていたんですよね。Twitterの他の方の感想で指摘されてて気がついたのですが、今回のお話だともう全身が変形しちゃってるんですよね。整合性が(笑) まあこれは受け入れるほかないです。一時的に元に戻るとか?
定助が盗んで送った旧ロカカカの薬が一体どこに届けられたのかも気になりますが、康穂が「助けを呼ぶ」と行ってるし、誰かが鉢植えを移動させる可能性も低いしこのまま東方邸が舞台のまま進行していくのかなと思います。院長を探ろうと(顔を見ようと)しない限りはもう攻撃はされないと思うんですけど、サブタイトルが「終わらない厄災」ですからね。まだまだやられそう。逆らったらやられるし、常敏に従う形で家族で鉢植えを守る方向にいくのか、果たして……。
例によって気になるところで終わってますけど、来月は普通に連載されますので、1ヶ月後を楽しみにして待ちたいと思います。ウルトラジャンプのHPによるとジョジョリオンのコミックスも4月発売予定みたいなので、そちらも合わせて。
そんなジョジョリオン95話掲載、ウルトラジャンプ4月号は 3/19 本日発売。
電子書籍版はこちら。
ジョジョリオン 23 (ジャンプコミックス)
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