院長を追跡するのではなく、逆に「追わせるならいい」という母ホリーの言葉をむねに、バイク便という手段を取った定助。一方、新ロカカカを本当に隠し持ってるのは東方家の人間だという推理にさらなる確信を持ち始めた康穂は大胆にも彼らの家に向かい、スタンド「ペイズリーパーク」を使って中の様子を探ることに。しかし常敏にバレてしまい、潜入していたスマホごとトイレに流されてしまう。そのダメージは康穂自身の体をも蝕んでいくのだが……。
ジョジョリオン最新94話・本編ネタバレを含むあらすじ+プチ感想です。
#94 危険な追跡 その⑥(6)
参考:前回、第93話の感想はこちら( http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/jojolion93.html )
扉絵はペイズリーパークの顔面ドアップ。今ジョジョリオンはじまって以来最大のピンチですからね。応用力も含めて、かなり便利なスタンドですし、一つの手がかりから次の情報を得る時も大活躍してくれた彼女(?)ですが、スマホごとトイレに流されるのはかなりヤバイ。
懸念事項を無事に解決して涼しげな顔をする常敏と、自分たちの安全のためとはいえ康穂のことを気遣い動揺しているつるぎという対照的な二人。外の様子を伺いながら、改めて新ロカカカの収穫が迫っていることを強調します。いよいよ、この日の日没前には可能になるもよう。「東方家は輝き続けるんだ」「この家は更に繁栄して行く」
劇中のキャラクターがはっきりと明言したのはこれが初めてだと思うんですが、憲助さんは先祖代々壁の目の祠の穴の中で、つるぎの病気と彼の身体を『交換する』つもりのようで、先祖代々あの奇病の解決策としてこの方法が用いられてきたと常敏が説明。ここに花都の顔も映ってるので、常敏自身の病気は「いじめっこにおっかぶせた」のでしょうけど、大抵は身内が犠牲になるパターンが多かったのだと思います。
しかし新ロカカカがあればそんな犠牲もいらないと力強く言い聞かせます。その一方で、康穂の侵入はただ事故なのだと続ける彼の言葉は、まるで自分に言い訳をするようにも聞こえます。オレたちは宿命があるだけ、それは責められない。偶然どこからかまぎれこんでしまった只の「事故」だと。だからつるぎは悪くない。「全ては夏休みのように幸福で輝いてるんだよ」(この比喩すごい、好きです)「オレたちが勝つんだ」
ここからは康穂というかペイズリーパーク目線に切り替わり、トイレの中からなんとか脱出すべく奮闘する姿が絵あかれます。とにかくスマホ以外の別のものに乗り移って移動したいのですが、どれも相当の距離があり、完全に「遮断」されています。なおも水没へのカウントダウンは進み、シンクロするように康穂自身へのダメージも増えていきます。前回も書いた気がしますが、4部の「アクアネックレス戦」を彷彿とさせますね。
必死に叫ぶも、土地の広い邸宅、家族は家の中、誰にも届きません。虚しく響くだけ。全身から水を流しがら必死になって防犯(監視)カメラの前まで移動し、アピールします。ここに偶然通りかかったのが密葉。良かった。そもそも彼女はこれだけのカメラがあることすら知らなかったようです。もしかしてつるぎのために来てくれたのかと好意的に解釈(いや悪化してること知らないんですけどね)すぐさま彼の部屋に向かいます。
そこで目にしたのは、水洗トイレの中に流れていきそうなスマホと、そこで一生懸命耐えているスタンドおよび康穂の声。「このままだとあたし死んでしまう」状況が飲み込めない密葉ですが、非情にも常敏は一本指をたて「しーっ」と合図。あくまで見逃すつもりはない様子。「ドアを閉めて部屋から外へ出ていろ」なんとか彼女に助けてもらうと声を張り上げる康穂ですが、夫の指示を無視してすぐには行動できないみたいです。
「まさかクワガタ虫の部屋にある、あれのために起こってることなの?」「それを口にするな」危機的な状況の中でもこれを聞き逃さず、康穂は更に疑惑を強めます。もしや新ロカカカのことか、と。
心変わりしてくれるように、今度は密葉が常敏を説得。私たちの味方だしこれからもそうなると。しかし決意は固いようで、一切聞く耳を持たず「親父もこのことは内緒だ」と念押し。どうすば良いか分からず呆然としている密葉がふと窓のそとに目をやると、そこにはなんと院長の姿が。
明負悟!なぜここにいるんだ、これには康穂も驚きます。何事かと近づく常敏ですが、窓からは何も見えません。
あれ、これ結構重要なポイントでは?
「あいつを見かけると良くないことが起こってる」と叫ぶ密葉。康穂の方も「顔を見ようとしたことで定助にも豆銑さんにも何かがぶつかってくる」と焦ります。何が見えるんだ、と更に近づいてくる常敏に対し、そしてつるぎにも「愛してる」と伝える密葉。
え、なんか危険なことするのかなと一瞬びびったんだのですが、実際に密葉がやったのは、トイレの蓋を閉めること。
「なッ!! なにッ!!」そりゃ康穂にとっては一番考えてなかったことですよね、逆にとどめをさすのか、って。しかも彼女本人の前にはなおも院長が不気味に立っていて、こちらを振り返ってきます。それに驚いたのもあって、足を滑らせる康穂。防犯カメラに強くアピールするために塀の上に登っていたのですが、そこから落ちてしまいます。その衝撃で、なんと腕が、とれてしまいます。元々スタンドが食らったダメージのフィードバックによって限界がきていて、という感じでしょうが、かなりショッキングな展開になりましたね。
泣き叫ぶ康穂を尻目に、去っていく院長。これまた常敏はその姿を見れてないようで「誰かいたのか」なんて聞いてます。今回だけでなく、今まのでの経緯を説明する密葉。尾行や覗き見ではなく、あれは「災い」なのだと。彼はスタンド使いであり、後ろ姿を見ると思いがけない悪い事が続くと。あー、なるほど、なんかこう「死神が見える」的なニュアンスに近いあれですかね。ちょっとわかる気がする。そしてターゲットにされた人だけに見える。だから常敏はまだ見えない。
家族にぶつかってくるモノは、スタンドで下水から外へ流し出す。「流れて消えろッ!」すっごい怖い顔してますがこれは演技で、おそらく一気に移動させてそこで何か別のものに乗り移る、要は常敏にバレないように康穂を助けようとした行動だと思います。そう信じたい(笑)今とんでもなくピンチな状態だってのを知らないでしょうし。
しかしそんな彼女の行動を嘲笑うかのように天井から水滴がポタリ。しかも院長が見えたということはつまり……。いつぞやの雨粒のように、掌を貫通するほどの威力で攻撃をうける密葉。スマホへ向けようとしていた矢印が狂い、思いもよらない方向へとパワーが炸裂してしまいます。そしてそれは壁を破壊し、その奥の部屋の中身が見えてしまいます。それこそれが他の家族にすら隠していたロカカカの鉢植え。物音を聞きつけ全員集まってしまったがために、必然的にバレてしまいました。しかも以前スマホはトイレの中、もう康穂は気を失ってるように見えます。
不幸があぶり出す果実の姿…という煽りで今月はおしまい、しかも来月は休載だそうで、続きが読めるのは3月。遠い!
これ果実があればつるぎの病気が治るって言われてたら他の家族も協力してくれそうな気もするんですが、どうなんでしょうね。これからまた憲助さんが……という予告が現実に起きるんでしょうし、舞台は東方家のまま院長からの攻撃に耐えるのか、あるいは再び定助の描写になるのか……。日没ってことはもう数時間で収穫ですからね。クライマックスの緊張がずっと続きそうです。
前回の感想で「常秀の能力で病気が治せるのでは」というコメントをいただいたのですが、今回の康穂の事故、これも彼の能力が役に立ちそうじゃないですかね?ボルトで留めるって方法でとれてしまった腕をなんとかできそう。そしたらちょっと彼女も見直すかもね。ゲスキャラの汚名返上、ちょっと期待してます。
そんなジョジョリオン94話掲載のウルトラジャンプ2月号は1月18日本日発売。19日が日曜なので、今回は前日発売です。
僕は例によって電子版で購入〜。
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