不可解な出来事が多発し、それが何か一連の流れではないかと疑い出した東方密葉。料理中の彼女をまたもや偶然の連続で危機が襲いかかり、スタンド能力でなんとか自体は収束。しかしそばで見ていた息子つるぎに異変が。彼の家で代々長男が罹患するという謎の奇病の影響か、彼のスタンド能力が暴走し、まるで折り紙の鶴にもにた形に変わっていく。一方、院長に近づくためにあえて怪我をして搬送された定助は計画通り病室で目を覚ます。見張りの警官をやり過ごそうとしたものの、彼が激突してきたことで腹部に大きな怪我をしてしまい……。
ジョジョリオン最新92話・本編ネタバレを含むあらすじ+プチ感想です。
#92 危険な追跡 その④(4)
参考:前回、第91話の感想はこちら( http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/jojolion91.html )
扉絵は両手に旗を持ち「手旗信号」を行っている5人の登場人物たち。康穂・つるぎ・常敏・S&W(スタンド)がそれぞれ四隅にてJOJOを表し、真ん中に少し大きめに描かれた定助がREADYを表すポーズをとっています。胸のあたりに[J]とか描いてくれてるので意味はすぐにわかるのですが、一応wikipediaの手旗信号のページを確認しました。2本の旗だけなのに細かく表現できるのはすごいですよね。ご存知の方も多いでしょうが、主に海上で使われる方法。水兵服の定助に似合ってます。
ページめくると見開きで今まさに院長・明負の講演会が始まろうとしているところからのスタート。テンション高めの司会者の言葉とともに建物の外観、そして中の様子が描かれ、最終的に講演会場と、万雷の拍手の中ステージに出てくる明負の姿が描かれます。「再生医療」がテーマのようですが、素晴らしい技術である反面、まだまだ問題点も多い。しかしながら院長はそれを克服した、という紹介のされ方。まさか、ロカカカを正式に発表しちゃうのか!?そして普通に顔晒しちゃってますけど、あれ?今日はモノクルつけてない?
すぐに場面切り替わり、病室の定助。こんなに近くまできているのに、監視の警察官がぶつかってきたことで腹部に大ダメージを受け、息も絶え絶えの状態で這うように移動しようとしますが、その意識さえ遠のきそうです。これは悔しいなぁ。あと1歩なのに。
廊下でそんなことを感がながら倒れていると、どこからか声が聞こえます。「吉影」怪我の深刻さを一眼で判断し、「とても深いわ、吉影」と再びその名で呼ぶ女性。やっとの思いでその姿を捉えると、そこにいたのは看護服の女性。そその髪型や、彼女が出したクイズから察するに、この人はまさかのホリーさん。
飼っていたウサギの身長をクイズにしたのは、かつて吉良が4歳、ウサギが7歳の時に肋骨を2本折った経験があったから。その時も治したのだから、今回も大丈夫。勇気付けるホリー。しかしなぜ彼女がこの場にいるのか、そもそも幻覚か何かではないのかいまだに混乱し続ける定助。そりゃそうだよ。どんどん認知機能がおかしくなってたし、この人を治すためにここに向かってたのに、逆に助けられてるなんて。
さらに彼女に注目すると、全身の皮膚にくまなく数字やメモが書かれています。「最近忘れっぽくなったからサインペンでメモってるの」これは映画「メメント」を彷彿とさせますね。そしてさらに驚くべきことには、彼女が皮膚の一部が硬化して、その部分が少しずつ上へ上へと移動しているのです。数字の方はまるでタイマーのような役割をしており、彼女の曰く最終的に脳に達してしまうと昏睡し、このサイクルをずっと繰り返してるため病院にいたとのこと。定助も気づきましたが、この硬化、ロカカカでしょうね。
再び院長のステージ。「LOCACACA6521」これをしかるべき方法で注入するだけでどんな症状だろうと患部を変換し、リスクもない。『再生を越えた(新品との)「交換」』とのこと。もはや彼は再起不能になってるので変な話ですが、Dr羽の能力で脳だけは守る。程度だったはず。いつの間に副作用を克服したんだ?新ロカカカのこと?
というか「JOJO 6521」を思い出してニヤニヤしますね。
一方でホリーさんもそのロカカカの場所に案内し、そこで治すと言ってます。疑惑が確信に変わりつつ「ロカカカを知っているのか?」と焦る定助。
マウスや牛を使った実験、そして人間の被験者による臨床実験も100%成功しているとのこと。「完成は近い」「まさに明日、明後日にも完璧の治療技術となります」まだ認可待ちであるものの、修復が難しい脳細胞の交換治療についての解説をするのが今回の院長の講演のメインになるみたいです。会場のドアが描かれてフェードアウトしてしまったので漫画内では見られませんけどね。
診察室に向かいながら、これまでのいきさつを話すホリー。残業を減らすように言われた頃から病院に新しい医師が何人か増え、いつの間にか彼女は記憶が途切れたり、物を落としたり、歩けなくなったりもし出したそうです。「あなたはその頃海の上にいた」だから危険に気づけなかったし、定助はここでストレートにぶつけます。「あなたはロカカカを投与されていたのか」言葉は発しないものの、その表情から紛れもない事実だと読み取れます。「吉影、あなたに危険がせまっていたのに教えられなかった」病院内の新しい医師たちのことはダモカングループにも知らされておらず、またそこで行っていたのが臨床実験だったということ。密葉さんを含め、Dr羽の患者で試してたんですね。
幸運なことにLOCACACA6521の場所がわかっていて、それによって定助の致命傷は治すことができる。消火栓から俗にいう「マスターキー」小さいオノを取り出し、診察室の隠しキャビネットをこじ開けるホリーさん。そこには彼女の言葉通りロカカカと書かれた容器がありました。全ての傷は治るものの、どこかしら岩化してしまう。「私は何度も経験させられた」という言葉が悲しく聞こえます。それでも飲むしかない。そうしていううちにそろそろタイムリミットが近づいて、彼女はよろけてしまいます。昏睡状態になる前に最後に伝えることがある。それは院長を決して追ってはいけないこと。「彼には顔がない」何度もあってるけど顔が覚えられない。「そういう人物。そういう能力」ここ気になりますね。追おうとすればあらゆる「悪い力」が激突してくる。これは定助も、身をもって実感してますよね。あなた自身が大切だから追うのはやめてと忠告しますが、そのホリーさんを助けたいがためにここまで来ていて、諦められれわけがないと声を震わせる定助。「からなず奴を倒す 殺すことになる」凄みが増してます。エフェクトこそないですけど、漆黒なる意思。
覚悟を決め、ロカカカのを飲み干そうとする定助ですが、よりによって口が岩化。飲み進めるどころか、呼吸ができなくなってしまいます。「これが悪い力が激突してくる」なのか、と焦ります。まあたしかにこれまでのも「悪運が降りかかる」という要素もありましたよね、転ぶとか首のあれとか。横になりながらも、「吉影 話は最後まで聞いて」院長を追いかけようするからダメなのであって、ビンをホリーさんが持てば良い。ちょうどほっぺたに傷があり、そこかから液体を流し込む彼女。「幼い頃からうぬぼれが強くていつも突っ走ってた。それが大成功したり、致命的に失敗したり」この息子を優しく見守り諭すシーンほんと泣けます。定助の中に吉良が生きていて良かった。定助であり仗世文であり吉影なんですよ、8部の主人公の青年は。
「追いかけてはいけない」「追いかけさせるのは良い」これまたヒントくれましたね。重要な鍵になりそう。「お願いよ あなたに また 会いたい から」眠りにつくホリーさん。うぉぉぉぉぉ
この時点で僕(ブログ筆者)の涙腺完全にやばいことになってたんですけど、定助もボロボロに泣いてる。目の前の女性は現実か幻覚か。定助を息子の吉良吉影と思い込んでいたのか、あるいは全て理解した上であえてそう呼びつつ定助を助けたのか。腹部の傷は完全に治り、口を覆っていた岩も剥がれています。
「オレの名前は東方定助」生まれた時からの思い出はこの世のどこにもないし、それはこれからも変わらない。だけど唯一確かなことを見つけた。「オレはあなたの子供だ」これはどの場所へ行こうと、どの時代を生きようと信じられる確かなこと。「母さん」泣きながらオラオララッシュを叩き込み、診療室はめちゃくちゃな姿に。おそらく他に手がかりがないかとか、隠し扉とかを探したんでしょうけどね。
「必ず助ける」ふと気づくと顔の表面から胸のあたりまで、左目を通るように縦のラインを描くように途切れ途切れで皮膚が岩化しちゃってますね。これが等価交換の代償か。講演ではああ言ってましたけど、やはり今の段階の「LOCACACA6521」では完璧じゃないんですね。新ロカカカはやはり常敏が隠してる一つだけ。だからこそ院長グループも必死で手に入れようとしてると。
「新ロカカカの果実はオレが手にいれる」某大ヒットゲームじゃないですえけど「ケツイがみなぎった」と聞こえてきそうな定助の顔で今回はおしまい。この定助、左の眼球からも岩が飛び出してるので、あんまり直視したくない感じもあります。(若干のグロ注意)
いやー、今回は定助という人間が生まれたいきさつが判明した、吉良吉影と空条仗世文の回想シーンにも匹敵するほどの感動エピソードでした。アレも主人公のアイデンティティーって意味でかなり盛り上がる、心揺さぶられる話でしたけども、今回は劇中ではっきりと明言してる通り、やっと見つけだせたんですよ、「自分が何者か」を。これ泣くでしょ。たしかにいろんな脅威を跳ね除けて彼なりに進んではきたし、今触れた肉体的な意味でのルーツが分かったとはいえ、ずっと思い出がないとか、どこかむなしさのようなコンプレックスがあったんだと思います。それがね、連載開始から毎月購入してこうやって感想書いてて感情移入し続けてる身としてものすごい嬉しくなりましたよ。
ラストにも強調されたので「追わせるのなら良い」が今後のキーワードになってきそうなんですが、ここでようやく新ロカカカを持ってるのは院長派閥じゃないって気がつく流れに変わるのか、あるいはまた第三者を介入させる形で近づくのか。7部の名言「遠回りこそが近道」に従えば、ここまで近づいたけど、ここはあえて、離れるという選択肢も見えてくるのかなと思ったりしました。まあ康穂が東方家と接触する方も描かれるでしょうし、そこで新ロカカカのありかが確定して定助も合流って流れを予想しておきます。
来月も楽しみです。
そうそう、あの男がフューチャーされるジョジョリオン22巻が12月に発売だと告知されていました。
92話掲載のウルトラジャンプ12月号は11月19日<本日>発売。
今回も電子書籍で購入しました。
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