ジョジョリオン 第90話 【ネタバレあり】 あらすじ 感想 (2019/9/19 更新) #ジョジョ

前回までは……
TG大学病院・院長の「追跡」と、濡れ衣をかけられていることでの警察からの「逃亡」→「潜伏」を同時にやらねければならなくなった定助・礼コンビ。樹木の上に高級車ごと隠れて息を潜めていた彼らですが、新聞記事にて翌日大学で開かれるイベントに院長が参加することを知り、そのチャンスを活かすことを決意。しかしその決断自体が「追跡する意思」だと判断され、彼のスタンド能力が自動追尾で再び彼らを襲うことに……。
ジョジョリオン最新90話・本編ネタバレを含むあらすじ+プチ感想です。



#90 危険な追跡 その②(2)

参考:前回、第89話の感想はこちら( http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/jojolion89.html )

扉絵は必死な形相でS・Wオラオララッシュを叩き込む定助。抗い進めーというアオリといい、とにかくぶつかってくる敵の攻撃をいかに裂けるかという今の状況は3部終盤のDIOのナイフ攻撃を受けてる承太郎を彷彿とさせますね。(僕が漫画アプリ「ジャンプ+」でそのあたりのシーンを最近読んだ影響ってのもありますけど)

前述の通り、またしても(おそらく)院長のスタンド能力「何かがぶつかってくる攻撃」のターゲットになった定助たち。運悪くよく降り出した雨粒までもが、まるで空からの銃弾のように定助たちを襲ってくる状況で、苦肉の策として彼らを確保しようと迫っていたパトカーの中へのと逃げ込んだ二人。死の雨、なんてアオリですが、さすがに車の装甲を貫通するほどではないみたい。あるいはあくまで二人が攻撃対象なので、他の警官を巻き込むこの状況ではただの雨に戻ってるのでしょうか。

一度でもターゲットになったが最後、「追跡するという意思」がある限り「激突」してくるスタンド攻撃は終わらない。「近づくことさえできないのか」と呆然とつぶやく定助。メタ的なことを言うともうウルトラジャンプ掲載中、何ヶ月も攻撃され続けてますからね、諦めるか、あるいは本体を叩くか……。

パトカーは一台ではないため、彼らが乗り込んだ車を取り囲むようにぞろぞろと警官たちが集まってきます。「降りなさい」「ふざけてるのか」この間ほとんど無視して二人だけ会話してるのシュールだったんですが、急に「調べるのはかまわないが、外に出るのは断る」と冷静に話し出す礼さんはもっと面白かった。それに続く「雨に打たれてしまう」「守られるべき人権がある」って言葉も、状況を正しく把握してない警官たちにとっては意味不明だったでしょうしね。雨ごときに何を言ってるんだ、って感じで。

と、ここで、定助がなにやら神妙な顔でに礼に話し始めます。俺の「東方定助」だがこれは憲助が一時的につけてくれた名前で、警察がいくら調べても何も出てこない。俺の存在は何者なのか、わからない。突然予想外の方向に話題が移ったため困惑する礼。「お前は空条仗世文だろ?」しかし彼の答えは「体の半分だけは」どこまで言ってもあいまいな存在なんだと語る彼に、改めて「今なぜそんな話を?」とたずねますが、ここでさd助の口から真意が語られます。それは決意表明。「絶対に新ロカカカは手に入れる」「決着は今この場でつける」

先ほど仗世文が半分と言いましたが、もう半分は吉良吉影の体であり、そして彼の母ホリーのために、完全な等価交換を手に入れなければないんだと。それだけがオレの「存在の証明」だと。今でこそ定助に仲間はいますし、家族と呼べる存在はいますが、彼にとって自分のルーツに一番近いのはホリーさんただ一人なんですよね。前々からこの最終目標はブレてない。(連載期間がSBRと並びそうな勢いなので、この新ロカカカ争奪戦が決着ついたらそこがジョジョリオンのゴールかな、と最近は思ってます。)

「院長を追うのはオレだけだ あんたは追わない」まだ良く真意が飲みこめてない様子の礼を尻目に、無言でパトカーのドアを開く定助。待ってましたとばかりに雨粒が彼を襲います。ドスドス バスバス、身体中を貫かれていきます。待て、と叫ぶ礼ですが彼の意思は硬く、とっさにスタンドで体をひも状態にして伸ばそうとするも間に合いません。
距離にして3.4歩でしょうか、そのわずかな時間に多数の攻撃を受け、その場に倒れてしまう定助。その場に集まっていた警官たちも何が怒ったのか良くわかっていません。そりゃまあ突然撃たれたような無数の怪我してるんだからね。超常現象ですよ。

「定助ェェー!!」荒木先生の描き文字によって強調される礼の叫び。彼自身も車から身を乗り出しますが、すでにただの雨粒に戻っています。定助が気を失い、追跡の意思がなくなった結果「激突」攻撃も終わったということでしょうね。救急車を呼んでくれ!雨音をかき消すように彼の悲痛な声が響きます。雨の中叫んでる人物を真上からのカットで描いてるのが映画のワンシーンを彷彿させて、よりドラマチックに見えます。自分がピンチになるのもいとわず、賭けに出た定助と、その思いを汲むしかなかった礼。ジョジョの場合死亡フラグじゃないんですよね、覚悟が大きければ、それだけ勝利に近づく。

でも一方で等価交換として自分の身を、っていう線も濃厚になってきてちょっと怖いです。自己犠牲の精神はジョニィもやってるし、「呪いを解く」の解釈として、「曖昧な存在から、確固たる「自分」となる」その方法として誰かのためになるっていうラインも予想案の一つとして思ったりもしますし。

担架に乗せられ搬送される定助と、手錠をかけられてパトカーに乗っている礼。これからのことを考えて警官からの言葉も半ば上の空ですが、どうやら定助は救急病院で治療を受けてから、改めて取り調べられる模様。つまりこの救急車で一気に院長のそばまで近づけたわけです。賢い。

場面変わって、晴れやかな空のもと、康穂と透龍が語らっています。玄関の前に数段、おそらく康穂の自宅前ですね。星の話と康穂の「電気は空を飛べる」発言の思い出。これをきっかけに彼はワイヤレス充電を思いつき方々に売り込んだそうですが、「すでに世界中の人が考えてる」と言われてしまったみたい。ポケットの中でも充電できる、とまで言ってますが、ここまでのものはまだまだ無いですよね。最近の、端末同士を近づけるだけで給電もできちゃうのもかなり進歩してますけど。

そのセリフによって康穂を「女神」だと思っていたはずなのになぜ別れてしまったのか、復縁したい、というような事を口走る透龍。階段のおかげか、気づけばひざまずいくような位置関係になっています。ちょっと心揺れる康穂。二人の顔がかなり接近したところで彼女のスマホが反応。

別れた二人の動向をスタンド・ペイズリーパークで追っていたのでしょうが、ついに見つけました。数分前の礼のコンビニでの買い出しする姿が店内のカメラで確認されています。その後も街の監視カメラ網をたどるように足跡を追いますが、なかなか今現在の彼らを見つけられず。宗幸通りって看板がチラッと映ってますね。確か前回の警察無線で「宗幸公園に向かって逃走中」なんて言葉が出てきましたから。すぐ近くなのは間違い無いですけど、わかりません。きっとカメラより上にいる、って的確に推測できる康穂ちゃんすごいな。
というか今更ですけどさとう宗幸さんからとってるんですよね、きっと。現実にある地名なのかな?

携帯片手にそんな事を考えていると、透龍が追いかけてきます。君を全力で手伝いたい。もしかして院長を追ってるのか?と。「それは言えないわ。関係ないこと」これはいい判断。文字通りの意味としても通りますし、僕のように彼を怪しんでる身としては不用意にこちらのことあまりペラペラ話すのまずいと思います。しかし透龍の反応は意外なもので、その言葉を受け入れつつも、バイトの雇い主だから写真持ってるよ、とスマホを操作しだします。なんと!
これには康穂もテンション上がり覗き込みます。そこに映っていたのは

診察室?と思われる場所で密葉のすぐそばに立つ院長・明負悟の姿。ついに、ついに正面からというかその表情が判明しました。まあ一応は年相応の老け具合ですが、眼光が鋭く、また右目にモノクル?をつけています。まあ只者じゃないオーラが半端ないですね。
ただ康穂本人も驚いていましたが、なぜここに密葉が?そもそもどのタイミングで撮られた写真なのでしょうか。彼女はずっとドクター羽に見てもらってたんじゃないのか?果たして。

ここで彼ら二人の場所にも雨が降り出し、呑気に「ザーザーぶりになるかな?」なんてつぶやく透龍と、困惑する康穂で今回はおしまい。深まる疑惑ってアオリですけど、何が何やらって感じですよね。一番エキセントリックな予想としては、もしかして密葉さんと血縁関係あるとか?でも確か岩人間同士でないと子をもうけることができないってあったはずで……。
新ロカカカの収穫まで48時間ってカウントダウンも出てますし、いよいよ学会での院長との直接対決に向かっていく流れですね。

ただここで礼と離れるのは予想外だったな。今の所防御するしかない状態で、どうやって定助一人で立ち向かうのか。期限が来るまで鉢を守ればいいだけだから、ここから常敏つるぎが積極的に病院関連に絡んで来るとも思えないし、というかそっちはそっちでまだ憲助のことが待ち受けてるしで、全体的に先が読めなくて面白いです。

そんな感じでやっとラスボス候補の顔が初披露されたジョジョリオン第90話が掲載されたウルトラジャンプ10月号は9月19日<本日>より発売中。




例によって僕はこちらの電子書籍版を購入しました。


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