ジョジョリオン 第88話 【ネタバレあり】 あらすじ 感想 (2019/7/19 更新) #ジョジョ

前回までは……
かつて吉良から聞いた話、そして現在のガールフレンドの愚痴によって「ロカカカの実」を手に入れることを計画した笹目桜二郎は、遠くから東方家の家族を観察。一人で行動していた孫息子つるぎに接触し、秘密を聞き出そうとします。不信感を抱きなんとか家にたどり着きことの顛末を父・常敏に咆哮するも、勝手に窓が空いていたり、見知らぬスマホを手にしていたりと奇妙な現象が起きる。それも全てつるぎの手に浮かんだマークが原因で……。

ジョジョリオン最新88話・本編ネタバレを含むあらすじ+プチ感想です。



#88 オージロー再び その②(2)

参考:前回、第87話の感想はこちら( http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/jojolion87.html )

扉絵は全身を使って跳ねているような定助のイラスト。これウルトラジャンプと同時発売のジョジョリオン最新刊の流用ぽいですね。心なしか下顎が出てるように感じられる表情で、銀魂の「しゃくっとけ」を思い出して笑ってしまいました。このエントリの最下部に例によってAmazonへのリンクを貼っていますが、今回も「ウルトラジャンプ表紙」と「コミックス表紙」が同じテーマになっています。ロカカカの木というか枝に、S&Wの顔がひっついたデザインなので、どこか『太陽の塔』を感じさせます。

いつ間にか手の甲に浮かび上がっていたマークを一生懸命こすり落とそうとするつるぎですが、その必死さあまり血まで滲んてしまっています。この時点で彼の体が操られ、ロカカカを所持している証明とその保管場所についてスマホで録画されたことはつるぎ本人も理解してますからね。汚れを落として自由を取り戻そうとするのはごく自然な行動。

しかしなおもコントロールは続き、別の窓を開けたり、体ごと体当たりしてどんどん桜二郎本人を侵入しやすくさせてしまっています。「オージローだ」この奇妙な状況について父親に訴えかけます。余計なことは喋るなとばかりにスマホの角を使って顔面にぶち当てたり、子供といえども容赦がないのがきつい。常敏からは自分で自分の顔を殴ってるようにしか見えないんですけどね。

必死につるぎの行動を止めようと腕に手を伸ばすと、窓越しに伸びてきた桜二郎の指先に捕らえられ、常敏もまたマークを書かれてしまいます。屋上から下の階に身を乗り出している桜二郎と、窓から外に向かって出ているつるぎと常敏の体を斜め下から見上げる、「一瞬どっちが天地か混乱する」カット、サスペンス感があって好きです。常敏にとってはオージローと初遭遇?だし。

そんな彼もマークが浮かび上がったことで自由を奪われ、意思とは裏腹に息子つるぎの首をしめてしまいます。「選べ」二人がいるのは体当たりでガラスが割れた窓。このまま息子の首を締めきるか、あるいはどこかを切断するか。それとも負けを認めて「すべてを与えるか」の3択を提示。というか最後のを選べっていう脅迫ですよね。二人の命は自分の手の上だと完全に理解させた上での、脅迫。前回も思いましたがオージローちゃんかなり有能というか強キャラですよね。

いよいよつるぎに限界にきそうになったところで常敏が折れ、ロカカカの情報を喋ります。まあ息子の命には何も変えられないですからね。予測
では収穫まであと3日。これを聞いた桜二郎は喜び、ついてるのか「持ってるよなぁ」と勝利宣言。あれ、このパターンは負けフラグぽくないかい?最後にダメ押しでスタンド能力を見ておきたいと言う彼。未だ危険は去っていないのでこれにも従い、常敏、そしてつるぎもそれぞれスタンドを発現させます。「お前のは見せなくていいんだよ、つるぎッ」手で「カエルの折り紙」を払いのけます。あーあ、これで風向きが変わりますね。触れちゃったから。ペイパームーンキングに。

先ほどは見るだけで何もしないと言ったのにも関わらず、「気が変わった」「あんたのは強そうだ」と何かを決意。常敏の体を操り、開いていた窓を交差させます。お互いに尖ったガラスで挟まれ、常敏、つるぎは切断こそしないもののギロチンを食らったように大ダメージ。かなりの出血をしてそのまま家の中に崩れ落ちてしまいます。首から出血したらそりゃきつい。

そんな二人の姿を一瞥し、余裕綽々でロカカカを回収する桜二郎。「元々このフルーツはホリーさんのためだ」「吉良からのオレへのプレゼントだ」小脇に鉢植えを抱え、さらに倒れている常敏から財布の中身までくすねます。この男ほんとゲスだなぁ。「吉良との縁に感謝」上機嫌で東方邸を後にし、懐もあったまったからタクシーで帰宅します。「エアコン入れてくれ、うしろ暑いんだよ」「チラチラ見てたろ」などと運転手に悪態をつき放題。しかしここで桜二郎に異変が。

身体中が熱を持ち始めたのです。ついにきた常敏の能力。胸元にしのばせていたお札のあとがつくぐらい体が暑くなり、舌、指先そしてその熱源は移動し、眼球まで……。鉢植えや万札をそこらに落としながら、ボロボロになってただただ当てもなく逃げまどう桜二郎。あーここでリタイアか。

「ありがとう つるぎ」やはりペーパームーンの能力で「ガラスで受けたダメージ」を大げさに錯覚させ、さらに自分のスタンド、スピードキングで熱を与えていたんですね。危機は去ったものの、自分が招いてしまったことだと取り乱すつるぎですが、「お前のせいなんてのはどこにもないんだ」と安心させます。この父親としての顔カッコいいですよね。前々から出てますが、漆黒の意思とでもいうのか、手段を辞さないってだけで家族を大事に思う部分はとてもいいキャラ。ロカカカは回収できるからいいとしても、急に湧いて出てきたのが危険だ、と焦る常敏。これロカカカを巡る戦いがせいぜい岩人間と定助組だけと想定してたのが、それ以外もいる可能性も考えないといけないってことですからね。しかも自分がその存在すら知らない相手が。
先月先々月にここを書いた後に他の感想を読ませていただいたところ、カレラの再登場について触れてるものが多くてですね、たしかに再登場してロカカカ争奪に絡むというのもこの常敏のセリフからより濃厚になってきた感じもします。院長(と徹龍も?)というラスボスでいよいよクライマックスかと思いきや、まだまだ波乱ですね。

舞台うつってオージローちゃんの彼女、マコリンの自宅。彼はさっきここに向かってたようですが、娘(つるぎと同級生)と共に帰宅し、彼の姿が見えないことに不審がってる様子。母親の真似して「オーちゃん」って言うのがなんかリアルで面白かったです。勝手な想像ですけど、このくらいおん年齢だと母親の彼氏であると同時に友達みたいな感じだったのではと思ったりしました。多分この子もう出てこないけど。
テラスで鳴り響く携帯を取りに行くと、その着信はなんと常敏から。「オージローが送信したのはお前か」

焦るマコリンですが、なおも常敏は続けます。「熱はいつも高い方から低い方に流れる。しかし俺の能力は溜めておけるんだ」「そこに触れたら再び流れ出す」何を言ってるか理解が追いつかない様子なのを確認し、マコリンはスタンド使いじゃないと判断した常敏。ただの彼女とだけ考えておくとだけ言って、電話は切れてしまいます。すると彼女もまた桜二郎のように熱が顔面を移動し、その衝撃でプールに落ちてしまいます。沈んでいくマコリン。しかも水底にはすでに生き絶えた桜二郎の遺体が……。
電話を切り、鉢植えを持って静かに家路につく常敏の後ろ姿で今回はおしまい。「そこに躊躇はない」ロカカカの秘密を知られたからとはいえ、あっさりマコリンも再起不能にしちゃうとは。家族を守るためとはいえすごいぜ。カウントダウン「新ロカカカの収穫まで3日と1時間と19分」と表示されてます。

ということでオージロー編が完結(ですよね?)。かなりサクッと終わりましたね。登場した時は「ここにきてなのか!?」とすごくビックリしましたが、そんなキャラをこう言う風に倒してしまうのもまたビックリ。改めてスピードキングの能力説明がありましたから、やはりもう一度ガッツリとバトルする流れになるんでしょうね。今の所クワガタバトルが一番インパクトある使い方でしたから。そしてすぐ上でも触れましたが、他にも実を狙う輩が出てくるよ、という伏線というか下地っぽくも感じます。21巻にも収録されている、憲助に起きる不運。そこに到るまでさらに時間が進みましたし、そろそろ「どうしてこうなった」が見えてくるんですかね。今回つるぎがリアルに命の危険が起きたってのもかなり影響しそうです。父親の姿に影響され「やらなきゃやられる」が加速してしまった結果なのか。ロカカカ争奪戦の決着に確実に近づいているものの、予想外の展開が起きるジョジョリオン、今後も楽しみです。

そんな88話掲載のウルトラジャンプ8月号は7月19日<本日発売>

今回の付録はいよいよ最終回目前のジョジョアニメ5部の特製小冊子。インタビューだったり設定画だったりがたっぷり載っています。しかも今回は電子書籍版にも収録されています。もちろん冊子がつくのではなく、UJ本誌のページ巻末にそのまま追加されています。これは嬉しいですね。例によってリンクを貼っておきます。



電子版はこちら


同日発売のコミックスはこちら。上の方で触れてますが、表紙がどういつテーマになってますのでぜひ見比べてください。
このブログでも紹介ページを作りました。

URL: http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/JojolionV21.html

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