新ロカカカを利用して再起をはかる透龍も東方花都の攻撃によってその野望を砕かれ、逆につるぎの奇病を押し付けられてしまう。本体は消えたものの、再び「ワンダー・オブ・ユー」が気配を見せ最後の足掻きをしようとするが、そこに我らが主人公、定助が現れ、見えないやつ=「S・Wゴービヨンド」を撃ち込み、見事撃破。失ったものも大きいが、全てに決着がついた。
ジョジョリオン最新109話を読んでの、感想です。本編ネタバレ含みます。
前回の感想はこちら
ジョジョリオン 第108話 【ネタバレあり】 あらすじ 感想 (2021/6/19 更新) #ジョジョ
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いきなり「時は遡る」と言うアオリと見たことない男女のトビラ絵で面食らいました。新章ってのはほぼないだろうし、後日談的な話になるとばかり思ってたので全くの予想外。女性の方はカメラと三脚、それもかなり古そうで、もう一人はかなり若い青年。カバンには☆、蹄鉄、そしてソフトアンドウェットの顔がデザインされています。明らかに先祖って感じ。
『ラヂオ・ガガ事件』(1941年)と縦に書かれるとジョジョ新しい部の連載スタートのような雰囲気さえありますが、ほんと一気に遡ったな〜。大量の写真、そこにはロカカカが写ってるわけですが、誰かが調査としてこのS市に来たということ。運転係の持っっているプラカードの文字によって彼女がルーシー・スティールだと判明します。41年だとSBRから結構経ってますよね。1890年代が舞台だし。そう言われれば帽子のデザインがスティール氏っぽくて面白いです。
荷物を持つ持たないでやり取りしている中置き引きにあってしまいますが、そこを助けてくれたのが扉絵の青年。下駄を履いてますね、時代を感じる。駅には兵隊さんもいますし、彼女は着物姿。
ここで「文くん(ふみくん)」って呼ばれてますが、誰なんでしょうか。どうしたって空条仗世文を連想し、彼の祖父なのではと予想します。髪型がめちゃくちゃ奇抜で、憲助さんのモコモコがついてたから名前が出る前は最初は東方家かなと思ったんですけどね。家系図を信じるならば、吉良の祖先であるジョセフ・ジョースターが22年生まれだから、吉良吉影と仗世文が同世代なのを考えたらありえそう。(空条家の詳しい家系図見逃してたらすみません。)
たくましい肉体を評価され、彼もまたスリにあって金欠なことから文くんがルーシーの荷物運びとして雇われる流れになりますが、1度目は断ってるんです。そのくらい果樹園には近づきたがらない、ラヂオガガ事件は痛ましい記憶となっていることが伺えます。何度も死者が出ているらしい。
果樹園のそばでカップルがいちゃついていると、女性の方が「誰かに呼ばれてる」と歩き始め、ガードレール付近で「ガガっガガっ」っていいながら全裸になり、次の瞬間消えてしまった。そして周囲を必死に探すと、血に塗れた足の指だけがあったという。
怖い。これ何者かに「食われた」という感じでしょうか。そいつが声を出して獲物を誘き寄せた。本人にしか聞こえないってのもホラー感がありますね。
突然咳き込むルーシーを心配しますが、「生きていると使命というものがある」と、決意が固いことを強調する彼女。この「大きな流れで選ばれてしまう」とか「天からの命令みたいなもの」というのはイーストウッド監督の『15時17分、パリ行き』でも主人公の一人が持っていた価値観でしたね。実話をもとにした、テロを未然に防いだ英雄たちにスポットを当てた作品です。
以前から探してきたものもそこにあるはず。これはロカカカのことを言ってるのか。
鮑がとれるけど密猟したら処刑って時代もあったんだって話でちょっと『密猟海岸』を思い出してニヤッとしますが、土地についての現在は東方フルーツパーラー所有という説明の仕方はさらに血縁者じゃないのが濃厚になりますよね。ウチの、って言いそう。まあお坊ちゃんでひけらかさないって深読みもできるけど、さっき書いた通り空条かな。自己紹介も「文くんって呼ばれてます」で本名が分からないから、次回でサプライズ的に公開しそうですが。
事故現場のガードレール付近につくと、なんと鳥の死骸。やっぱり体の一部だけです。「食い残し」ってイメージですかね。やっぱり食べる系の何かがいる。そして3人いる時点で予想してましたが、運転手がターゲットになったようで被害者女性用にふらふら近寄り、何かを喋りながら服を脱いでいきます。
意外だったのがこちらともやり取りできるようで「全く見当もつかないんですが」「服を脱いじゃってますぅ素裸ダァ」と自分のことなのに実況。ヌケサクとかにも通じるこの描写好きです。やはり何かコントロールされるってことでしょうか。ラヂオ、ラジコン操作のような。
道をトラックが通りすぎ、一瞬そっちに気を取られるといつまにか運転手は消えています。焦りながら探すと、やっぱり地面には手の一部が。こうなると残る二人にも危険は迫ってるわけで、当然帰りたがる文くん。しかしルーシーさんはSBRで散々死線をくぐり抜けてるだけあって落ち着いています。いつぞやも言及されましたが、「悪魔の手のひら」のように心の潜在能力を引き出す「特殊な力のある場所」があって、ここ杜王猟場も当てはまるのではないかと。ただ今回はやはり新種植物「ロカカカ」が目的らしいです。
その話を聞いてもなお帰りたがる文くんですが、そんなやりとりをしてる間に今度はルーシーがターゲットにされたようで、謎の囁きが聞こえてきます。内容的に文くんのふりをして話しかけてるって感じでしょうか。こちらの会話内容を理解していて、それを利用してくる化け物(?)ホラー映画とかでも子供が誘き寄せられて餌食になるシーン結構ありますよね。
ガードレールが振動し、声のようなものが聞こえる。操られているというよりは、この奇妙な現象を注意深く観察しながら危険覚悟で自ら近づいてるように見えますが、やはり相手が悪かった。突然「命令シテイルンダ」と豹変し、服がガードレールの隙間に巻き込み吸い込まれてく。この急にくるのビクッとしますね。留金に見えていた部品はよく見ると何かの「目玉」であり、『じゅる(ハートマーク)』と獲物を前に舌なめずりするかのような擬音。ガードレール自体がモンスターだったのか。鉄板と鉄板の間(に見えるもの)に引き摺り込んで消化するようで、運転手やこれまでの被害者がいきなり消えたのはこのせいだったんですね。
そしてルーシーも引っ張られてどんどん移動して行ってしまいます。それを呆然と見つめる文くん。今回はここでおしまい。
さらに衝撃的なのが「表紙&巻頭カラーにて、ジョジョリオンついに完結」の文字。ええー!過去編始まったと思ったら終わりかよ!
実際のところ前回の康穂のモノローグ、主人公のトドメなどこれ以上ないくらい定助の物語としては綺麗におわってますし、東方家の呪いが解けたという意味では当初の予告通りではあったんですけどね。舞台が映ったから、もうちょっとくらい続くのかと。流石に主人公なく終わるってことはないだろうし、次回出てくるとして、どう締めるのか。ルーシーさんは死なないけどロカカカは見つけられなかった、という流れ、それかガードレールは倒せなくて、現代で定助たちが倒して「街には他にもいっぱいおかしい事があるけど僕らで解決していこうED」になるのか。全く読めない。何にしても一緒になって読んできたこの10年、最終話も涙なしには読めなそうです。
そんなジョジョリオンのセミファイナル109話掲載のウルトラジャンプ8月号は7月16日発売。
ウルトラジャンプ 2021年 08 月号 [雑誌] 雑誌 – 2021/7/16
今回も電子書籍で購入。
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