定助の星形のアザから無意識に出ていた見えないヤツ「ソフト&ウェット ゴー・ビヨンド」その一撃が康穂のスマホ越しに再び透龍にヒットし、大きなダメージを与えることに成功。もはや勝負はついたかと思われたが、彼が吹っ飛んだ先には幸か不幸か東方家を訪れていた花都が。後が無い透龍が新ロカカカを摂取した今、誰かに触れさえすれば等価交換で復活してしまう恐れがあるのだが……。
ジョジョリオン最新107話を読んでの、感想です。本編ネタバレ含みます。
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ジョジョリオン 第106話 【ネタバレあり】 あらすじ 感想 (2021/4/19 更新) #ジョジョ
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#107 東方花都の"攻撃"
スタンド持ってるのは確定なのに、まだ本格的に花都さん出てないけどこのまま再登場なしかな?常敏とは仲良いみたいだから定助と敵対するなら彼女もまた敵になりそうだけど、もう出ないかな〜って考えたりしてた中での、前回のラスト。厄災にかき回されて東方家の中すごいことになってますからね、建物自体っていう物理的な意味でも、多くがリタイアorダメージって意味でも。扉絵の泣いてる姿も先月読んだイメージのままですが、後ろにいるのはスタンドか。ついに戦闘面で絡んでくるか!?
しかしページめくると病院の定助のカット。ボロボロになりながらも一矢報いた余韻のようなものを感じて「やったんだな」という実感が湧いてきますよね。今触れた東方家の出来事もあるし安堵はできないんですけど、彼としては今できる最大の攻撃を放てた。礼さんが示してくれた、勝利への道を。病室のホリーさん、倒れている礼、京の描写が3部ラストの「終わったよ」を彷彿とさせます。この静寂、たまらないです。
舞台戻って東方家ガレージそば。泣きながらここへきた経緯(とシチューのジャガイモの銘柄)を説明する花都と、メタ的にいうと読者への説明も兼ねているかのような「透龍は何者で何がどう危険なのか」を必死で叫ぶ康穂の対比がなかなかにシュールな状況ですが、冒頭でも書いた通り『彼が花都に触れて等価交換で復活されたらピンチ』、そして『攻撃したら厄災のルールが発動して花都自身がピンチ』という状況。息子常敏がひどい状態なことにショックを受けていて聞く耳を持たないようにも見える彼女。ホラー映画でよく見る「パニックにならずに、いいから話を聞いてくれよ!!」っていうあれですね。この間も動く透龍。おそらく直接ダメージ受けるのなんてほんと久しぶりだろうに、動じずにしぶといヤローですね。
さらに精神的に追い詰めて攻撃を誘いますが、それに対して花都さんはカードを投げるだけ。いや、これこそが能力か。「スペース・トラッキング」というそれは、カードとカードで挟んだものを隠せるという能力。これは以前にも何回か出てたので予想できてましたよね。刑務所内(?)でも携帯使ってたし。あらためて本人の口から説明されるとわかりやすいですが、泣きながらなのと、さっきのシチューの時と似たようなテンションなのが妙なおかしさがありました。スタンドビジョンもトランプの柄をあしらったもの。体型は違いますけど、不思議の国のアリスのトランプの兵隊を思わせます。
削り取る、とか明確にダメージが入るタイプとは違うのでしょうが、透龍の腕の一部をカードで挟んでそこだけが消えてしまっています。別の空間に囚われてしまい、また自分の意思では動かせないようなイメージ。カードがズレれば別なのかな。彼へ攻撃したらまずいよって今回のサブタイトルまで使ってピンチを煽っておいて、実は攻撃じゃなくて抑えつけただけ。これならワンダーオブUのターゲットにはなりません。賢い。
そこからは回想シーンが始まって、花都が常敏に新ロカカカの事を聞いていた流れがわかるんですがこれがまた良かった。彼の「いずれ一家の主人となる男」「父親」っていう『手段を選ばないのは憲助とは違うものの、幸せのために動いてる』という姿がとても印象的なんですが、花都の前では「一人の息子」になってて、弱気な部分とか面白いです。8部のホリーさんに限らず、ジョジョの母親キャラってほんと強くてカッコいいんですけど(別の漫画のオマージュとはいえ、ディエゴの母のシーン大好き) 花都さんもすごい。「おい常敏ッ!しっかりしろぉ」って平手打ちするところマジで頼もしい。ちょっと粗暴なところあるけど、息子思い。この家族全員マイルドヤンキーぽさあるけど、人間として芯が通ってますよね、約1名ゲスな奴もいるけど。
地味な真実として出てきた「樹液でも等価交換の効果がある」ってこと。クワガタの傷が治ってる。これで常敏は接ぎ木が成功したことを確信し、さらに敵が躍起になることも予想したわけです。家事の時に出し抜いた時の話まで打ち明けますが、それにつるぎ君も関わってることも告げ、思わず不安が口をついてしまいます。それを受けて再びの平手(笑) 息子を奮い立たせるこのやりとりは泣けます。強硬派かどうかの違いで、幸せを求めるのは夫と同じ気持ち。なるほどカードで挟んで隠せるっていうのは鉢植えにも有効か。
憲助が匂いで探知する能力に対して、隠す能力っていうのは真逆で面白いですね。しかもカードまでは辿れても、花都の意思じゃないと取り出せないだろうし。
その花都が現在やろうとしてること、カードから出そうとしてるものこそが衝撃。ここでつるぎ君が登場です。「今からあんたがこれを全て引き受ける」硬化している彼の腕が透龍に触れ、等価交換が発動!逆だった。新ロカカカによって健康になるのはつるぎ、奪われて呪いを押し付けられるのは透龍。ロカカカが出てきたあたりから「ホリーさんに使うのかつるぎに使うのか」って考えてたのに、院長のターンが長すぎていつの間にか頭の片隅に追いやられてましたけど、思えばこれこそが目的だったわけですからね。誰が呪いを引き受けるんだって、まさかのラスボスとは。
さらにいうと服役することにになった1回目と同様に、花都さんが直接手を汚して呪いを移してる。今回は孫のため。厳密にいえば祖母だけど、やっぱり母は強い。
全ては呪いを解くために、っていうアオリも、ジョジョリオン第1話からのメインテーマにいよいよ来たって感じがしてグッときます。流石にこれで逆転されることはないだろうからVS透龍はこれで決着ですよね。だよね……?
いつの間にか涙も消えていて、冷酷な顔で彼らを見下ろす花都のカットがとても印象的なラスト。来月も楽しみです。
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