ジョジョリオン 第104話 【ネタバレあり】 あらすじ 感想 (2021/1/19 更新) #ジョジョ

前回までは……
院長を攻撃しようとしても厄災の影響を受け逆にダメージを受けてしまうジレンマに苦しむ定助だったが、康穂が連絡したことで虹村京がスタンドともに部屋に突入。バイクと、シャボン玉が凍ったことにより彼に怪我を負わせることに成功する。さらに状況を変えるため、「目に見えないやつ」の正体について考えを回らす。一方、東方邸の新ロカカカで復活した康穂と常秀、様子を伺う透龍という緊迫状態だったが、そのはるか上空ではジェット機のパーツが落下し始め……。
ジョジョリオン」最新104話・本編ネタバレを含むあらすじ+プチ感想です


#104 終わりなき厄災 その(10)

参考:前回、第103話の感想はこちら( http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/jojolion103.html )


S市杜王町の上空にてまるで空中散歩をしているような数人の院長の後ろ姿という扉絵に未曾有の厄災が迫るという物々しいアオリ。同時多発的にスタンドのターゲットになっていますし、前回伏線として描写された「飛行機のパーツ」という空から来る脅威を暗示させます。

前回の定助のバトルの続きから始まり、シャボン玉が凍ったことで院長の杖が折れ、勝利の兆しが見えはじめていますが、まだ直接攻撃するのは危険なため、ロカカカから作った薬の瓶をオラオララッシュで容赦無く破壊し続けます。勢いによってあたりには煙が立ち込めますが、大量に出てくるシャボン玉の中に一つだけふわふわしたものが混ざっていて、宙を漂った後消えてしまいます。

ギャルギャルという音から察するに、瓶を破壊するのには意識的に「削り取るシャボン玉」=攻撃に特化したものを出してるんでしょうけど、そのふわふわしたのは完全に無意識のようで、彼自身もびっくりしていますし、そのことに院長も反応。
改めて礼さんが教えてくれた「線が回転して球体(シャボン玉)を作ってる」「その中に見えないやつがある」を思い出しますが、未だなんなのかは思い至らず。その例外のシャボン玉もふっと回転がやんで線に戻ってしまいます。

凍ったシャボン玉で攻撃を受けた院長は予想外の出来事に戸惑っていて、この世には「『理 (ことわり)』という繋がり」があり、どんなスタンド能力も例外などなく、彼への攻撃は『禍(わざわい)』となってその者に返っていくと。にもかかわらずダメージを負ったということは、定助の能力はその流れを超えているというのか?と焦りを隠せません。

ピンチヒッターとして前回かっこよく登場した京さんでしたが、彼女もまたその流れには逆らえず、折れた杖が目から脳へ突き刺さるという痛々しい姿になってしまいました。康穂からの電話を定助に渡しかけたところで倒れてしまいます。これはきつい。京と礼の二人が倒れ、病室は再び院長と定助の1VS1に。本体が戦闘不能になったことでスタンド「ボーンディスウェイ」もボロボロと崩れてしまいます。

状況的には振り出しに戻ったにも関わらず「この世に存在しないもの」「この世の条理から全く影響を受けないもの」が存在するとしたならば……。と、自分の「ワンダーオブユー」が効かないことにとても警戒。先に何か気がついたのか「回転しているだと、まさか!」と同様。
本体である透龍が、雑木林から動き出して康穂に近づきます。

電話が繋がったことで、これまでに判明したこと、院長はワンダーオブユーというスタンドであり、本体は透龍。今ここで彼を倒せば勝てると説明する康穂。こんなこと宣言しちゃったら透龍にとっての脅威の順番がさらに上がって大丈夫なのかと心配になりますが、特別な存在なのか、戦力差から来る余裕なのか、あくまで友好的に、新ロカカカを渡して欲しいと諭してきます。

「定助を始末するのは 中止にしたよ」邪魔な存在だし脅威になり得る、直ちに始末したいのはやまやまだが「あいつはもうあきらめる」と、スタンドをあの場から返してしまうと言います。どうやや定助の「見えないやつ」を直感でやばいと理解して警戒しているようですね。

この発言を受けて定助に対して「あいつが逃げる」と伝え、病室の方でも実際に院長は壁をすり抜けて出て行ってしまいます。そしてこのタイミングで倒れている礼さんが細いロープで定助に巻きつき、言葉をかけます。院長が出ていくというならば、それは警戒して「避難」しているのだと。「見えないやつ」を使って、今ここで倒すのだと。しかしまだなんなのかさえつかめていない定助はコントロールなんて無理だとアドバイスを受け入れられず、逆に攻撃したことで更なる厄災が来るのではと不安がります。しかし礼はすでに勝利を信じ切ってるかのように「この世に存在しないから」「あいつの能力を超えていける」と続けます。最初に言及されてからかなり時間経ってますけど、能力の外側、能力を超えてっていう表現が熱いですね。ただ僕としてはまだ全然ピンときてないんですけど、7部を経験してるから「回転」ってワードのすごさだけは心で理解しているつもりです。

一方で東方邸では康穂と透龍のやりとりに常秀が乱入。困ってるじゃないか、俺の敵だ!と食ってかかりますが全然相手にしてもらえず。「その場に寝てるか、黙って途方に暮れてろ」ってマジでひどい言われ方。康穂たちに厄災が来るなら巻き込まれちゃまずいから鉢植えだけはこっちに渡してくれっていうのとか、相変わらずサイコパス感がすごい。

キレた常秀が飛びかかろうとしたその時、上空の異変に気がつきます。それは前回描写された飛行機のパーツが落下。まだ見えはじめた程度ですが、おそらく彼らの元に落下してくるってことでしょう。さらにさっきまで待っていた木の葉が常秀の指を切断。あー、襲いかかったことで厄災のターゲットになっちゃったか。慌てる二人を尻目に、鉢植えを奪われてしまいます。
「さよなら康穂ちゃん」「最後に残るのは夢と思い出だけだ」淡々としてるのが怖いぜ。

泣き叫ぶように、新ロカカカを取られ上空からの危機も迫っていることを報告する康穂。これには定助もさらに焦ります。「ここで仕留めるしかない」さらに鼓舞する礼さん。彼を追う決意をみなぎらせ、廊下にでて院長に狙いをつけます。ジョニィジョースターのタスクのように人差し指を向けて小さなシャボン玉を構えます。どことなく西部劇っぽいこの構図超かっこいい。

さらに礼さんは言葉を続け、その指先の見えているのとは別の、「見えないやつ」があるのだと。この世に存在してないからこそ条理を超えることができ、それは「呪い」さえ超えていける、と。回転数が上がり、シルシルからギャルギャルに変わってついに発射する定助。
しかしチラリとこちらを向いた院長はまだ余裕で「無理だね」「これはただの避難訓練だよ」と心なしか笑ってるように思えます。「厄災が避難訓練とは(おかしな話)だが」ユーモアで煽ります。

しかしその直後、定助の星型のあざから謎のシャボン玉がふわふわと……。これだったのか。これも完全に無意識に出てるって感じですね。星型のアザ、それはそこからというアオリでおしまい。果たして攻撃は院長に届くのか……。

いやー、ずーっと引っ張ってきた「見えないやつ」がやっと判明しそうですね。今回ラストがどうなるって感じで終わっていますが、ここで倒しきれないとパーツが落下して康穂たちがとんでもないことになってしまうので、おそらく定助自身が気が付く→使いこなして倒すって形で勝負が着くのではと思います。次回だけでどこまでいくかは別にして。なんか冒頭で解説が入りそうな予感。
そして星型のアザが重要な意味をなしてくるとは。ジョジョだよっていう証でしたが、これに加えて攻撃するときのポーズがジョニィっぽいのも好きです。ただ実際に効果があるのは飛ばした方じゃなくてそのアザから出てきたふわふわした方なので、何がどうなってダメージを追わせられるかが想像つきません。回転というと無限とか思い浮かびますけど、「存在しない」ってのが重要な概念っぽくも感じますしね。無意識に出してるようですしね。とりあえず1巻だけ読み返したら常秀の視力奪う時もアザからシャボン玉出してるんですけど、そっちは自分の意思でなんですよね。(そういえば噛まれたような傷跡、たぶん矢みたいなことやろうとしてやめたんでしょうね)

主人公本人がラスボスに対して一矢報いるかどうかってところですし、死にかけた(死んでいる?)仲間がヒントを伝えてくれるっていうのはめちゃくちゃ熱い展開なので、今回もとても楽しめました。目次欄の作者コメントで「大詰めですよ」って明言されましたので、もうすぐ決着するかと思うとワクワクする反面寂しいです。

104話掲載のウルトラジャンプ2月号は1月19日<本日>発売。



今回も電子書籍で購入。

この記事へのコメント

  • コメント失礼します。
    すっかり、忘れているけど、つるぎが祖父の憲助の遺体を引っ張ってる場面からドンドンかけ離れていっている。
    収拾をつけるには、シャボン玉の力で『厄災』を丸ごと奪い取り、この次元から完全に消し去ることぐらいしか思いつかない。
    プッチ神父のように元凶が消えることで、今まで起きたことがリセットされ常敏が憲助を殺害したという結果だけが残り、『厄災』に襲われた他の人達は何事もなかったように生活できる。
    もちろん、定助を襲った一連の『厄災』も消えるので、警察沙汰もなかったことになる。
    2021年02月10日 19:40
  • きよ

    Nさん
    ほんと、あの未来予告からかなり逸脱してきてますよね。このまま最終回まで駆け抜けていくとなると、「意味ありげに出てきた要素」のいくつかが特に触れられずに終わるってことはあ覚悟してるんですが、この点に関しては矛盾が出てきちゃってる。(カレラとかすでにあれですけど)
    なるほど、『奪う』の最大級の活用ということですか〜振り返ると序盤とかそういう活用がメインだったので、ここでまたそこに戻る&パワーアップしてるというのも強敵との決着としては燃えるものがありますね。その結果として起きることも6部オマージュになると。
    ブログ本文でも書きましたが僕個人としてはほんと勝ち筋が浮かばなかったので、そういう大掛かりな力技で打ち勝つっていうパターンならとても楽しみです。あと1週間、105話はどうなってるでしょうか……。
    2021年02月11日 18:59
  • 続けて、コメント失礼します。
    最近になってふと思ったのですが、そもそも第8部の世界は“基本世界”なのでしょうか。
    思い返してみると、1話冒頭では壁の目の話はありましたが東日本大震災で発生した津波の話はありませんでした。一方で、吉良と仗世文の過去編ですと岩人間達は津波が来ることに焦っている場面がありました。
    私はこれまで、8部の世界は基本世界という考えでいましたが、平行世界が舞台なのではないでしょうか。
    それなら、今まで意味深に出て来た謎の男や謎のマークなど忘れられている要素が存在しないのも説明できます。
    ここは、土地に飲み込まれて平行世界であって、定助の記憶に過ぎるそれらは存在しないのですから。
    基本世界と平行世界のルールでは同一の存在が触れることで消滅を引き起こしますが、東方定助という人物は平行世界には彼しか存在しないので消える心配もありません。
    もしかしたら、裏では平行世界にいってしまった定助を基本世界に戻すべく謎の男が暗躍しているのかもしれません。
    長文失礼しました。
    2021年02月18日 09:34
  • きよ

    >Nさん
    8部劇中の中でも2つの並行した世界を描いてると仮定すると全体を見た時に矛盾が生じてもそれはそれぞれ違う世界の話だから、で納得することもできますね。D4Cなんていうスタンド能力もあるわけですし、迷い込んでしまった/飛ばされてしまったなんて設定だったとしても「奇妙な冒険」ぽくてそれはそれで面白いかも。

    個人的には『やろうとしてたことがあったけど途中で方針変更した』パターンだろうな。といった感覚で、多少の矛盾や回収されない伏線なども受け入れる覚悟ができちゃっています笑
    2021年02月20日 19:31