一度死んでみた / 特殊な薬で2日間仮死状態になった研究者と、そんな父が大嫌いで反発してきた娘が巻き起こす騒動を広瀬すず主演で実写化。企業スパイを炙り出すために取った作戦で、予想以上にピンチになって……。

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auのCM「三太郎」シリーズなどを担当してきた浜崎慎治がメガホンを取り、ソフトバンクモバイルのCM「白戸家」などの澤本嘉光が脚本という夢のコラボ(?)で送る、ドタバタ幽霊コメディ。特殊な薬で2日間だけ「死んでみた」製薬会社社長と、その娘たちが起こす騒動を描く。
研究者で製薬会社社長という父を持つ大学生の七瀬は、母親の死後二人で暮らしてるもののずっと反発し続け、デスメタルのバンドを組んで「死んでくれ」という歌をシャウトするほど嫌っていた。そんな会社の危機を防ぐため、秘密裏に完成した「2日だけ仮死状態になる薬」をほとんど誰にも知らずに服用。大嫌いと言いながらも父が死んだことにショックを受けるが、彼女にだけはその姿が幽霊として見えていた。ここぞとばかりに売り切りものが動き出す中、仲間とともに会社や父を救おうと頑張るが……。
父親役に堤真一、娘の監視役に吉沢亮のほか、小澤征悦、リリーフランキー、木村多江、松田翔太ら共演。その他、チョイ役で豪華出演!?
あらすじ
製薬会社の社長を務める父の計(堤真一)と一緒に暮らす大学生の七瀬(広瀬すず)は、研究に打ち込むあまり母の死に際にも現れなかった仕事人間で口うるさい父が嫌でたまらず、顔を見るたびに死んでくれと毒づいていた。ある日計は、一度死んで2日後に生き返る薬を飲んだためにお化けになってしまう。何も知らずに動揺する七瀬は、遺言により社長を継ぐことになり、計の会社に勤める松岡(吉沢亮)から真相と聞かされる。(シネマ・トゥデイより)


冒頭で触れたスタッフ二人や予告動画でわかる通り、ガッツリコメディやってる映画。そこに親子の絆とかストレートな感動要素を入れてるのでめちゃくちゃ分かりやすいですし(予想もしやすい)、1時間半くらいなのでこれもまた力を入れずにみられる作品。2日間だけ死んだ状態になる、というファンタジーの要素はありますが、「いなくなったことでありがたみを実感する」「気づかなかったり、不器用なだけで大事にされていた」というベタな展開なので親と子どちらの立場でも感情移入できます。

いくらデスメタルだからって本編のかなりのシーンで「デス!」って語尾強めでいってて今後別の作品で広瀬さんをみたら笑ってしまいそう。歌唱シーンも結構あるんですが、「死んでくれ〜」はもう勘弁してあげてってくらい辛辣な歌詞でお父さんがかわいそうになります。でもまあ一番嫌ってる理由については怒りたくなる気持ちはわかります。そんなに仕事が大事なのかよ!って。こういう作品だと母親との会話があったりして考えを改めるパータンも多いのですが、木村多江さんは終始コミカルキャラでしたからね。『ここよ〜!』って。あの世(?)でのシーンも笑ってしまいます。

それを含め、結構伏線というか終盤に繋がる要素を散りばめてて面白かったですね。そういうことか、的なスッキリ感。パスワードとか、本来作ってた薬だとか。最後までニヤッとさせてくれる。父親死んだままなわけないので無事に生き返るのですが、裏切り者やライバル会社関係も含めてスカッとする終わり方なのでそこも気持ちよかったです。

一番のメインは「仮死状態のうちに火葬をして本当に殺して好き勝手やってしまえ」っていう敵陣営と、それを防ぐために奔走する主人公チームという構図で展開していきます。バンドのメンバーや、そこにきている常連ファンたちの協力や、中華屋さんなどなど、色んな人物を巻き込んでいくところも見どころですし、地味だけど効果てきめんの妨害工作にあいながらもやっとの思いで見つけた解決方法(妻夫木さんがいい味出してます)も楽しかった。お経だと思ったら……、は爆笑。

「誰にでも特技がある」ってのが劇中でちょっとだけ強調されていて、あの吉沢亮さんが影のうすーい、「いたのか」って言われるキャラで登場。せっかく彼が演じてるってことで(?)ヒロインとのラブロマンス要素も含まれていますが、幽霊としてほとんど行動できない父親に代わって実際にあれこれするのはこの二人なのでちょっとずれたやり取りや、少しずつ距離が縮まっていく感じが好きでした。静電気(笑)

すでに触れた通り、最後にはちゃんと父親が復活しますし、今回の冒険によって親子の関係も修復してというお手本のようなハッピーエンドなのも気持ちよく見終われましたし、頭空っぽにして楽しませてくれつつも伏線回収でちょっとした驚きも用意されてるというのも良かった。インパクトあるタイトルですが、万人が気軽に見られる内容で、期待以上でした。

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