希望を胸に入った会社が超ブラック企業で日に日に疲弊してくアキラだったが、ある朝突然街中がゾンビだらけ。噛まれると感染する危険があるものの、解放された喜びでいっぱいの彼はどうせならと「ゾンビになるまでにしたい100のこと」をノートに書いていくことに。生き残っていた友人と再会し、夢を実現しつつさらにリストにも加えながら旅をする。生存者たちが共同生活をする水族館にたどり着くが、そこにはかつての上司がいて……。
栁俊太郎、白石麻衣、北村一輝、市川由衣、川崎麻世、筧美和子、早見あかりら共演。
あらすじ
ブラック企業に勤める天道輝（赤楚衛二）は、連日の徹夜や上司のパワハラなどによって心身共に疲れ切っていた。ある朝、街中にゾンビがあふれ返った光景を見た彼は、「今日から会社に行かなくてもいいんじゃね!?」と歓喜する。本来のポジティブさを取り戻した輝は、部屋の大掃除などこれまで先延ばしにしていた目標や夢をかなえるため、「ゾンビになるまでにしたい100のこと」をリスト化し、ゾンビの攻撃をかわしながら一つずつ達成していく。(シネマ・トゥデイより)
ゾンビもの、B級ものが好きな僕なので当然既読なんですが、今回実写映画化された範囲を読んでからは結構時間経っていたために忘れていた部分も多くて。冒頭で触れた通りアニメも放送中ってことで並行して見ながら「そうだこんな展開だったなぁ」と思い出して楽しめました。
2時間という制約もあるんでヒロインとの合流だったり、上司との再会の場所が変更、さらにはモンスターとの対決っていう実写版オリジナルの要素がたくさんあるので原作やアニメで内容を知っているという方も新鮮に見られると思います。
そもそも設定がすごく面白くて。ゾンビパニックが起きてるのに「もうブラック企業いかなくていいってことじゃないか！」っていう心からの叫びが笑えます。仕事だけじゃなくてやなことがあると【明日隕石が落ちて何もかもなくなっちゃえばいいのに】みたいな極端なことを考えたりすると思うんですが(します、よね？？)それが実際に起きる。全てのしがらみがなくなった開放感は最高です。
最序盤のブラックでみるみる疲弊していくアキラのが人ごとだからこそコミカルに感じて。なんか北村さんを嫌いになってしまいそうなくらい。これは現実とリンクしちゃて見るの辛い方もいるかもしれませんが、すぐに終わるからご安心を。密かに思いを寄せていた優しい女性の先輩は社長の愛人でゾンビ化しちゃうし、いきなりゾンビだらけで生きるか死ぬかっていう世界で緊迫感はあるものの、どんどん元気になっていく姿を見るのは気持ちよかったです。
タイプの違う親友ケンチョの存在もいいですし、原作より早めに仲間入りしたシズカと3人で色々やっていくのはシンプルに羨ましかった。日本でも天海さん吉永さんでリメイクされた「死ぬまでにしたい10のこと」と同じく、無理だと思って諦めていたことに挑戦して大冒険するのはこっちまで楽しい気持ちになります。達成したリストに線引いて、さらに増やして。よく後悔せずに生きようって言われますけど時間とかお金とか体力とかで実現できないことだらけですもん、代わりにやってる姿で癒されます。
ネトフリの表記では[R16+]って扱いでしたが、ゾンビに関しては血は黒くなってるしそこまでグロ度はありません。が、いわゆる早く動けるタイプのゾンビですし、変な音させて関節がありえない動きしますのでなかなかに不気味。あとは集団で来られるとやっぱり怖いですよね。主人公補正があるからアキラがやられないのは予想できるとしてもかなり緊迫感はありますし、終盤の相手が……。アダルト方面はホテルで遭遇するのがヌードのゾンビだったり、先輩の下着姿。一緒に逃げたCAさんが肉食系ですが原作ほど露骨なシーンはありません。ちなみにシズカさんは原作とちがってヘソだし衣装ではなかったです。ゾンビ相手に無防備に肌さらすのは実写だとツッコミ入れたくなっちゃうしね。
後半に入っていくとせっかく楽しくやってるのに、まさかの上司との再会。あれはアキラにとってのトラウマですし、また悪夢再びって感じできつかった。でも「ヒーロー」としてだんだん覚醒して、アクション要素がヒートアップ。水族館ならではのバトルを展開してて見応えあります。わざわざいうまでもなく、ゾンビ映画好きとサメ映画好きって重なってること多いだろうし、うまいアレンジ方法だったと思います。
アキラが本当に生き生きと自分の意思で行動してるのもグッとくるし、映画ラストで他の人たちも影響受けるのが良かった。ゾンビの脅威は何も変わってないんだけど、とんでもない世界でも自分の心持ち一つで楽しく過ごせる。すっごく明るくて爽やかなラストで気持ちよかった。原作は旅をしつつリストを消化して、トラブルに遭うけど解決してって感じなので「まだまだ続く」ってラストも違和感ないですしね。個人的にアキラの故郷にいく話が好きなので、続編とかあったら扱って欲しいです。
ゾンビもの、であると同時に壊れた心が回復して自分の思いに正直に生きれるようになる成長物語でもあるので、原作を知らなくてもぜひ。ゾンビをバックにガッツポーズはなかなかシュールで、新ジャンルだと思います。
Netflixにて視聴。
原作コミックはこちら
ゾン100～ゾンビになるまでにしたい100のこと～（１） (サンデーGXコミックス)
9/3まで電子版が無料で読めるようですのでぜひ。
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