ゾンビ化ウイルスのパンデミックから10年。コロンバスら仲間4人は「生き残るためのルール」を守りながらなんとか生活を続け、ついにはホワイトハウスを拠点にする。危険はあるもののささやかな生活を楽しんでいたはずが、お互いの関係性に温度差が生じはじめ、ついに女性陣が出て行ってしまう。傷心の中モールでマディソンという女性に出会い親密になるコロンバスだが、そのタイミングでウィチタが戻ってきて……。
進化を遂げたゾンビと、変化する仲間の関係性。過去最大級の危険を前に、人間たちの奮闘を面白おかしく描いた軽快なコメディ。
あらすじ
2009年、感染者をゾンビ化するウイルスのパンデミックが発生。コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)、タラハシー(ウディ・ハレルソン)、ウィチタ(エマ・ストーン)、リトルロック(アビゲイル・ブレスリン)は、32項目におよぶ生き残るためのルールのもと、ゾンビと戦いながら絆を育んできた。それから10年後の2019年、進化を遂げたゾンビが彼らの前に現れ、4人は倍以上に増えたルールで生き残りを図る。(シネマ・トゥデイより)
冒頭いきなり「10年も経ったのに」ってメタ的発言とも取れるモノローグからスタートしますが、こちらとしてはよくこの仕事を引き受けてくれたな〜って感じ。当時からみな有名俳優なのは間違いないですけど、それぞれ順調にキャリアを積んでますからね。エマストーンとかおバカなコメディに出る女優さんっじゃなくなってないか、という。監督も『ヴェノム』でメジャーになるし、脚本の二人もデッドプール2作をはじめヒット出してる。企画があっても実現しないレベルです。
だからある意味で「あの世界の続きが見られた」というだけで満足しちゃってる部分もどこかあるんですけど、ピンチを切り抜けながら「ルール1 有酸素運動」とか画面にデカデカと表示されるバカバカしさは健在でしたし、「ゾンビキラーオブジイヤー」(?)と題してより創意工夫を凝らした殺し方を紹介してきたりと、ゾンビを扱ってる『コメディ』っていう面白さは相変わらずでとても楽しめました。
万が一前作を見ていなくてもメイン4人がどんなキャラクターしていてどんな関係性なのかはすぐにわかる作りになってます。イケオジのタラハシーとオタク系のコロンバス、そんな彼と恋仲になったウィチタ、その妹リトルロックという形ですが、結婚という次のステップを意識した出したコロンバスと縛られることに不安を覚えるウィチタや、お年頃で親離れ(?)したいと思ってるリトルロックなど劇中でも時間が経ったことで起きてきた変化が面白い。最初に触れた通り女性陣は家出をしてしまうのですが、戻ってくるので実際は元の3人でリトルロックを探しに行くというのがメインのお話。
絵に描いたようなお花畑キャラのマディソンが登場し、冷や汗たらたらなやりとりも他人の悲劇だからこそ笑えます。そこに抜けに明るいので賑やかにはなりますが、できれば一緒には行動したくないなぁ。こういうおバカは失敗するよな、という予想を裏切らず早々にゾンビ化疑惑で退場。でもトドメを刺すシーンは映さなかったので……。
一方でリトルロックの方も新キャラと行動。彼をはじめヒッピー的な集団がガッツリ登場しますが、人類の危機っていうと現実逃避なのか「ラブアンドピース」的な価値観に傾倒してく者が出てくるのはどうしてなんでしょうかね(笑) 戦わなきゃやられてしまうのに銃を禁止して溶かしてしまうとかまともじゃなさすぎる。
彼女に追いつくまでの旅もなかなか見応えあって、タラハシー+コロンバスそっくりのコンビが登場したのは笑いました。しかも吹き替えが山路さん。どうなるのかと思ったらまさかのガチバトル。アクションシーンはそこまで多くはないんですが、終盤の大作戦と、序盤のマイクロバス奪還のシーンについで3番目くらいの迫力で過激なアクションを見せてくれました。室内を舞台にカメラがあっちこっちに移動してそれぞれの一騎打ちを追っかけるような演出だったのでスピード感もありましたし、タラハシーはまだしもそこまで強くないから緊迫感もありますしね。
そのラストのバトルはリトルロックが生活していた「バビロン」という場所で行われますが、昨今のゾンビものにありがちな「大量のゾンビ」を相手に手に汗握る戦いをやってくれます。もう終わりかな、と思った時のあれの登場はめちゃくちゃテンションが上がりました。新キャラのネバダさん超かっこいい。Netflixのマーベルドラマ皆勤賞の看護師やってたロザリオ・ドーソンが演じてます。でも最後の最後をもっていくのはやっぱりタラハシーで、高い塔という点を生かした予想外な方法で見せてくれます。原始的だけどかなり効果はありました。感心しちゃった。
一度はバラバラになった4人も絆を再確認し、「これからもゾンビと戦いながら彼らは生き残るだろうな」って希望を感じさせるいい終わり方でした。10年とかなり間は空きましたが、1作目の記憶が蘇ってくるような、同窓会を見ているようでした。
すごい扱いを受けていたビル・マーレイ、今回も引っ張るなーって思ったら終盤にすごい映像が。あれはなんなの、いいところを見せるっていう謝罪なのか、結局ばかしてるような気もしないでもないのですが仕事受けてくれたビルの器のデカさに敬服しちゃう。「マーレる」ってなんだよ笑
前作を見た人もそうじゃない人も、ゾンビ映画ってことでわかると思いますがあまり力を入れずにゲラゲラ見られる作品なのでおすすめです。一応R15なのでご注意を。
スターチャンネルで吹き替え版を録画&Netflixにて視聴。
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