ヲタクに恋は難しい / アニメ化もされた人気WEBコミックを原作に、高畑充希&山崎賢人主演でミュージカル風にアレンジして映画化。オタクあるある、そしてオタク同士の恋模様をコミカルに描く。

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2015年『このマンガがすごい!』でオンナ編の1位にも輝いた、ふじたによるWEB連載コミックを実写映画化。主演は高畑充希&山崎賢人。漫画原作を数多く手がける福田雄一がメガホンをとり、キャスト陣によるミュージカルシーンをふんだんに盛り込んでオタク同士の恋模様をコミカルに描く。
周囲にオタクということを隠して働いている桃瀬成海だったが、転職先にて 幼馴染で同じくオタクの二藤宏嵩(ひろたか)と再会。オタバレを恐れ、さらには次の恋愛にも二の足を踏む彼女に対して「俺と付き合えばそんな心配はいらないのでは?」と提案。二人は恋人となるのだが……。
佐藤二朗、賀来賢人、ムロツヨシといった福田監督常連のほか、菜々緒、斎藤工、今田美桜ら共演のほか、声優の内田真礼も本人役でガッツリ登場。

あらすじ
26歳の会社員・桃瀬成海(高畑充希)は、転職先で幼なじみの二藤宏嵩(山崎賢人)と再会する。イケメンで仕事もバリバリこなす宏嵩はかなりのゲームヲタクで、成海もボーイズラブを愛する隠れ腐女子だった。成海は周りの人にヲタクと知られる“ヲタバレ”を恐れており、家族や友人にも内緒にしていた。(シネマトゥデイより)


映画化する前からそのタイトルは見かけたことがあるほど結構有名な作品だと思うんですけど、だからこそファンもたくさんいるわけで。それでここまでよくアレンジしたなぁと(笑) これもまた【原作とは別物】と割り切った方が正解な映画だと思います。
怒りのレビューで映画時間の実に何割、と具体的に数字出されちゃってますけど、かなりの「ミュージカルシーン」があります。予告動画で『ララランド』って言葉を使ってる意味がよくわかります。高畑さんが主演だからなのか、初めから構想ありきでキャスティングしたのか分かりませんが、かなりやってた女優さんだからクオリティが高くて普通に聞き入っちゃうから困る。コミケ会場で色んなコスプレの人たちと踊るとか、ああいう程度だったらまだ楽しそうだしアリだと思うんですけどね。僕は原作知らないから普通に楽しめたのですが、ファンが思い描いてたのとだいぶ違うんじゃないかなって僕でもわかりましたよ。

あとはやっぱり福田作品なので、コミカル方面のやりすぎ感。特に賀来くんね、全力でアイドル声優ファンをやってました。笑っちゃうけど、動きが過剰なんだよな〜。こういうコメディのイメージで固まらないか不安になっちゃう。最初に書きましたが彼が好きという内田真礼さんが本人役で登場、ライブでオタ芸を披露するという流れがあるのでここでもまた歌唱シーンが長めにとられています。佐藤二郎さんは上司役、ムロさんはバーテン役で出ています。お二人とも好きなんだけど、「何を言ってんだこの人」っていうあの空気感がだんだん恥ずかしく感じるようになってきちゃった(笑)

でもオタクあるあるは好きでしたね。オタバレしないように必死に「擬態する」感じ、すごく理解できる。例えば近年だと「トクサツガガガ」とか面白かったですけど、まだまだ大ぴらに趣味を公言できない人多いですもんね、特に女性は。でも仲間内だけになると早口でマシンガントークするのとかリアルw これは原作が描かれた年代も関係してると思いますが、全体的にちょっと古いなっていう表現のも否めないのでご注意を。演出面で言うと画面上に文字がバーッと流れる「ニコニコ動画」風な表現されてて、これもまた『いつの時代で止まってるんだろう』ってよぎってしまう。全体的には『オタクってこう言う感じだろうな』っていう制作者のイメージと実際のズレがある、という感じでしょうか。あまりにもステレオタイプ、あまりにも誇張されてるので、オタクとかと全く縁がない人の方が自分の知らない世界として面白おかしく見られるんじゃないでしょうか。

恋模様についても、オタクであることを隠した方がいいのか、受け入れるべきか。あるいは自分もその世界を理解しようとするなどなど別にオタクに関係なく「恋人の趣味」とどう向き合うかという割と普遍的なテーマだったので共感しやすいのではないでしょうか。オタクトークしたら罰金、という制約をつけてデートしたのに、終わった瞬間に一気に解放したところとても面白かった。隠さなくてもいい相手だから楽だったのに、その楽園すらなくなったら正直きついですよね。そして自分はそういう趣味なのに棚上げして相手の趣味には拒否反応「オタクをキモイと思ってる」ところも苦笑しつつも、見てる僕らもそういうのないだろうかって考えちゃいますよね。やっぱり人間関係は譲歩が大事。

唐突なララランドパロディ、オペラ座の怪人パロディはまあアレとしても距離ができた二人がそれぞれ別の人と??みたいなお決まりのパターンは終盤でちょっとだけだったのは良かった。斎藤工、菜々緒ってわかりやすい配役だったからなんとなく流れは予想できましたけど、結構サクッと4人が鉢合わせしてサクッと仲直りしてました。最初こそアプローチしそうな雰囲気あった今田さんや、賀来さんがあんまり絡んでこなかったのが意外。

山崎賢人さんの淡々と喋る演技はすごいハマってて、こういう人いそうだなぁって思いました。ゲームなどに没頭してる時も豹変したりせずずーっとローテンションなのがシュールですが、コミケでイケメン扱いされるのもわかるクールさ、ちゃんとしたラブコメ主役やってて安心しました。巨乳キャラ好きとか暴露されてますし、バーボン飲んだりタバコ吸うのは「背伸びしてる感」っぽくて好き。(黒い服がかっこいいと思っちゃう的な?)

そうそう、ED曲があまりにもエヴァで爆笑しました。いいのかな、と思ったら音楽を手がけてるのがエヴァもやってる鷲巣さん。あの曲にすっごい似てるのに微妙に違うから調子狂う、ぜひ聞いてほしい。

個人的には原作を知らなかったこそより楽しめたと思いますし、菜々緒さんのコスプレが見れただけでも結構な満足なのですが(笑) 思い入れがある人は別物だと割り切ってみることをおすすめします。ミュージカル作品好きも気にいるはずです。

地上波ノーカット放送されましたが、途中災害が起きて中断、数時間後に残り10数分を放送したので僕のように録画予約した人とかは最後だけ録れてないってパターンもあるはず。5月末現在アマプラで見放題対象ですので、そちらでもどうぞ。





アニメ版も見放題対象です


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