人生スイッチ / 人生のピンチに立たされた6人の男女の姿を描く、オムニバス形式のブラックコメディ。世にも奇妙な物語的な世界観と、ブラックで不謹慎な笑いが絶妙にマッチ。

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ペデロ・アルモドバル(「トーク・トゥ・ハー」)が製作に名を連ねるアルゼンチンのコメディ作品。6つの物語を収録したオムニバス映画で、それぞれ人生の窮地に立たされることになった6人の男女をブラックユーモア満載で描く。どれもひねりのきいた衝撃的なラスト、なのにニヤリとさせられる。<PG-12>
主な出演者は、『瞳の奥の秘密』などのリカルド・ダリン
あらすじ
飛行機の乗客たちは、不思議なことに全員に共通点があり……(『おかえし』)。偶然にも自分が働く店を訪れた親の敵に遭遇した女性に、調理担当が料理に毒を入れることを提案する。さすがに毒はと戸惑うが……(『おもてなし』)。ドライバーは走る車もほとんどない道路で、追い越しを邪魔するボロ車を抜き去るが……(『エンスト』)。(シネマ・トゥデイより)
※Huluでは「エンスト」から「パンク」に改題されていました。内容を考えるとエンストじゃおかしいですよね。


アルモドバル監督というとジェット機の搭乗者たちの物語を描いた「アイムソーエキサイテッド」もかなり個性的なコメディでしたが、こちらもかなりブラックなので人を選ぶ映画かもしれません。しかしアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるなど評価は高く、見終わった今それも納得のクオリティでした。

収録された物語は上記あらすじの3つに加え「ヒーローになるために」「愚息」「ハッピーウェディング」。だいたいタイトルと途中までの展開でオチがなんとなく予想できたんですが、「ヒーローになるために」はなかなか読めず、「そういう意味か!」と非常に気持ちよく見れました。一番救いがあるというか、爽やかな終わり方でしたし、確かにヒーローかもしれないなぁって思ってしまいます。皮肉というか風刺的ではあるんですけど。

逆にもう序盤でオチまで読める「愚息」は典型的な「わかっていても笑ってしまう系」ストーリー。妊婦さんをはねてしまった息子の罪をどうにか誤魔化そうと父親が奮闘するのですが、なかなかうまくいかず・・・ってお話で、お金が絡んだ時にでる人間の本性をありありと描いてて、見ているぶんにはニヤニヤ。でも最後は可哀想でした。描かれない「その後」を想像すると余計に・・・。

爆笑したのは「パンク(エンスト)」で、これは唯一主人公に同情できない、バチが当たった形になる物語ですが「怒らせちゃいけない人を怒らせてしまったおバカさんの末路」はまさに悲喜劇。やるかやられるかの極限状態で、カーステレオからロマンティックな曲が流れるシュールさと、最終的な結末。警察が立てた仮説が、というオチまで傑作でした。

前述の通りブラックな内容なので合う合わないがあると思いますが、予想外のオチに驚きたい、世にも奇妙な物語、笑うセールスマンなどが好きな方には特にオススメしたい作品です。

Huluにて吹き替え版で視聴。

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