ワンダーウーマン 1984 / ガル・ガドット主演で描く、アメコミヒロインアクション第2作。願いを叶える不思議な石。実業家が悪用したことで世界は大混乱。ダイアナも恋人との再会を果たすが……。

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1作目に引き続いてガル・ガドット主演とパティ・ジェンキンス監督のタッグで送るアメコミ原作のアクション作品。舞台を経済成長中の84年にうつし、石油ビジネスの成功を目論む実業家が「願いの叶う石」を悪用したことで起きる騒動と、世界の混沌を正そうと立ち向かっていくワンダーウーマンの戦いを描く。
恋人の死をひきづりながらも、博物館で働きつつ秘密裏に人を助けているダイアナ。同僚のバーバラと親しくなるが、彼女が鑑定していた不思議な石は「願いを叶える」不思議な力が宿っていた。その秘密を知る実業家マックスは石を自分のものにし、世界はどんどんおかしな方向へ行くが、ダイアナの「恋人スティーブとの再会」バーバラの「ダイアナのようになりたい」という願いも実現してしまい……。
クリス・パインが続投のほか、クリステン・ウィグ、ペドロ・パスカルら共演。
あらすじ
スミソニアン博物館に勤める、考古学者のダイアナ(ガル・ガドット)には、最強の戦士「ワンダーウーマン」というもう一つの顔があった。1984年、禁断の力を入手した実業家・マックス(ペドロ・パスカル)のたくらみにより、世界のバランスがたちまち崩れ、人類は滅亡の危機に陥る。人並み外れたスーパーパワーの持ち主であるワンダーウーマンは、マックスが作り上げた謎の敵チーターに一人で立ち向かう。(シネマ・トゥデイより)


延期を経て20年12月に公開となった作品ですが、劇中ではグッと時間が経って、第一次大戦から、一気に80年代まで。ファッションとか一目でそれっぽい描写がバンバン流れるので懐かしいと思う人は多そうですし、逆に復活したスティーブにとっては未知の世界なので「ほえ〜」ってなってるシーンが微笑ましい。予告が流れた時に同様の指摘がありましたが「島の外について教えられるダイアナ」と立場が逆転してるのが面白いですね。

先に説明しちゃうと、スティーブは「実在してる人物に、彼の精神が乗り移った」という形で登場します。実際は違う顔をしてるのですが、ダイアナにとって彼だと思えばそう見えちゃう、という『イメージ映像』ってことで1作目と同じクリスパインが演じてます。こういう人智を超えたアイテムでの復活ってのはね、一時的なものだったり代償があったりするのが一般的ですからね、今回そういう形で出てきた時点で最終的な展開を想像して覚悟しながら見ました。さらに付け加えると冒頭の島での回想シーンで「本当に大切なのことは」っていう教訓めいたエピソードが出てくるんで、もう答え言っちゃってるようなものです。

それでも好き同士だった二人が束の間幸せな日々を過ごせたのは見てるこっちまで幸せな気持ちになりましたし、特に打ち上げ花火のシーンは映像の綺麗さも合間ってめちゃくちゃ良かったです。ちなみに4K Blu-rayで視聴。こういう夜の中に明るいってシチュエーションのコントラストは特にすごいです。

この手の、ヒーロー、ヒロインの映画ではほぼ必ず「楽して願いを叶えてもいいことはない」ってなるわけですが、最初に触れた通りダイアナが「恋人に会いたい」同僚バーバラが「ダイアナのようになりたい」そして実業家マックスが「石自体のパワーを得る」っていう風に大きく3つの願いが同時進行でありますし、悪役を含め全員に共感できるところが上手かったなぁと。離婚しててたまにしか会えない息子にいいところを見せたい、いい暮らしがしたいっていう欲望が大きくなりすぎて、それに飲まれてしまったマックス。まるで存在してないかのように扱われて、あまりにも自分とは違う完璧な思える同僚に対して憧れが嫉妬に変わったバーバラ。上記あらすじで書かれちゃってますが、最終的にものすごい力を得てチーターとしてダイアナの前に立ち塞がります。この人の変身っぷりも見どころですね。ヒールで転んじゃってた人が……。って。

アクション面ももちろんたっぷりあって、ショッピングモールでの強盗を退治するところや、バーバラと戦うところなど、縄を活用して「なるべく人に危害を与えずに」無力化していくダイアナらしい戦闘が見られました。超かっこいい。一方エジプトでは走行中の車列の中、かなりハラハラさせられる展開の連続でしたし、車が一回転して飛び出してくところや、ミサイルの予想外の使い方などなど、例のBGMとともにテンション上がります。予想通り例の金ピカの鎧は最後の方にしか登場しませんが、敵が強すぎたのか思ってたほど防御力がなかったのが意外。そして個人的に少し残念なのがまたしてもラストバトルの舞台が夜だったってことで、若干映像が見にくいんですよね。前述の花火の話と同じく、縄とか輝いてて映えるのは間違いないんですけど、やっぱりもっと明るいところでのバトルが見たいなーっていう。

悪者を倒して終わり、ではなくて、最後は人々に訴える形で解決してくのも良かった。何よりまずダイアナ自身が「願い」と向き合って、ちゃんとアレしたわけでだからこその説得力がある。息子が重要な役割するだろうなってのもあってましたし、ちょっと切ないけど、世界は元通りって意味ではハッピーエンド。スティーブとのやりとりが泣けます。

すでに3作目の制作が決定してるので分かってましたが、例によってラストシーンに今後を予感させる映像がちょっと入ってます。「ああ、それで冒頭にあの映像入ったのか」と納得できますし、もしかしたらチーターも……? 舞台が舞台なのでジャスティスリーグの面々などは出てきませんでしたが、次はいつの時代になるのか、現代なら彼らのゲスト出演もあるのか。その辺も楽しみにしていたいと思います。

予告くらいしか調べず(評価もろくに見ずに)ソフト購入してしまいましたが、期待通りの面白さでした。ガル・ガドッドが美しすぎる。
4K Blu-ray スチールブックを購入。現在は値段が上がってますのでご注意を。ミニコミックとクリアファイルがついてました。







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