専門学校に通うケイは実は凄腕の殺し屋。バイトとして依頼を受けては悪者をたくさん対峙してきた。新たな依頼はクーデターを狙うヤクザ。仲間の因縁相手の登場などピンチになるが、彼女にとって何より衝撃だったのがバスで出会い惹かれていた青年が会計士だったこと。ルールを重んじる最強の殺し屋を差し向けられ事態はどんどん悪くなっていくが……。
杉野遥亮、鈴鹿央士、馬場ふみか、佐藤二朗、城田優、森崎ウィン、大東駿介、太田夢莉ら共演。
あらすじ
日商簿記検定2級合格を目指して専門学校に通う菊野ケイ(橋本環奈)は、キュートな印象とは裏腹に、殺し屋のアルバイトで指名ナンバーワンの実力を持つすご腕の殺し屋だった。ある日、学校帰りのバスでビジネスマン風の青年と出会った彼女は、胸をときめかせながらアルバイト先へ向かう。そこへある人物の殺害依頼が舞い込む。そのターゲットは組織内抗争の渦中にいるヤクザの金庫番で、ケイがバスで出会い心惹(ひ)かれた青年・テラノ(杉野遥亮)だった。(シネマ・トゥデイより)
前々からちょいちょい書いてる通り、こういう女性が無双してくアクション映画は大好きなジャンルの一つなんですが、この映画のハシカンもかmなり頑張っていましたね。なとなくクロエさんのヒットガール(キック・アス)を彷彿とさせます。ちょっと少女ゆえの低身長と、スピード感、回転するような動きがかなり映えます。
ゴキゲンな音楽と矢継ぎ早に変わるカメラ、少し光をぼやかしたような遠目の映像もすごく気持ちよかったんですが、それがあまりにも偏重されるされること。最終的にもっとじっくり見せてくれてもいいのでは?って思うレベルでちょっとクドく感じてしまったのが否めません。冒頭で触れた通り「極主婦道」を手掛けてた瑠東東一郎さんがメガホンをとってるんですが、確かにあのドラマもそういう演出多々あったなぁと。
ついでに言うとコミカル要素は岡村隆史、佐藤二朗のお二人が一手に担当。一応後者は親分なのでちょいちょい締めるところは締めますが終始オヤジギャグでダダ滑りしててなかなかシュールです。自分でいって自分で笑う、いつもの佐藤さんやってる(笑) いわゆる福田組なんで、ハシカンとの共演多いですよね。他にもラーメンが不味そうだとか、ファミレスでの間違い探しとかシリアスになりすぎない程度にギャグっぽいの挟まれます。
メインとなるのはそのヤクザの抗争なんですが、そこで依頼された主人公チーム以外の殺し屋も濃いキャラしてて。森崎ウィンくん演じる男と、ケイの仲間のスナイパー・だりあとの因縁だとか、この映画1番の強敵のたかみちくん(城田優)のぶっ飛び具合など笑っちゃいます。だりあ関係も含め全体的に「原作のダイジェスト」っぽい印象を受けるので、もうちょっと掘り下げたらさらに感情移入できたのにと思います。この因縁に絡めて殺し屋という職業や悲しい過去があったとしても『希望を持つ』ことの大切さを描いて他のは良かった。元々ケイは二つの顔を持ってますけど、極普通の幸せを願っていいんだという。
惹かれた相手が商売敵とか殺しのターゲットというのもこの手のジャンルではありがちですが、ヤクザはヤクザでも全然悪人オーラも出てないしあれはケイじゃなくても好きになるな、って思います。簿記の勉強教わるところとか完全に少女漫画の世界観だった。身分違いの恋。だからこそ切ない。敵対じゃなくて共闘という流れになったのがせめてもの救いでしょうか。一方でケイに惚れている専門学生を鈴鹿くんが好演。最序盤で絡まれてる時に助けようとしたり、ヅラさんに当たりがキツかったり冴えないように思えて結構キモが座ってるのは意外だった。後半普通にバトルに参加するし。まあ人間やめてるような連中とはレベルが違うけど、一般人なりに活躍してて頑張った。間接キスの反応はキモいけど笑
たかみちくん、釘打ち機で襲ってくるのも凶悪だけど基本的なスペックがやばすぎてそこも漫画っぽかったな。独自のルールにこだわって一方的に暴力振るってくるの絶対関わりたくない人種で強烈だった。「女が〜」とか前時代的なのもいい設定だと思う。一個だけネタバレするととある人物とフラグが立ったような終わり方してたから、原作だと再登場するんだろうな、気になるなって思いました。でもあんな人とは友達ですら無理かも。
アクションはないものの大東くん演じる裏切り者も眉のメイクといいものすごいはまり役で、この人の演技も上手いなぁって改めて思った。ふだん優しい役柄やるのに、これだと本当にヤクザっぽい。かなり痛い目にもあってたましたが、もしかして最終的な勝者はこの人なのでは??
ストーリーもまとまっていて、年頃の女の子なのに殺し屋稼業やってることの悲哀を入れ感情移入させつつもハシカンらキャストのアクションをこれでもかと見せててくれてエンターテイメントとして楽しめる映画でした。前述の通りちょっと演出が独特なので万が一画面酔いする人とかもいるかもしれないのでそこだけはご注意を。予告動画でどんな感じのアクションか確認することをお勧めします。
Netflixにて視聴。
2022年11月25日現在 ソフト化されてないようですので気になる方はネトフリで。
原作コミックはこちら

バイオレンスアクション(1) (ビッグコミックススペシャル)
この記事へのコメント