なりすましアサシン【Netflixオリジナル】 / ケヴィン・ジェームズ主演。冴えないサラリーマンの書いたフィクション小説が、売り上げを目論んだ出版社によって「実話」として発売されてしまい、本人が伝説の暗殺者だと勘違いされるドタバタを描くアクションコメディ。

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モールコップなどのケヴィンジェームズがまたしても冴えない中年男を好演したアクションコメディ。普段はサラリーマンとして働くサムだが、暗殺者が活躍する小説を執筆してきた。できた原稿を出版社に送るもどれも「お断り」される中、電子出版オンリーという会社が声をかけてくれついに発売。しかし肝心な「ノンフィクション」を変更されてしまったために、誰も姿を見たことがなかった暗殺者の自伝だと勘違い。サムこそがその「ゴースト」だと判断され、ベネズエラに拉致されてしまう……。
「キック・アス2」のジェフ・ワドロウ監督がメガホンを取り、共演はアンディ・ガルシア、キム・コーツ、ズライ・エナオら。
あらすじ
ケヴィン・ジェームズ扮する温厚な作家志望の中年男、サム・ラーソンが主人公のアクションコメディ。サムは、国際的な暗殺者の回顧録の体裁をとったフィクション作品を発表しますが、誤ってそれがノンフィクションとして出版されたことから、自らが殺し屋だと勘違いされるはめになります。本は大ヒット。しかしサムは突然誘拐されて国外に連れ去られ、ある暗殺計画に無理やり組み込まれてしまいます。(Filmarksより)



かなり序盤の方でずっと小説のアイディアをくれていたおじいちゃんアナリストが登場するので、「なるほどね」ってそこはもう誰が見ても明らかだと思うんですが、アクションとしてのゴーストの活躍は皆無で、基本的には主人公サムが巻き込まれていく面白さがただただ続きます。

小説の内容を考えてるシーンとか、サムが「こうすれば勝てるんじゃない?」って妄想するところだけはケヴィンジェームズはかなりキレッキレの動きを見せてくれるので他の部分とのギャップで余計にカッコ良く映りますし、やっぱりこういう役ぴったりだよなぁって思います。見る前は偶然に偶然が重なって思いの外活躍しちゃうっていう流れを予想してたんですが、実際はアクションのほとんどはヒロインが担当。全体で見ると本人の意図してないところで変に上手く行っちゃうという流れはあるんですけどね。漫画とかでよくある、たまたま転んだだけなのに攻撃を避けたと思われて、とかそういうのは少なめです。

でも最後の最後にちゃんとサム本人としての活躍シーンが用意されてますので、そこは良かったです。ずっとお預け食らってたのがようやくって感じ。キレッキレともまた違う、誰かのために一生懸命になってる姿が胸を打たれました。散々小説のネタで悩んでた部分を現実で、っていう伏線回収の仕方も心地よかったです。

ストーリー展開的には、異国の地ベネズエラにあるいくつもの派閥それぞれに巻き込まれることで、誰のいうことを聞けば無事に帰れるんだっていうドキドキが面白かったですし、ゴーストと信じてる人ばかりじゃなくて疑ってる存在もいるのがリアルでした。あと大統領の愚痴シーンは共感できる部分があって、肩たたきながら「どんまい」って言いたくなる感じでしたね。地元の悪が「ジーマ」(お酒)があるかないかで機嫌が変わったりとか、変に人間臭いのも笑いました。
もう面白かったのがCIAの立ち位置。アメリカの機関ということなので余計ノータッチなんでしょうけど、同胞であるはずのサムに対しても冷たくてひどかった。いつまでに殺されるか賭けをするくらいです。以外にもしぶとく生き残ってることで「こいつすげぇな」ってDLして彼の本を読み、もしかして本人かも!?って思いはじめるのとかニヤニヤ。現実とちょっとだけ変えてるな、ってところでもう完全にあの予想が確信にかわっていくんですけど、ピンチの抜け出し方のアイディアまで「17章で出てくる方法だ!」とか監視しながら楽しんでて笑っちゃいました。

ヒロインは前述の通りアクションシーンでかなりの活躍を見せてくれますし、劇中の中で一番正しい信念を持って動いてる人なので好感が持てました。サムのこと色々変なあだ名で呼ぶセンスだけはアレですけどね。変にラブロマンス要素を入れすぎなかったのも好印象。だからこそ最後の展開がグッとくるんですよねー。

ネトフリオリジナルとしてかなり前から配信されてたんですけどなんだかんだで見る機会がなくて、ようやく。思ってた通り、あまり頭は使わず、だけどやな気分になることもなくサクッと笑えて楽しめる、痛快コメディでとても面白かったです。

吹き替え版で視聴。

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