長い期間準備し、いざカジノで大儲けしようとしていた矢先、理解不能な現象によって大金を手に入れ損ねた詐欺師のマイケル。知人に相談すると、超能力の存在を教えられる。負債を解消するため、そして復讐するために、マイケル自身もまた超能力者を集め、チームを組むことに。有名カジノでリベンジを狙うが……。
あらすじ
詐欺師の青年マイケルは、カジノで荒稼ぎをしようと、入念な下準備の末、いざ勝負に挑んだものの、不思議な能力を持つ男のせいで賭けに破れ、巨額の負債を抱えるはめに。その返済期限は1週間。謎の男の行方を追い、彼と同じように特殊な能力を持つ人間がほかにもまだいることを知ったマイケルは、テレパシーが使えるヴェロニカら、さまざまな超能力者たちを集めてドリームチームを結成し、再びカジノで一発大逆転の勝負に挑む。(WOWOW番組HPより)
超能力を扱う作品でも詐欺に応用して金稼ぎっていう設定は結構あると思うのですが、この作品はその解釈というか表現方法がとても独特で、見入っていしまいました。普通の人間には感知できない世界のようなものがあり、扉を開けてそこにいける人=超能力者という設定があったり、能力を使うときの演出が凝っていたり、なかなか面白いんです。
例えば人を操る能力者は、氷でできた人型の頭部に触れることでその瞬間意識を止めることができますし、テレパシーで人の心が聴けたり逆に意思疎通する少女が見る世界は、まるで幽霊のごとく灰色の塊が飛び交っています。
主人公なのにマイケルだけはごく普通の人間なのですが、チームリーダーとして各自に指示を出すのはもちろん、いかに怪しまれずに、しかし確実にお金を得るかのバランス感覚などでかなりの活躍してます。そこまで深い描写ではありませんが、テレパシー少女とラブロマンス要素もあったりします。
メンバーは誰もが個性的ですが、お調子者って感じのテレキネシス(念で物体を動かす)キャラが特にお気に入りでした。カメラ動かしてまでバレないようにみんなで必死にやってるのに、お酒ガブガブ飲んでるのはめっちゃヒヤヒヤしましたよ。怪しまれないかって。ヒロインはヒロインで、「みんなの声が聞こえるから自分の世界に閉じこもる」という王道な性格してましたが、物語後半になって一気にピンチになるので見せ場という意味では主人公の次に印象的かも。そのあたりのCGバンバン使うファンタジー要素も、上で触れた「超能力の独自解釈」の延長にあって、非常にふわっとした感じ。細かいツッコミを入れちゃダメ、考えるな感じろっていう展開でした。
能力者といえばアントニオバンデラス。ジャケットで使われるほど出演シーンはないのですが、彼目線で描かれる部分もあって、能力を使っってこんなこともできますよーっていうワクワク感はあったので満足。主人公との意外な因縁はちょっと唐突でびっくりしました。復讐劇の成功が怪しくなっていく中でガラッと映画のテンションが変わっていったので、この作品のキーパーソンなのは間違いないです。
今後の展開を予感させる風にラストは終わってましたが、どうせああいう能力者もいるんだったらもっと違うのも見てみたかった気もします。が、そしたらそれこそカジノや詐欺からかなり離れていっちゃうので正解なのかな。仲間がすこしずつ増えていくのはすごく期待が高まっていきますが、基本的に能力でやることが同じなので先が読めちゃったな、と。「扉」や「帰る方法」など設定自体はすごく新鮮なんですけどね。
心理戦とかイメージすると全然違うのでがっかりするかもしれません。
WOWOWにて字幕版を録画、視聴。
Amazonビデオなどの動画サービスや、レンタルはあるもののDVDの販売はしてない?(少なくともAmazonでは見つからなかったです)模様。
人気ブログランキング参加中。
この記事へのコメント
mi
自分には何の能力もない人が超能力を持った人たちに頼る立場なのに上から偉そうに命令・・・
超能力を持ってる人はそんな面倒臭い事しないでそれぞれ単独で稼げるような
だから一層何の能力もない人の願望を叶えるための似能力者を利用してるだけみたいな
主人公が顔だけ存在・・・
きよ
たしかに主人公にもう少し魅力とかカリスマがあったほうが、仲間がついていく説得力が増えたかもしれませんね。
小物の詐欺師っていう設定なのでそこはどうしても金のために必死になってる感も出ちゃってますし。
仮に続編があったら、ひとかわむけた彼の更なる活躍も見れたのかも。