渋谷の老舗とんかつやの跡取り息子、勝又揚太郎は3代目ながら未だキャベツの千切り程度しかさせてもらえず、同じように渋谷で店を営む家庭の息子たち5人で集まってはくだらない日々を過ごしていた。そんな時弁当の配達で訪れたクラブでDJのカッコよさを目の当たりにした揚太郎は自分もその道に進もうと決意。さらにはずっと覗くだけだった向かいのビルの憧れの女性に振り向いてもらえるのではと思い出す。そこいにた有名DJに弟子入りを懇願し、修行の日々が始まるのだが……。
ヒロインに山本舞香。師匠ポジションに伊勢谷友介のほか、伊藤健太郎、加藤諒、栗原類、浅香航大、前原滉、ブラザートムら共演。
あらすじ
渋谷の老舗とんかつ屋「しぶかつ」三代目の跡取り息子・勝又揚太郎(北村匠海)は、父のもとで修業中だがキャベツの千切りしか任せてもらえない。ある日、弁当の配達に訪れたクラブで、音楽に合わせて盛り上がるフロアに圧倒される。豚肉にもDJ機材にも触ったことのない揚太郎は、とんかつもフロアもアゲられる男「とんかつDJアゲ太郎」を目指して奮闘する。(シネマ・トゥデイより)
フロアもとんかつもあげてやるよ、っていうそれが言いたいだけだろ!っていう出オチ的なががらも大ヒットした原作なので実写版も楽しみにしてましたが、ふざけていたりギャグだからこそ成立する部分も多少あるものの新しいことに挑戦する主人公とそれを支える仲間や家族っていう王道のドラマになっていて、多くの人におすすめできる作品だったと思います。仮にもジャンプなので、友情努力勝利があった。
基本的には揚太郎がDJを目指して成長していくっていうストーリーだからずっとスポットが当たり続けるのは当然なんんですけど、個人的には友達4人がほんといいキャラクターしてて。あまり深く掘り下げられないものの、旅館とか薬局とか近くのお店などの跡取り息子同士で連んでるっていう時点でまずすごくよかった。親世代が愚痴り合うというシーンまであるんで、こいつらこれから歳を取ってもずっといい友達でいるんだろうなってのがヒシヒシ伝わってくるのがいいです。
しかもDJやりたいって言えば各自が使えそうなものを持ってきてくれるし、場違いな格好しちゃうのはアレだけどクラブにも来てくれるし。さらに揉めそうなものなのに、ヒロインとの恋路を応援してくれたりまで。こいつらいなかったらここまで成長できてないと思う。
師匠キャラのオイリーさんも(とんかつだから油なのか)ちょっと不器用でいい加減そうなタイプで、序盤の「教材ビデオだけ見ててて」などのやる気ない感じから笑えたし(DJ.KOOさんがやってくれてるのもすごい)、それが途中からポテンシャルを信じて態度が変わっていくのが好きだった。彼をかなり買って実力を信じたからこそ推薦してくれた。最初の挑戦が失敗するのは、揚太郎本人だけじゃなくてオイリーさんにも迷惑かかちゃうのが見てて辛かったです。
流れる楽曲も変にふざけすぎず、ちゃんとノリノリになれる曲だったのも見てるこっちが明るくなれてよかった。その中盤の一旦辛くなってくシリアスな展開以外はずっとニヤニヤしながら見れるのもこういう映画のいいところですよね。あまり頭を使わずに楽しい気持ちになれる。最序盤のyoutuberはあれをDJと一緒にしちゃうのはダメだと思うけど。
一方的な同年代ライバルDJとしての伊藤健太郎くんもクールなキャラで別の魅力があってよかった。クラブとかそういうの縁遠い人間ですが、いろんなタイプのDJがいるし、それでもみんなお客さんに楽しんでもらうためにやってるってのが伝わってきて見た目ってことだけじゃなくて「DJってカッコいいな」って思うことができた気がします。
父と子の関係性もなかなかジーンとくるものがあって。典型的な職人肌「背中で学べ」みたいなタイプだからDJすること自体大反対するかと思いきやこの人もちゃんとクラブに見にきてくれたり、心の中じゃ認めてるのがいいんですよね。どんな道であれ本気でやろうとしてるのがわかったから応援するし、揚太郎も揚太郎で店の仕事はきちっとやりつつ両立してたから、素直に偉いと思ったし。
ギャグ漫画だから適度な馬鹿馬鹿しさも含みつつ、抑えるところは抑えて主人公の挑戦、成長をまじめに描いて爽やかな気持ちで見終われました。出演者がスキャンダル起こして若干アレでしたが、内容は素晴らしかったのでほんとおすすめです。
アマプラにて視聴。
22年10月現在見放題対象です。

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