【Disny+配信】トーゴー / 1925年アラスカ。吹雪の中、血清を届けるために信じられない距離を走った犬ぞりチームがいた。リーダー犬のトーゴーは問題児で……。ウィレム・デフォー主演。犬好きじゃなくても号泣間違いなしの傑作スペクタクル。

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wikipedia英語版にページが作られるほど、有名な犬、トーゴー。1925年のアラスカで、ジフテリアが流行。しかし猛吹雪のために飛行機などでは血清が届けられず、そこで考案されたのが犬ぞりチームたちのリレー「ノーム血清走行」その最後から2番目のチームのリーダー犬(ハスキー)であり、最も過酷で長い146キロという長さを完走した驚きの実話をディズニーが実写化。主演はウィレムデフォー。
犬ぞりの名手として名をはせたレナード・セッパラは、病に苦しむ人々を救うために血清リレーへの参加を決意。リーダーには12歳と年老いているトーゴーを選ぶことに。彼らの旅は想像以上に過酷を極めるが、子犬の頃のトーゴーは実はかなりの問題児で……。
レナードの妻役にジュリアンヌ・ニコルソンら共演。
あらすじ
1925年冬、危険に満ちたアラスカのツンドラを舞台に胸踊る冒険が繰り広げられ、ひとりの男レナード・セッパラと犬ぞりのリーダー犬トーゴーの強さと勇気、そして決意が試される。アラスカの町ノームを恐ろしい伝染病が襲った。治療薬があるのは1000キロも彼方だ。町は犬ぞりの名手レナード・セッパラ(ウィレム・デフォー)に血清を運ぶよう期待を寄せる。セッパラの頼みの綱はそり犬のリーダー、トーゴー。小柄で地味な、年老いたシベリアンハスキーだ。(Disney+内容説明より)


ディズニーと動物の組み合わせはどうしてこう最強なのか。先日から紹介してる「実写わんわん物語」「名探偵ティミー」と共にこちらも動画サービス【Disney+】の目玉の一つで日本上陸と同時に配信開始されていますが、一番大人向けで、かつ一番泣けました。

先に触れた通り「ノーム血清走行」は有名なお話で、かつても「バルト」というタイトルで他社でアニメ映画化なんかもされています。まあ人間と犬との絆だったり、人々のために危険を顧みず偉業を成し遂げたわけですからどんな人のこころをも震わすのは当たり前の話なんですけどね。犬好き、動物好きに限らず感動するエピソードです。この映画の主役トーゴーはリレーにおいて最後から2番目を担当した犬ぞりチームであり、その危険度は最大。映画ラストに他のチームの平均走行距離、そしてトーゴーのチームが走った距離が紹介されるんですが実に3倍近くありまして、それだけでも凄さがわかってもらえますよね。その文字を読んだ時にもさらに涙腺が崩壊したのはいうまでもありません。しかも例によって実物の写真が出るし。演出が心憎いよ。

映画の構成としてはメインは彼らの旅ですが、そこに挿入する形で子犬時代のトーゴー、つまりセッパラと彼との絆がどうできていくのかが回想として描かれていきます。もうこれがね、ギャップがたまらないんですよ。前述の通りトーゴーはかなりの問題児だし、体格的にも犬ぞりに合わないのでチーム入りさせるのなんか全く考えてなくて、回想だとずっと追い払ってるんですよ。あっちいけ!コラ!ダメだ!って。でもかたや過酷なレースをやってる現在のシーンではどの犬よりも信頼してるリーダーであり、それが言葉の一つ一つから伝わってくる。

やんちゃな犬のモフモフっぷりという要素と、迫力あるレース。この二つの要素があるおかげで緩急というかそれぞれがより強調されてめちゃくちゃ見応えがあります。厳しく管理してる犬たちにちょっかいを出して邪魔をする鬱陶しい存在だったはずのトーゴーが犬ぞり犬としての頭角を表し、それをきちんと認めたセッパラが彼をチームに加えて試し、最終的にリーダーに採用する、先の展開がわかっているからこそ、どういう経緯があったのか、そして絆がどうなっていくのかワクワクしながら見れました。

レース自体も凄まじくて、特に凍った湖を渡るシーンは圧巻。「誰の記憶にも残るんだ」「今日参加できなかったことを他の犬が悔しがるぞ」「弱気な奴は帰っていいぞ!」のがめちゃくちゃカッコいいです。みんなが心配する中見事渡りきったあと、氷が全て割れてしまい「(奇跡的にやり遂げちゃうほどの)死なない男を心配するだけ無駄だった」って言われるくだりは、もう鳥肌モノ。犬たちには「ハイク!」とか基本的に命令口調で指示を出すんですが、トーゴーをはじめとして絶対彼の言葉全てをちゃんとわかってる。彼は賢いので、指示を受けた上で危険を察知して臨機応変に動けるからさらにすごいですよ。猛吹雪で方向感覚さえなくなったあと(いわゆるホワイトアウト)、お手上げのセッパラが「無事に到着させてくれ」って頼んで、本当にたどり着いちゃったところとかカッコ良すぎます。

一方で12歳という年齢もあるし、過酷ということもあってトーゴーに何か悲劇が起きないかってその不安も常にあるのが見てて辛かったです。各地に点在する山小屋で休憩をとるんですが、そこで世話をしてくれる女性が「この犬は走るより心臓が早く動いてる」とか不穏なことを行ったりするモノだからめちゃくちゃ心配になります。まあセッパラ自身も無理させてるのは分かってるし、自分も犬たちもボロボロ。だけど無事に届けるんだって最後は気力の部分でどうにかなってるようなレベルだったと思います。だからこそ我々の胸を打つんですけど。

結論からいうとトーゴーは無事に走り切りまして、映画ラスト20分くらいは後日談的なエピソードが描かれます。怪我をしてるから休ませようと別の犬たちと仕事に出かけようとすると……というシーンもお気に入り。ああ、本当にセッパラのこと大好きなんだなぁって。だから頑張れたんだたなぁって。もうこれ思い出しただけで泣けてきます。この映画では犬は喋りませんが、目線というか表情が非常に豊かで、言葉以上に訴えてくるものがあるんです。セッパラの妻も彼やトーゴーを誰よりも心配しまた無事の期間を信じて待つというとてもいいキャラクターなんですが、出発の時に「頼んだわよ」っていう時と、それに対するトーゴーの目の輝きが素晴らしかった。あれは完全に話が通じてる顔でした。

余談として、トーゴーという名前は劇中でも海軍の大将って説明ありましたがやはり東郷平八郎からとったらしいです。さらに映画終盤ではトーゴーの凄さよりも、リレーのアンカーを務めたチームの方が新聞で表彰されたりもてはやされるというくだりがありますが、その犬こそ最初に触れたアニメ映画の主役「バルト」だったりします。後にトーゴーたちの偉業についても評価されて世の中に知れ渡ったようですけど。

単純に動物の可愛さというのもあるにはあるんですが、人間ドラマ、人と動物との絆という意味で犬要素抜きにしてもめちゃくちゃ感動的で泣けますので、そういうくくりなしにどんな人にもオススメしたい1本。これもディズニー+限定なので、検討してる人、すでに会員の方はぜひに。

ディズニー+にて吹き替え版で視聴。ちなみに主役の声は多田野曜平さんでした。「運び屋」同様におふざけ一切なしの渋くてかっこいい声でした。

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