工場勤務の青年ジェリーは、家では犬と猫と暮らす生活をしているのだが、ある秘密が。それは彼らが人間の言葉を話し、ジェリーと会話をしていること。他にも動物たちの声、望みが聴こえるジェリーだが、不運が重なり、好きだった相手を殺害してしまう。そして何を思ったか彼は生首を冷蔵庫に保管するのだが、その女性も喋り出し……。
イかれた主人公をポップなテンションで描く、ブラックコメディ。
ジェマ・アータントン、アナ・ケンドリックス共演。
あらすじ
青年ジェリー(ライアン・レイノルズ)は、バスタブ工場で働いているだけの代わり映えのない日々を過ごしていたが、とある女性(ジェマ・アータートン)に心を奪われる。何とかアプローチを重ねて、彼女との距離を縮めることに成功したジェリー。しかしデートの約束をすっぽかされ、殺人事件を引き起こしてしまう。さらに、慌てふためくジェリーをペットである邪悪な猫と慈悲の心にあふれた犬が振り回し、狂気のふちに追いやる。(シネマトゥデイより)
本当なのか、心神喪失などで減刑を期待した演技なのか、たまにぶっ飛んだ供述をする犯罪者が居ますが、これはそんな一人を彼目線で描いたコメディ作品。序盤こそ本当に喋ってるのか、とも思わせますが、基本的に「全部主人公ジェリーが脳内で考えていること」なんですよね。それを表すかのように犬猫の声はライアンレイルズ本人が担当。吹き替えの松本保典さんも同様に声色を変えて演じています。ちなみにグリーンランタンとか過去にもライアンを担当してる方。
死にかけている鹿の声として「早く楽にしてくれ」って言う=(そう思ってるだろうなぁとジェリーが感じる)の理解できるんですけど、フィオナの生首に「友達が欲しい」と言わせ、それに対して「もっと殺して生首を増やせってことかい?」って解釈するあたりが本当に理解不能。まあそれを言い出したら不慮の事故で彼女を殺してしまった時に届け出ず、家に持ち帰ってバラバラに保管、生首だけ冷蔵庫に入れるって言う時点でもう色々とヤバイやつなんですけどね。
劇中で明らかになっていくのですが、顔のある事件とそのトラウマのせいで薬を飲んでいるジェリーですが、それをやめると幻聴という形で声が聴こえるという一応の仕組みは視聴者に説明されてます。本人が、彼らの言葉は全部自分が考えている都合よく解釈してるだけって事をどこまで自覚してるか分かりませんが、薬を再開したら腐り始めてるただの生首にしか見えなくなるって超分かりやすい描写がありました。そこでまた薬をやめるところがもう故意犯なんですけども。
ストーリー的にブラックな笑いなのはジェリーのそんな秘密に一切気づかずに彼と親密になっていくリサ(アナケンドリック)。恋人と素敵な日々!って感じでキラキラして幸せオーラ全開の彼女と、全てを知ってる僕ら視聴者とのギャップが本当に面白かった。はやくニゲテー、ヤバイやつだよそいつ、って感じ。実際普段の様子もちょっと変わり者っていう印象なのですが、そこがまたミステリアスで惹かれちゃったんでしょうね。
そして案の定悲劇が起こる。理解した上でのドン引き具合も凄かったですが、そこに前後してジェリーを色々とけしかける猫とたしなめる犬が、漫画とかで良くある「天使と悪魔」そのものでニヤニヤしました。ジェリーの心の葛藤が、ペットの言葉として表れてる。
予告動画でも使われてますが、謎のダンスシーンがめちゃくちゃシュールで、オチも含めてもうこの世界観はこの映画にしか出せないなぁって感じ。腰に生首をぶら下げたチアリーダーがチェーンソーでゾンビを斬りまくるゲーム[ロリポップチェーンソー]が一番近いかなぁ。グロくてブッとんだ設定、主人公を、かなりポップでコミカルに作ってて、間違いなく人は選ぶ作品だと思うけど、個人的人は楽しめました。
そうそう、そんな病んだ主人公をライアンレイノルズが好演してて、フィオナやアナとのやり取りで表情がパァッと明るくなるところとか、本当はやりたくないけどそういう声が聴こえるから……って普通じゃできない事平然とやっちゃう(黙々としたいをバラバラにしてタッパーに入れるのとか顕著)本人の自覚はないけど「ヤバイ人」としてとても良かったです。
Huluにて吹き替え版を視聴。
前述の通りグロ注意ですが、抵抗がない人は是非に。デッドプールとはまた違う魅力のライアンレイノルズです。
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