元警察官のフィルは二人の娘とともに高層マンションで住み込みの管理人として働きだすが、住人たちが次々に疾走していく。管理人室のある地下は不気味な雰囲気が漂っており、怪しげな魔術に没頭するウォルターの部屋も。警戒したフィルは子供たちを近づかせないようにしていたが……。
ヴァル・キルマー、ルイーザ・クラウゼ、マリー・コンフォーティ、テイラー・リチャードソンら共演。
あらすじ
7年前に妻を火事で亡くした元警官のフィルは、14歳のヴァイオレットと7歳のローズという2人の愛娘とともに、NYのとある高層マンションの住み込みの管理人となって働き始める。フィル一家が一室を与えられたそのマンションの地下は、迷路のように入り組んでいて、そこには、黒魔術に熱中する先任の管理人ウォルターが暮らす部屋もあった。フィルは新たな仕事に懸命に励むが、住人たちの謎めいた失踪事件が次々と発生し…。(WOWOW番組ページより)
番組表や映画説明に「意外な展開を見せる」って書かれてたので身構えてしまったというのもありますが、序盤から出てくる先の管理人ウォルターはあまりにも怪しさ満点だったため、この手のB級ホラーのパターンに当てはめると「実は悪人ではない」という予想を立てて見てしまいました。予告動画で分かるとおり「アルバトロスフィルム」配給のためある程度の想定をしてましたが、序盤からかなりちゃんとした「恐怖」で、最後まで不気味な世界観が続いてるのはサスペンスホラーとしてはかなり及第点だと思います。
そもそも冒頭はマンションの一室で女性と同居人が殺される(赤鉛筆を使うのでグロさもある)シーンなため、高層ビル特有の、人の気配がないとめちゃくちゃ冷たくて怖いというオーラが凄まじいのです。他の居住者たちに伝わることなく人知れず犠牲者が出ていく恐怖。そこから主人公たちがやってきて住み出しても場所が地下っていうことで仄暗さや人々から少し隔離された状況というのは変わらずに展開していくので、知らず知らずこちらも音や物陰に敏感になってしまう。どんどん引き込まれていきます。
ウォルターについても他の同僚たちから距離を置かれて近寄りがたい雰囲気あってフィル自体もかなり警戒するのに、下の娘ローズが変に興味持って何かとやりとりしてしまうし。予告にもある彼女に手を振るシーンが怖いです。「なんで名前を知ってる」「あの子が教えてくれたよ」(ニヤニヤ)ってフィルはゾッとしたと思う。いろんな意味で。メガネをちょっとずらしてかけてるのが見られてるようでひやっとするんですよ。信仰は自由ですけど、あんな隅の方で儀式的なことしてたら害はなくても絶対やばいやつだって思いますもの。
どんな法則があって犠牲者が増えていくのか、主人公家族が襲われる心配はあるのかって怯えながら見てく中で、不意に明かされる意外な事実。最初は思春期な姉の唯一心を開ける存在だとか、あるいは独り身の父親のラブロマンス相手ってことかと思ったあの女性も次第に巻き込まれていって、たしかに説明通り意外な展開を見せていくのは面白かった。なるほどそう来たかって。となると何を持ってハッピーエンドなのかわかんなくなってそこでまた予想させないのはいい。早回しで切り替わるとはいえ、かなり終盤のシーンも予告動画に映ってしまってますけど、あの対決シーンは手に汗握るものがありました。すべてが分かると、視聴者的には誰を応援すべきかほとんど一致すると思うんですけど、どう転んでも後味よくはない感じ(笑)
実際、えー、そんな終わりなの??っていう展開なので、ぜひご自身の目で確かめて欲しいです。
前述の通りアルバトロスフィルムから発売される作品なのでジャンル的にはB級になっちゃうと思いますけど、サスペンス・ホラーとしてはかなり怖かったですし、ウリである通りひねりのきいた脚本で普通に楽しめました。一部グロっぽい描写がありますのでご注意ください。
WOWOWにて字幕版を録画、視聴。
冒頭でも書きましたがフィル役の俳優さんはシカゴP.Dでアダム役やってる人なんですよね。Dlifeがおわっちゃった今、S3以降はどこで見ればいいやら……。
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