グッバイ、リチャード / ジョニーデップ主演。ガンで余命半年を宣告された大学教授。妻の不倫も知り、あえて好き放題しようと自堕落な生活を始めるが、同時に少しずつ病も進行していく。死を扱いつつユーモラスに描くドラマ。

ジョニーデップが死にゆく大学教授を演じた人間ドラマ。『グッバイ、ケイティ』などのウェイン・ロバーツがメガホンをとった。宣告を受け最初はやりたい放題だったリチャードによって周囲が影響を受け、彼も素直に言葉を語りかけるように。
妻と娘を持つ大学教授のリチャードはガンだと診断され、余命は180日だと宣告される。そこにさらに自分の上司である学科長と妻が不倫してることを知り、何かが吹っ切れるようにやりたい放題行動するようになっていく。最初こそ戸惑われるものも彼についてくる学生や、唯一病気のことを打ち明けたピーターなどと過ごしながら、日々を過ごしていく。
ローズマリー・デウィット、ダニー・ヒューストン、ゾーイ・ドゥイッチ、ロン・リヴィングストンら共演。


あらすじ
美しい妻、娘と共に幸せに暮らしていた大学教授のリチャード(ジョニー・デップ)は、ある日余命180日であることを告げられ、さらに妻の不倫まで発覚する。残りの人生を好きなように生きると決めた彼は遠慮なく物を言い、授業中でも酒やマリファナを楽しむように。ルールや立場にとらわれない生き方に喜びを見いだしたリチャードの型破りな言動は、周囲にも影響を与えていく。(シネマ・トゥデイより)


僕は基本的にあまり人が死ぬ映画は見たくない派なんですが(有無を言わさず泣いてしまうから)、ジョニーデップということで視聴。91分と短めなので割とサラッと見れます。そもそも「人生の最期を扱ってる作品」でありながら、切なかったり悲しいというシーンはかなり少なく、むしろ希望を感じられる映画でした。

最序盤こそある意味でヤケクソとも取れるような、自堕落な行動に若干閉口してしまう、あるいは自暴自棄の痛々しさも感じるわけですが。(学生にマリファナをもらったり、バーで店員を口説いてトイレで関係を持つなど) 彼が残された時間を後悔なく生きようとしていると考えることもできたり。そもそも先に妻が不倫していて、許す代わりに自分も自由にするって宣言した上でですからね。その時も「娘を傷つけないようにしろ」って条件を出すあたり、いい父親だったのがよく分かる。浮気っていうよりも「まだ現役なのか?」って煽られて試してみた、的なギャグみたいな扱いですし。他にもLGBTの男子学生と、的なシーンもあります。映画はR15+なのでご注意を。

クレアと特別な関係になるのかな?っていう予想もしてたんですが、そういうラブロマンスがあるわけでもなく。それ以上にずっとフェミニズム的なこと言ったり「典型的な委員長キャラ」の女子が殻を破ってた変化がすごくて、学生の中ではかなり印象に残ってます。当たり前に問題になってたけど、みんなでマリファナやったりとかほんと面白かった。ぶっ飛びすぎてるよ。

序盤から唯一ガンのことを打ち明けていた同僚のピーターが本当にいいひとで、「最後までいい友人でいたいから辛いけど耐えてる」って言葉の通りずーっと寄り添ってくれた。ガン患者のグループセラピーでリチャード以上に悲しんでたのがこっちまで泣けた。同僚であり友人ってほんと貴重な存在だし、だからこそ彼も早い段階で喋ったんだと思う。こういう存在がいるのが救われる。

もちろん家族との絆も大事で、ついに妻に打ち明けることになるパーティでのシーンや、旅に出る前の娘オリヴィアとの会話シーンも良かった。どんどん時間が流れるにつれて素直というか皮肉屋モードじゃない本音で喋れるようになれたのは良かったですよね。辛いけど、いい思い出として残りそう。

そのパーティでのスピーチや、学生たちを前にしての語るところは変に説教臭くならない範囲でも、でも死を前にした人間からのアドバイスって形で胸に響くものがありました。チャンスを無駄にするなっていうメッセージ。サラッと言う「君たちがこれから描いてく物語(人生)がいいものになるように」って言葉も好きだったな。

若干辛いシーンはありつつも、どちらかというとブラックユーモア満載のヒューマンドラマなので割と爽やかにみ終われました。涙が止まらない、的な映画ではなかったです。
amazonレビューにて「それはないだろ」っていう解釈、具体的に言うと「病気は嘘なのでは」みたいなのがあってビックリしました。僕は絶対にそう言うふうには思えなかったので、皆さんならどう感じるか、実際に確かめてみてください。

WOWOWで録画、Netflixにて字幕版で視聴。
22年10月現在、アマプラでも見放題対象です。

動画はこちら
https://amzn.to/3yglLlY

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