見た目は少年。だけどその瞳の奥に映る不気味なもののにヒヤヒヤさせられるサスペンスホラー作品。
「ペット・セマタリー(2019)」や呪怨のリメイク「ザ・グラッジ」などジェフ・ビューラーが脚本を担当。監督はホラーを複数手掛けてきたニコラス・マッカーシー。
あらすじ
マイルズは天才とも言うべき知能を有していたが、その振る舞いは滅茶苦茶なものであり、時には邪悪さすら感じさせることもあった。母親のサラはマイルズが悪霊にとりつかれていると疑うようになり、彼を専門家の下へと連れていくが、事態は悪化の一途をたどるのだった。(wikipedeiaより)
冒頭、手にかなりの執着を持つ異常者の元から命からがら逃げ出した犠牲者の様子が描かれ、いきなり不穏なムード全開なのですが、犯人が死亡という形で事件は解決。そこからはすでに触れた通り、サラとマイルズ親子のお話が展開していきます。ジャケットも男の子ですし、あくまでこっちが主役です。ちなみに半分だけ骸骨になってるのは劇中でも出てきまして、ずばり「ハロウィンの仮装」なんです。ただ「中身に別のものがある」っていう作品そのものを表していてすごくあってますよね。prodigy=神童、というタイトル通り、マイルズは早くから天才ぶりを発揮。確かに少し変わったところもありますが、フィクションにせよ現実にせよ、知能が高すぎるとある程度周りと合わないってこともあるってのは容易に想像できますからね。そのくらいじゃ別に怖くはないです。本格的に怖いのは、寝言。
呪文のように唱えてる様はかなり不気味です。これがマイルズの中に取り付いてるものと密接に関係していて、すでに触れちゃっているのでネタバラシすると冒頭の殺人鬼の魂なんです。え、何それそういう話なの?って僕自身も専門家の話はにわかに信じられなかったんですけど、映画の中ではいくつもの前例を交えて説明するんで半信半疑、そしてだんだん肯定する気持ちになってくるんです。ドキュメンタリーとかでもよく前世の記憶云々ってやりますけど、魂が取り付いてるっていうシステム(?)は納得できる一つの答えっぽいですよね。そこからは正体不明の恐怖から、「殺人鬼がいる恐怖」にシフトしていきます。前述のジャケット画像の話にも通じるんですが、どこか「二重人格」と似てるんですよ、構造としては。だからそっちに切り替わってしまわないかビクビクするっていう感じですし、マイルズ自身も、「自分じゃなくなってる時にひどい事が起きる」って言ってるし。ホラー作品なので覚悟してましたけど、その言葉を裏付けるように犠牲になるものも出てきちゃいますし。
マイルズ自体も天才児ですが、殺人鬼もかなりの期間バレずに犯行を重ねてきただけあって頭は回るようで、専門家を出し抜くシーンとかほんと寒気がしました。そうです、殺人鬼はマイルズのふり=子供のふりもできる。だからどのタイミングも安心できないのです。文字通りの、可愛い顔して悪魔。監視カメラとか作っちゃてるし、体格のせいで直接的な強さはなくても、頭脳だけで簡単に勝ててしまいます。「殺人鬼」VS「サラたち」という構図になるのかな、と思いきや、予想外の展開を見せます。
この手の「ヤバイものとの戦い」が出てくる作品だと「やっちゃまずい行動をとって予想通りやられる」ってお決まりの流れを割と見かけるんですけど、サラが最終的に選んだ行動がかなり「はぁ?」って奴で、引くを通り越えて笑っちゃいます。まあマイルズを取り戻そうと必死だし、意図はわかるんですけどね、普通それは選ばないだろうと。そして案の定……。このあたりは取り付いたのがあくまで「魂」であり、マイルズの中の殺人鬼が「何」を目的にしてるか、という推測が招いた悲劇なんですけどね、もし仮にサラの思惑通り事が進んでも、ハッピーエンドにはならなかったと思うんですけどね。こういう書き方しちゃうと予想できちゃうと思いますけど、終わり方も「ヒェ〜」って感じの後味悪い感じですからね。わざわざ「手にフォーカスする」シーン入れてるあたり、完全にああなるよね、的なね。
ご存知の通りジョジョが好きなんで、吉良吉影を彷彿とさせました。(女性の手に執着する殺人鬼が出てきます。)
アマゾンプライムビデオの無料対象にて見つけてみてみたら引き込まれて、そこまでグロ描写なかったし、ハラハラを楽しめました。目に入ったレビューにも「エスター」という単語がありましたが、確かにあの作品の強さに通じるものがあります。脚本が良かった。
吹き替え版を視聴。
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