町が自然災害に襲われ、唯一の生き残りとなった先住民族のダニエル。彼女が目を覚ますと、そこは同世代の少年少女が暮らす施設であり、彼女を含めて特殊能力を持った者たちを調べているという。見えない壁(泡)に囲まれて脱走することもままならぬ中で、いじわるなイリアナ、対照的に優しいレインら仲間と少しずつ打ち解けていくが奇妙なことが起こり始めて……。
あらすじ
自らの特殊能力をまだうまく扱うことができないミュータントの若者たちが、過酷な運命に立ち向かっていく姿を描く。未熟さゆえに特殊能力を制御できず、つらい過去を背負った5人の若者。極秘施設で訓練を受ける彼らの前に突如謎のモンスターが出現。恐怖で錯乱する中、さらなる危機が訪れる。( 映画.comより)
上記予告動画ではほとんどわかりませんが、かなり「ホラーより」の映画でして、それはかなり前から言われてたので覚悟して見ました。他の作品の紹介で触れたような気がしますが、本来は2018年とかに公開予定だったくらい、延期に次ぐ延期。しかもこれでFOXから配給されるX-men映画はラストになってしまったので(今後は他のマーベル同様にディズニー) 続編の話も一旦なしになってしまいました。
なんてちょっと否定的なことから入ってしまいましたが、スピンオフと言いながらも登場人物全員この映画からはじめて出てきますし、具体的にシリーズのどの時系列かもよくわからないので単体だけで十分楽しめます。あのキャラの苗字が……、とか、中盤で明らかになる施設を運営してるのが……、とか知ってると繋がってく部分もあるんですけどね、単純に「ウルヴァリンとかがいる(いた)世界の出来事」ってくらいの認識で問題ないです。
なので本格的にアクション要素が出てくるまでは、X-men要素も少ない、青春ホラーそのものです。過去に悩みを抱えた子供たちが施設で共同生活をしていく。その中で不可解な現象が起きて、トラウマと戦ったり、それぞれの絆が深まり、解決のためにチームプレイをするっていう流れ。最初こそ意地悪な言動を繰り返してくイリアナも、隔離室ではめちゃくちゃ震えてたりと理由が見えてきますし、結構時間使って全員の掘り下げが行われるのでキャラに対する愛着は湧いてきます。その分彼らしか出てこないし、舞台もずっと施設の中だけなので語られる規模自体は狭いんですけどね。色んな意味で「檻に囚われてる」ものたちが主役ですから、逆に共感しやすかった。
まあホラーといっても武器な造形のものがワラワラ出てきたり、それぞれのトラウマが具現化したり。監視されているからこその常に不穏なムードが漂ってるっていう程度なんで、ビビって見れないってほどじゃないのでご安心を。いわゆるアメコミヒーローものに比較するとそういう要素も混ざってるよ、というレベルです。まあ忘れたいはずの恐怖の対象が出てきたら本人的には正常でいらられなくなるから「能力をコントロールできない」彼らにとっては脅威なのはすごくうなづけます。
主役になってる子が超絶パワーの持ち主で、序盤から示唆してましたし終盤戦う存在のことを思っても彼女の物語なのは間違いないのですが、それ以上にイリアナがめちゃくちゃカッコ良くて。戦闘に特化した能力で単純に戦ってる姿もすごいし、強がってて口悪いけどパペットと会話してるとかギャップが良いんですよね。アニャ・テイラー=ジョイさんは「スプリット」あたりから好きなんですけど、独特の魅力が今回も炸裂してました。予告でちょろっと出ちゃってますよね。『マジかっこいい、結婚したい』とか言ってて笑います。
そういう風に終盤は能力を活かした戦闘が見れるので、十分期待してた通りの面白さでしたし、CGも頑張ってたと思います。夜を舞台に戦うので画面は暗い時もあるんですが、能力や、リンボーと呼ばれる世界が結構カラフルに表現されてたりするので映えて綺麗でした。なんか怪獣映画見てる気分。ただそういう風に倒すのかーってちょっと意外でしたけども。
状況が状況なので日本では劇場未公開、ビデオスルーとなりまして3/31にソフト発売、現在デジタル先行配信中。おそらく吹き替え版は製作されない模様です。最初に触れた通りこれが最後のFOX作品ですし、続編とかダニたちの他の映画への再出演とか見えない状況ではありますが、延期したけど無事に見れたことは良かったです。
U-NEXTにて字幕版を動画レンタル。
ニュー・ミュータント (字幕版)
posted with カエレバ
人気ブログランキング参加中。
この記事へのコメント