マトリックス レザレクションズ / 映像表現に革命を起こしたSFアクションが約20年ぶりに帰ってくる。人類を、そして愛する人を救うため、ネオは再び目覚め、仲間と共に戦いに挑む。3部作の懐かしい映像や小ネタで振り返りながら楽しめる。

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キアヌリーブスの代表作の一つであり、その後の映像表現に多大な影響を与えた大ヒットSFアクション「マトリックス」の、約20年ぶりの正統続編。3作目レボリューションズで命を落としたはずのネオは生きており、仲間の手引きによって再び現実世界に目覚める。全ての能力が戻らないまま、トリニティを、人類を空くために強大な敵と立ち向かうことに。さらに因縁の相手たちも現れ……。
大ヒットゲーム「マトリックス」シリーズ3作を製作し成功していたトーマスアンダーソンだったが、自分のゲームは実は現実ではないか?という考えに囚われセラピーに通う日々だった。既に目覚めている仲間たちやモーフィアスが現れ、彼らの助けによって再び現実世界へ。マシンたちの目的を知り、トリニティを救おうとするが邪魔が入り……。
キャリーアンモスやジェイダ・ピンケット・スミス、ランベール・ウィルソンらオリジナルキャストの他、:ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ジョナサン・グロフら共演。
あらすじ
ネオ(キアヌ・リーヴス)は自分の生きている世界に違和感を覚え、やがて覚醒する。そして、マトリックスにとらわれているトリニティーを救出するため、さらには人類を救うため、マトリックスと再び戦うべく立ち上がる。(シネマ・トゥデイより)


上記あらすじだと端折りすぎですが、そもそもこの映画も「新規お断り」感が凄くて、3部作を見てある程度わかってないとかなりチンプンカンプンになっちゃうと思います。まずそのマトリックス自体が結構複雑なお話なので僕自身も完璧に理解できているかどうか不安ですから。でも逆にこの映画自体は3部作の映像をバンバン流したり、見てる人がニヤッとするような要素をこれでもかって入れてるので見てるうちに思い出していく効果ってのはあるかも知れません。劇中では主人公に真実を思い出してもらうため、って感じでやってましたが映画見てる人にとっては「おさらいの時間」になってるという。ヌードルを食べる、口と鼻がふさがる。デジャブな黒猫、とかね。

乱暴に説明すると「機械が発達しすぎて人類と敵対して最終的に彼らが勝ってしまい、人間はただの電池扱いに。ポッドの中で生きている間に見せられている仮想現実=マトリックス」「一部の人間は目覚めて機械から身を潜めて暮らしているが、頭にケーブルを指すことでマトリックスの中に戻ることもできる」って感じ。だから現実世界と、マトリックスの中と二つの舞台での戦いがあるのです。

映画序盤はまだネオは目覚めておらず、マトリックスというゲームの4作目をどう作るかって悩んでる状態。これ誰がどう見てもこの映画のことをメタ的に話してて、かなりの内輪ネタ。Twitterの相互フォロワーさんが「真剣10代しゃべり場」って言ってて笑いましたが、意識高い系の連中がやってるミーティングのシーンは一見の価値ありです。数年ぶりの続編、って言われるとハードルが上がるのもわかりますけど劇中で皮肉っちゃうのかよ、と。

ネオとトリニティ、それからナイオビやあの人が集結してくれただけでも嬉しいのですが、モーフィアスが別の俳優さんってはちょっと残念ポイントかも。しかもモーフィアスの設定がなんか便利すぎちゃう気もしましたが、あれもある意味で映像表現として頑張ってたと思います。ラッセルクロウ主演の「ヴァーチュオシティ」という映画を思い出した。1作目のネオとのカンフー対決はめちゃくちゃテンション上がったんですが、今回はオマージュシーンが。映像とかアクション自体は相当進化してるはずなのに、目が慣れちゃったのかあんまりワクワクしませんでした。畳の上は靴脱いで欲しい(笑)

役者が違うといえばエージェントスミス。この人も2作目以降から「単純な敵」ではなくなってましたが、今回もメインとは別勢力のためにネオと激しい戦いを繰り広げるだけでなく、一時共闘もします。目覚めたばかりでネオは本調子じゃないから結構やられてしまうし、エージェントの強さ、危機感が懐かしかった。「必然か?」って例のセリフも引用してくるし。そういえば今回マシン側はボットという形で表現し、無害だった人が「目がおかしくなる」だけで襲ってくる演出だったので、過去作品のようにいちいちグラサンスーツにならないのが少し寂しかった。あれがあるから人間じゃなくて機械って印象が強かったのにに、特に終盤あたりの「人間爆弾」は普通の姿だから余計に恐ろしかったです。

能力が覚醒してないから「カメハメ波」だけ、って揶揄されてるのを見ましたが、確かに衝撃波を出したり銃弾を止めたりっていうことしか出来ないのは若干気になりました。が、基本的にカンフーとかのアクションはバンバンやってくれるので満足感はかなりあります。キアヌは「ジョンウィック」シリーズも大ヒット中ですから、ただでさえ期待値が高まっちゃうんですよね。ただ今回の敵であるアナリストには全然手も足も出ないので、そこだけはすごくストレスが溜まります。バレットタイムから着想を得たというチート技で、彼だけがコマの中を動いてる印象。ちょっとジョジョのスタンド能力っぽいですよね。そうやってうぜええって思ってたところで、ラストのあのシーン。ちゃんとボコボコにされますのでお楽しみに。すごいスカッとした。

あとは冒頭でも触れた通り、メロビンジアンらエグザイルの面々も出てきましたね。「シルクでケツを拭く」ってお馴染みの言い回ししてたし、この辺はかなりファンサービスだったなぁと。時間が経ってて最初ご本人が再演してくれてるの気がつかなかったです。仲間側のナイロビはすぐわかったんだけど。

3部作でも「感情」があることは機械とは違う人間、そしてネオの特徴として強調されていましたが、今作でもかなり重要なテーマになってて、ざっくりいうと「トリニティへの愛」がいろんな意味で鍵になっていた。だからこそ3作目のあとなのにこういうことになってる(劇中で説明されます) 自分の人生をどう歩むのか、自由意志、夢や目標。そしてそこに関係してくる、欲望や恐怖という感情。これらが強みであり、同時につけ入れられるポイントでもある。

犠牲がありながらも綺麗に終わったところから、数年経っての4作目ってことで正直どうなるのかって思いましたが、その辺りを含めての「2度目のチャンス」という意味ではすごく救いがある物語でしたね。今回のバージョンのネオとトリニティにとってもすごいハッピーエンドだし、ここから人類にとってもさらに良くなっていくことがわかりますから、個人的にもかなり好きな終わり方。前述の通りすごいスカッとするし。

過去作品知ってないとピンとこない部分も多いかも知れませんが、当時見てた人や、ある程度おさらいしておくとどういうことがしたかったのか分かりやすくなって続編としてそこまで「蛇足」とは感じないちゃんとした作品だったと思います。今回もやばいシーン目白押して驚かせてくれるんだろうな、とかハードル上げすぎると物足りなさがあるのも正直なところ。どこかの紹介で「同窓会」って書かれていましたがまさにそんな雰囲気。当時を懐かしみながらお楽しみください。

U-NEXTにて399円で動画レンタル。吹き替えで視聴。
最近はキアヌは森川さん専属のイメージありましたが、過去作は小山力也さんでした。渋くてかっこいい。

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