共演はニック・オファーマン、パトリック・ウィルソン、リンダ・カデリーニ他。
あらすじ
1954年、アメリカ。シェイクミキサーのセールスマンである52歳のレイ・クロック(マイケル・キートン)は、8台もミキサーをオーダーしてきたマクドナルドというドライブインレストランに興味を覚え訪ねてみる。そこでレイは、経営者のディックとマック兄弟による、高品質、コスト削減、合理性、スピード性などを徹底させたビジネスコンセプトに感銘を受ける。契約を交わしてチェーン化を進めるが、ひたすら利益を求めるレイと兄弟の仲は険悪になっていき……。(シネマトゥデイより)
「幸せの隠れ場所」や「ウォルトディズニーの約束」など伝記映画のヒット策も手がけるジョンリーハンコック監督作品ですが、今回も色んな意味でインパクトがある作品でした。なぜマクドナルドって大々的にタイトルにつけないのかとか、ヒミツって副題はどういうことかとか見ていくうちにそれが分かって、若干マックに対する印象が変わってしまうかも。まあ創業者がすごいってだけなんですけどね。
そもそもレイは創業者(ファウンダー)じゃないんですよね。上記あらすじの通り、あくまで兄弟が経営してたレストランですからね。支店自体も過去にやってたりするんですが、そこに不動産を絡めて、フランチャイズ、それぞれの店のオーナーがいて、というスタイルで増やしていきます。兄弟が試行錯誤した上で完成した調理ラインや配置などまるまる全部コピーするわけですから、それなりに盛っていくのは当然といえば当然ですが、そこから+αで徹底的に利益追及に走っていきます。
「オレのアイディアを使ってあんたたちを儲けさせてやるよ」だったのが、だんだん自分こそがトップみたいな態度になってきて、仲間を増やし、兄弟たちに口を出させないためにあの手この手で契約書の穴をついたりやりたい放題。「苦労したけど世界で一番のファストフード店になりました」みたいな感動話を想像していると、主人公のあくどさにドン引きしちゃうと思います。ほんと兄弟が可哀想になってくる。
でもそういう「悪」になりきってまで、がむしゃらに突き進んできた結果としてあの巨大企業になったわけで、倫理的なぜひは抜きにして、その執念は尊敬に値しますよね。そういう意味では間違いなく「すごい人」な訳で、だからこうやって伝記映画の主役になってる。あとこの手のストーリーだと大抵奥さんが支えてくれたーってなるんですけど、お金がいっぱい入ってきていい暮らしになってもだんだん距離ができてくるところがリアルで切なかったですし、密かに惹かれあってたぽい知人の奥さんが最終的にレイの妻として登場したりその辺りも濁さず描いててすごかったです。エンディングで流れるメインキャストのその後のお話のなかで「紳士協定は守られなかった」なんてテロップ出ちゃいますし。
もちろんぶち当たる問題の解決策を求めながら、少しずつマクドナルドが大きくなっていく様子とか、兄弟があれこれ案を出してシステムが完成するところとか、サクセスストーリーの魅力そのものももちろんありますから、レイ本人だけにスポットが当たってるわけじゃないです。あのマックシェイクはこういうのを経てるんだーとか、肉の焼き方や、ポテトが一番美味しく感じられる温度とか見てるとマック食べたくなるのは言うまでもありません。
吹き替えで視聴したのですが、主人公レイは山寺宏一さんのカッコいい声モードだったので、すごく説得力がありました。彼は口が達者というのか、やはり上手いこと言いくるめて仲間を増やしていきますし、自分の信念を分かってもらうと説明するシーンも多々あるので「カリスマ」ってこういうことかな、と思いながら見てました。売ってる商品があまりにもニッチすぎただけで、ヒット商品に恵まれてたらセールスマンとして成功していたかもな、と感じさせます。
すでに書きましたが、「感動した!」というよりかは「そんな事があったのか」と驚かされるタイプの伝記映画ですが、上昇志向のある人間の姿を包み隠さず描いてるので、感情移入しますしとても面白いのでおすすめです。
TV放送されたものを録画、視聴。
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