ザ・ファブル 殺さない殺し屋 / 岡田准一主演。誰も殺さずに社会に溶け込むという任務を受けた元最強の殺し屋・佐藤。しかしかつての仕事とも関係する悪党の存在を知り動き出す。大ヒットアクション第2作。

第2部も好評連載中の南勝久の人気漫画「ファブル」の実写映画第2弾。前作に引き続き岡田准一が殺さない殺し屋を演じる。ボスの指示で同僚と共にごく普通の兄妹として暮らすよう命じられた佐藤だったが、危険人物の暗躍を知り、そのスキルを使って悪を退治する事に。
デザイン会社のバイトとして普通の暮らしを満喫する、元伝説の殺し屋・佐藤。公園でリハビリに励む車椅子の少女と出会うが、彼女の周りにいるNPO団体のきな臭さを感じ取る。代表のウツボは表向きは善人であるものの、殺しも厭わない悪党だと判明。しかも佐藤とは因縁があった。凄腕だと知った彼らは大量の人員を投入して襲いかかってくるが……。
木村文乃、山本美月、佐藤二朗ら前作キャストに加え、堤真一、平手友梨奈、安藤政信ら共演。
あらすじ
最強の殺し屋「ファブル」として裏社会で恐れられていたものの、ボス(佐藤浩市)から誰も殺さずに一般社会に溶け込んで生きるよう命じられたアキラ(岡田准一)。相棒ヨウコ(木村文乃)と兄妹を装い、アルバイト先のデザイン会社オクトパスの社長・田高田(佐藤二朗)と社員ミサキ(山本美月)に素性を知られることなく平穏な日々を過ごしていた。そんな中でアキラはNPO団体の代表を務める宇津帆(堤真一)と出会い、やがて彼がターゲットから金をだまし取っては命も奪う危険人物であることを知る。(シネマ・トゥデイより)


今回は先に原作部分を読んでいたのでストーリー自体は知っていたんですが、オリジナル要素も結構あって、やはりアクションがめちゃくちゃ見応えあって面白かった。お話自体も佐藤のちょっとずれてるけど真っ直ぐな魅力が全開でホロっとくる内容なのでね、1作目同様最後まで見入っちゃいました。

漫画読んでた時はウツボは板尾さんとかが似合うかなと思ったんですが、いい人をやってるイメージの強い堤真一さんが演じるからこそのギャップの邪悪さが出てて、これはこれであり。ヒナコに対してとか気持ち悪さがやばかったです。考えたくないですが、一見善人に見えて実際は、ってパターンは現実世界でももしかしたらありそうなので若干怖いですよね。映画ではサラッと流されますが、「過保護にすればするほど親も子も騙されやすくなる」って彼の言い分もどこか納得しちゃう部分もあるし。すごい胸糞悪いけど、悪役としてのキャラが立ってた。
一方で鈴木の方はあんまり見せ場がなくて可哀想かな。見る前からとても楽しみにしてたヨウコの本領発揮シーン、実写でやってもめちゃくちゃカッコ良くてますます好きになったのですが、逆にいうとやられる方の鈴木は……。その後の映画オリジナルもほとんど傍観してる感じなのであんまり強い印象がなかったと思います。

佐藤の活躍は想像していた倍はあって、「アクション映画見たなー」って満足感がありました。いきなり現役時代のスピード感あふれる映像で一気に心を掴まれますからね。あの身体能力を見せられることで説得力が出る。ミッションインポッシブルとかそういうレベルのスタントですよもう。クロちゃんじゃなくてもかっこよさにやられる。ぶっちゃけ「ひと目につかないように」ってのから矛盾してしまうのですが、団地を舞台にした長丁場は本当にすごくて。予告動画でもかなり使われていますが、廊下、部屋、そして工事の足場などなどこれでもかって連続バトル。それも佐藤は非殺傷の銃なのに、相手はみんな殺す気でかかってくるわけで。それだけでもきつい。銃で売っちゃった方がよっぽど簡単ですよ。

敵から奪った手榴弾の使い方とか、その場にあるものをうまく使って無力化してくし、一方で人質的な少女救出にも向かわなきゃいけないし。部屋の中で戦った相手もかなりのやり手で、そのあたりの「やられてしまうかも」ってハラハラも良かった。最強ではあるんだけど、圧倒的なふり。そこを跳ね除けて勝つから強いんですよ。

前作同様、コメディシーンも散りばめられてて。世間知らずなところとか、つまらないお笑い芸人がツボだとか。敵側だけどすごいミスやっちゃうのとかも不謹慎ギャグになってましたね。一回漫画で見ちゃってるから爆笑まではいきませんが、アクションばかりの中でちょっと肩の力抜けて良かったです。プライドズタズタにした後の「なんか怒ってたな」ってセリフが最高に好きです。

終盤あたりの一歩間違えば即死っていうあれも、結末を知っててなお見応えありましたし、リハビリシーンでの伏線を回収するかのようなあのやりとりめちゃくちゃかっこいいのでぜひ見てほしい。今回はヒロインに感情移入できるかってのも重要なポイントですが、闇を抱えた少女、でも芯が強いっていうが平手さんにあってて良かった。佐藤の言葉に笑顔を見せたり、リップとかおめかししたりするのも微笑ましかったですし、だからこそラスト周りの展開の切なさが際立つ。

2時間の中にアクションガッツリ入れつつ、傷をおった少女が自分で立ち上がる物語としてのストーリーも見応えがあっていろんな人が楽しめる作品になってると思うので、原作を知らない人もおすすめしたい作品。もちろん経緯がわかる1作目もいいです。今回佐藤たちが世話になってるヤクザの面々とか、あとはボスとか出番ちょっとだけだったので、3作目以降に期待。これだけヒットしてるし、当然やってくれるよね?

最初に触れた通り漫画版もめちゃくちゃ面白いので、そちらも是非に。


WOWOWにて録画、視聴。

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