あのジェイソンブラムとブラムハウスプロダクションが製作に名を連ね、監督・脚本は女優としても知られるゾーイ・リスター=ジョーンズ。
ケイリー・スピーニー主演を務め、ギデオン・アドロン、ラヴィー・シモーン、ゾーイ・ルナら共演。母親役でミシェル・モナハンも。
【解説】
高校生4人が魔女集団を結成するカルト映画、『ザ・クラフト』(1996年)のリブート/続編。
黒魔術にハマるカースト下位の女子高生3人が、新しいメンバーを迎え入れることで魔力に目覚める。
人間関係、セクシュアリティ、肌の色、見た目へのコンプレックス等、それぞれコンプレックスをもつ主人公たちが、黒魔術を通じて悩みを解決しようとする。うだつの上がらない学園生活が一変、と思っていた矢先に事態は4人の思いもしなかった方向に転がっていく。(yotube予告動画概要欄より)
オリジナルの「ザ・クラフト」の方はたぶん未視聴なのですが、ざっと調べた限りだと同じように4人の高校生魔女を主役にしたホラー映画。そちらは途中から仲間割れしたりって感じに展開していくようですが、リブート作品なので完全になぞっているわけではありません。youtubeで映像見たらなんとなく見覚えもあるようなないような。テレ東の「午後のロードショー」とか、深夜にやってそうな作品ですね。
基本的な主人公は母の再婚で引っ越してくるリリーなんですが、冒頭は黒魔術をやろうとして失敗する3人の目線から描かれるのでこっちにも感情移入しますし、元々浮いてるグループだから平気と言わんばかりにリリーを助けてくれる優しさが嬉しかった。ただでさえ心細いのにからかわれるの辛すぎるからすぐに仲間ができて見てるこっちも安心しました。しかもなんの因果か、彼女もまた魔術の素養があったことで「やっと4人目が揃った」という喜びがあるしね。
デリカシーがない、って描写なのでしょうが「生理」をからかうってのが若干引いちゃった。でも「私にはわからないけど」の一言で4人のうち一人ルーデスがトランスジェンダーだと判明する(聞き逃してなければ明言されてないはず)ために必要だったのかなって。他にも「出産っていう素晴らしいことをできるってことは全ての女性が魔女みたいなもの」ってセリフに「全員がそうじゃないよ」って即座に訂正入れてたりとすごく自然に入れてたと思います。
4人ならより強い魔術ができる、って分かって少しずつレベルアップしてくのとかも面白いんですが(時間までとめられる)、単純に同い年の仲間と共に楽しそうに遊んでる姿はこっちまで明るい気分になっていきますし、ここだけほんとディズニーのティーン向け作品のような幸せな世界。あんなに嫌だったティミーを魔術によって素直な好青年に変えちゃったり、それでちょっと「悪くないじゃん」って仲良くし出すのとか面白いです。
でも同時に不穏なムードもあって。そもそも序盤から母の再婚相手=義父アダムがとても不気味なんですよね。何も知らない母親が「彼もいい人だとわかるはずよ」って言われるけど、実はやばいやつってのはホラー映画のお決まりのパターンだからね。ティミーを突き飛ばしたって聞いただけで、理由も聞かずに暴力はダメだってマジギレしてくるし。結論からいうとこのアダムこそがやっぱりラスボスなんですけど。
それだけじゃなくて素直になりすぎたティミーが告白ゲームで「男性と関係を持った」と暴露し、流石に魔術の重大な影響に気づきはじめ、一方でリリーは恋の呪文でそんな彼といい感じになろうとしてしまう。敵対ことしないものの、「勝手に何してるの?」って他の3人からリリーは非難されますが、当然ですよね。まあ「ただ会いたい」気持ちだけでやっちゃったわけだし、途中から好きになってたみたいだかわからなくもないけど。
そのティミーが自殺したってことで物語は完全にシリアスモードに。その事件も実は真相があったり、前述の通りアダムが本性を表したり。さらには出生の秘密が見えてきたりと怒涛の展開を迎えますし、魔術バトル(?)も勃発。まあそういう映画じゃないから映像自体はしょぼいんですけどね。ただ緊迫感はそれなりにありますし、魔女4人組の絆パワーを信じて応援してました。
一個だけネタバレしちゃうと、リリーのルーツはやっぱり前作「クラフト」の主人公だったってのが最後の最後にわかります。見てなくてもそうなんだろうな、ってのはほぼ分かってたけどね。
魔術などファンタジーな世界観の中で、人から偏見を持たれてしまう=LGBTQの要素も盛り込みつつ、仲間と協力して悪を打開していく青春ムービーとして面白かったです。ホラーといいつつそこまで怖いっていうシーンはなかったし。
Netflixにて吹き替え版で視聴。
DVD未発売
動画はこちら
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