【Netflix】クリスマス・クロニクル / クリスマスの夜、仕掛けたビデオカメに映った決定的瞬間。サンタのソリが壊れたために幼い兄妹は彼のピンチを救うことになるが……。カートラッセル主演、心温まるファンタジー。

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Netflixオリジナル作品。「ホームアローン」「ハリーポッターと賢者の石」などのクリス・コロンバス監督がプロデュースした、ファミリー向けクリスマス・アドベンチャー。サンタがピンチになり、兄妹二人が彼に協力することに。不思議な力や、エルフ、世界をまたにかける大冒険が始まる。
いつも家族と共にクリスマスを祝ってきたケイトとテディだったが、父も亡くなり、母親は仕事で二人だけで過ごすことに。毎年録画していたビデオに映っていた「何か」がサンタだと信じるケイトはビデオカメラを仕掛け、見事サンタクロースがやってきた証拠を手に入れる。ソリに紛れ込んだ二人だが、サンタが驚いた結果故障。プレゼントが配れなくなるというピンチを前に、二人は協力することに。

あらすじ
10歳になってもサンタクロースの存在を信じる少女ケイトとそんな彼女をからかう兄テディは、クリスマスイブの夜にサンタの姿をカメラに捉えようと計画する。やがて2人の前に、プレゼントを配る本物のサンタが出現。しかし2人のせいでソリが墜落してしまい、サンタは大ピンチに陥ってしまう。(映画.comより)


クリスマスを題材にした作品はそのほとんどが感動作であり、どれも泣けちゃうんですけどこの映画もすごく良かった。なんならサンタクロース像の中でもトップレベルに好きかも。こちらは2018年に配信開始、そして大ヒットを受けて2020年には続編のPART2が配信されています。(この記事を書いている現在、そちらも半分まで見終わってかなり面白いです)

あらすじや予告でわかる通り、ごく普通の兄妹がサンタの一夜限りの助手として活躍する。というのは割と王道のテーマなんですが、そこに「父との別れ」の問題であったり、「反抗期」みたいなことを盛り込んで、より共感、感情移入しやすい作りになっています。妹ケイトは最初から全力でサンタを信じているからこそ、順応も早くてエルフというたくさんいるサンタの仲間たちだったり、ソリや帽子のシステムなんかも受け入れてバンバン進んでいくんですが、逆に兄はどこか冷めているというか仕方なくついてる感があります。その辺り劇中でも「代々『真のビリーバー』だった」という設定(サンタやクリスマスの奇跡を心から信じられるか)があるんですが、テディの名前だけ消えてしまっているのです。ということはこの映画の大冒険を経て、彼が「良い子」になる。クリスマスを信じられるんだろうなって先に予想させるんですね。

実際どんどんテディが素直になっていく姿は感動します。それはサンタが何か頭ごなしに怒ったりするのでなく、大事なこと、大切なことに彼自身に気づかせるからなんですよね。車の運転を任せたり、最終的にはソリも。文句言ってた彼が一番サンタのために頑張ろうとするし、一生懸命。父親の悲しみでどうしたらいいか分からなくて、悪い友達ともつるんじゃったけど、根はやっぱり良い子。じゃなきゃ手紙なんか書かないか。

ディズニー+の「フェアリーゴッドマザー」でもあった通り、一応サンタ村にも大量の「子供たちからの手紙」が保管されているんですが、サンタ本人も一眼見ただけでその人の名前や欲しがっていたものが読み取れるという能力のようで、大人たちに向かって気さくに話しかけたり当時欲しかったものを一瞬で取り出したりと魔法的な力があってみてて面白かった。ラスベガスの手品師、などと言われたり、コスプレしたおじいさんが子供を誘拐してる疑惑など信じてもらえない人が出てくるのがリアルだった。映画見て感動してたって、あくまで空想上のキャラクターって思っちゃいますからね。そういうの一切なく信じることの大切さ。こっちもハッとさせられます。

さらにサンタが魅力的なのは、「聖人」ではないところ。前述の通り子供に運転はさせちゃうし、自分もすげぇアグレッシブなカーチェイスを繰り広げる。警察の厄介になって落ち込むどころか、バックバンドを用意してノリノリで歌いまくしまう。どこか子供っぽいし、人生を全力で楽しんでるんです。だからこっちも楽しい気持ちになれる。しかもそもそも今回の大冒険も……、とトラブルまでエンジョイしちゃうという。カートラッセルほんとピッタリだったなぁ。歌声も好き。ちなみに奥さんの役でリアルパートナーのゴールディ・ホーンが演じています。

チンピラみたいな人にプレゼントやテディたちがやられそうになった時もけっこうきついお仕置きしてたのが「ホームアローン」を彷彿とさせましたし、箱の中身が石炭に変わってたのは「悪い子」だからか、とニヤリ。仲間だと嬉しいけど、正直あの数のエルフはちょっと気味悪い気もしますね。僕小さいものが大量にいるってのが苦手なのかも(笑)

いくつものピンチを切り抜けながらも、信じる心とチームワークで見事やり切ってしまうのはさすがファミリー向け作品で割と予想通りだったのですが、その後のね、テディへのプレゼントとか最後まで泣ける展開にしてくれてそこも満足感高いんですよ。一番この一夜で成長してるし、見てるこっちも肩入れしちゃう。天真爛漫な妹にも癒させるんですけどね。あえて主人公を選ぶならやっぱりテディだったかな、と。


ソリで夜の空を縦横無尽に駆け巡ったり、ミュージカルシーンがあったり、あるいは魔法全開だったり。ストーリー以外にも見応えがあって、ほんと家族向けとして「こういうのが良いんだよ」って心から思える映画でした。18年なのになぜこんなに見ないで来ちゃったのか、勿体無かったなぁ。前述の通りパート2も昨年より配信中ですので、セットでどうぞ。(もしかしたらそちらも紹介するかも。)


Netflixにて吹き替え版で視聴。

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