おじいちゃんはデブゴン / レジェンドアクション俳優サモ・ハン主演。中央警備局を退役しひっそりと暮らす66歳。親しくしていた近所の父娘がピンチになり、中国マフィア、ロシアンマフィアと戦うことに。

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デブゴンシリーズなどで知られ、ブルー・スリー、ジャッキーチェンと同様香港映画界のレジェンドであるサモ・ハン(・キンポー)が主演を務めたカンフーアクション作品。近所に住む父娘がトラブルに巻き込まれ、救い出そうと奮闘する老人の奮闘を描く。
かつては人民解放軍中央警衛局に所属し、要人警護に当たっていたディン。66歳となって認知症の症状も出てきた彼は故郷の村でひっそりと暮らし、孫のような年のチュンファらと過ごしていた。金に困っていた彼女の父がマフィア相手にトラブルを起こしてしまったことで二人に危険が迫り、ディンは必死で守ろうとするが……。
アンディ・ラウ, ジャクリーン・チャン, ユン・ピョウ, ユン・ワーら共演。

あらすじ
人民解放軍中央警衛局を退役し、故郷の村でひっそりと生活している66歳のディン(サモ・ハン)。要人警護で活躍していた彼も認知症と診断され、物忘れがひどくなる中で隣家の少女チュンファ(ジャクリーン・チャン)との触れ合いを心のよりどころにしていた。ある日、彼女の父親が中国マフィアにロシアンマフィアからの宝石強奪を任されるも、宝石を持って逃げてしまう。両マフィアの魔の手がチュンファに迫るのを察知したディンは、彼らとの闘いを決意するが……。(シネマ・トゥデイより)


恥ずかしながらアクション映画はジャッキーチェンの有名どころ(特に最近の)をいくつか見ている程度で、サモハンキンポーさんも名前こそ知ってるもののちゃんと認識するのはこれがはじめて。どうやら「燃えよデブゴン」がきっかけで彼の主演作にはデブゴンという邦題がつくことが多く、この作品自体はどれかの続編とかそういうことじゃあなさそう。ほんとその程度の知識しかありません。イップマンシリーズとか、武術監督としてさまざまな映画に携わってたものの監督・主演となると20年ぶりらしい。

上記あらすじの通りチュンファのためにかつての凄腕警備隊員がマフィア相手に戦うというシンプルな題材ですが、彼の実際の孫を救えなくて娘と疎遠になっているとか、認知症が進み物忘れがひどいという設定があるのでなかなかシリアスなシーンも多いです。中盤あたりでチュンファがいなくなってしまうことで悲壮感がましますし。

それも序盤の方の一緒にアイス食べたり、釣りしたりっていう何気ないけど微笑ましくて幸せそうな毎日を描写されたあとだからこそ辛いものがあって、孫に重ねて家族同然だった彼女がいないことがどれだけディンを苦しめたか、そして「今度こそ絶対に救うんだ」って奮い立たせてるかが痛いほど伝わってきます。こういう『おじいちゃんが本気出して活躍する』系統もパターンの一つとして見かけますけど、トップレベルで重たい空気でしたね。

コミカル要素が全くないわけでもなくて、美女がめっちゃ大きいイビキしてたり、ユン・ピョウら友人3人組のボヤキ、ディンさんに猛アタック中の大家さん、結婚式のご祝儀がたくさんなどなどクスッとするものもあります。基本ディンは無口なので彼自体がおかしいってのは少なめ。認知症のあれこれも笑うに笑えないし。ちなみに吹き替えは水島裕さんで、同じく60代、燃えよデブゴンの頃からずっと専任だそうです。チュンファの父との会話とか、キリッとした喋りが普段とのギャップでかっこいいというか只者じゃないオーラがすごかった。

なんといっても1番の見どころはアクションですが、マフィア相手にカンフーで立ち向かってく姿はとても魅力的で、アクション監督を務めてるだけあって見せ方がうまい。特に最初の方で撃退したシーンは「いつ本気出すのかな」っていう期待がずっとあった中で超テンションあがりました。さらに今回は相手が殺す気でかかってくるから仕方ないし、怒りに燃えてるとはいえディンも倒すといより殺すってところまでいってるのが、予想してたよりもなかなかエグい映像でしたね。それにしたってあの数相手に一人で戦うのすごすぎる。フィクションでよくある、「仲間が駆けつけたら死体の山、あいつがやったのか?」的なシーンを、ちゃんと戦闘シーン込みでやってくれるという。予告編だと1分30秒あたり、床にご注目。
そのラスト付近のバトル描写はスピードはそこまでじゃないのに早送りで見てるようなエフェクト?がかかってて、なかなか珍しいなぁと思いました。他にもチュンファの父の逃走劇だとか、逃げるマフィアと警察のカーチェイスなどなどアクション要素盛りだくだんなので満足。

ただ一個疑問というかもやっとしたのは結末。今までのナレーションの正体がわかって、ハッピーエンドなのは間違いないんですけどね。ディンも我々も散々悲しませといてそれなのかよ、っていう気持ちになってしまいました。ありがちでもいいから『おじいちゃんが無双して無事にチュンファは救えました。終わり』で良いのでは?と思ったり。あくまで個人的な感想ですけど。

基本的にディンがかっこいいのは間違いなのと、アクションを堪能できますので僕のようにデブゴンシリーズとか見たことないよ、って人でも見やすい作品かなと思います。


アンディラウは井上和彦さん。チュンファは春名風花さんが担当してます。
WOWOWで吹き替え版を録画(2018年)、視聴。





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