マリーゴールド・ホテルで会いましょう / イギリスからインドへ移住してきたシニア世代の男女。宣伝文句からは考えられないほど発展途上なホテルや異国文化に戸惑いつつも、彼女たちは少しずつ変わっていく。

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「恋に落ちたシェイクスピア」などのジョン・マッデン監督が、ベテラン俳優陣を揃え、インドの高齢者向けホテルを舞台にして製作したコミカルな群像劇。原案はデボラ・モガーの小説『These Foolish Things』。ジュディ・デンチ、ル・ナイ、マギー・スミス、トム・ウィルキンソンら豪華共演。
高級ホテルで余生を過ごそうという宣伝に影響され、イギリスから移住を決めた7人の男女。飛行機のトラブルなどを経てたどり着いたその場所は想像以上のオンボロ。慣れない料理、文化、そして初対面ながら共同生活を始めることになった同居人たちなどに戸惑いつつも、それぞれ少しずつ変化が起き始める。後に続編も製作された、元気をもらえる映画。支配人役にスラムドッグミリオネアのデーヴ・パテール。
あらすじ
「マリーゴールド・ホテルで、穏やかで心地良い日々を-」という宣伝に魅力を感じ、イギリスからインドに移住してきたシニア世代の男女7人。夫を亡くしたイヴリン(ジュディ・デンチ)をはじめ、それぞれに事情を抱える彼らを待ち受けていたのは、おんぼろホテルと異文化の洗礼だった。そんな周りの様子を尻目にイヴリンは、街に繰り出しほどなく仕事を見つけ……。(シネマ・トゥデイより)


予告動画でわかる通り、シニア世代が主人公の、「青春」群像劇をコミカル要素たっぷりに描いた作品なのでかなり明るく、また同時にグッとくるシーンもあったりして、大好きなタイプの映画。個人的なことを言うとこの作品の続編「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章」をテレビで録画しており、そこから1作目を見る機会になかなかありつけずようやく見れまして。その数年越しの期待を裏切らない面白さでした。

出てくるキャラ全員魅力的というのがすごくて、日記をつけていることで心境の変化が分かりやすいイヴリンや、唯一インドで過ごした経験があり、ある人を探しているグレアム。いつも威張ってて怖い奥さんジーンに責められながらも誰にもでも優しいダグラス。ロマンスを求めてきたマッジとノーマン、そして毒舌家のミュリエル。このマギースミス演じる車椅子の女性は典型的な意地悪系イギリス人キャラかと思いきや、ちょっとずつ柔らかくなっていく姿がとてもいいんですよね。色んな人に噛みついてるように見えてしっかり見ていて。だからこそ言葉が通じない人たちと心が通い合っていった。特に自分の半生について語るシーンはなんとも言えない切なさがありました。

ホテルの支配人のソニー(デーヴ・パテール)もちょっと抜けてるものの憎めないキャラクター。入居者たちも、彼の頑張りっぷりに絆されてなんとか耐えたという印象。「おいさき短い」とかデリカシーのないことをさらっと言っちゃうし、かなり失礼なんですけど悪意がないのでみんな許しちゃう。彼と母親、彼と恋人との関係性の変化も劇中大きな要素を持ってまして、押し付けがましくない程度にだけど彼にとって的確にアドバイスして応援していく入居者の姿がとても印象に残ってます。ある意味孫みたいな存在になってるんでしょうね。他のメンバーもロマンス的な要素はありますけど、やはり大人の恋って印象で分かりやすいラブストーリーとしては彼が担当してた気がします。

そうそう、主役がシニア世代なので彼らだからこその悩み、抱えてる事情があるのも良かったです。例えばただの色ボケ爺さんに思えた(笑)ノーマンが変な見栄を捨ててさらっと「だた寂しいんだ」って言うところもしみますし、長年連れ添った妻に耐えるのも辛いけどだからと言ってなかなか行動起こせないこと。終わりが近づいてるからこそ後悔はしたくない、でも急な変化は怖い。というのは僕らでも十分想像できて、とても共感しました。心残りという意味だとやはりグレアムのエピソードは泣けます。あえてインドという「外国」を舞台にしてる意味がより際立ってますし、なんか最近見た「台湾の新幹線」とかを思い起こさせました。会えないままずっと離れて過ごすのって余計に辛いですよね。だからほんと良かった。

笑うところは笑う、泣かせるところは泣かせるという、ツボをわかった作りでしたし、そこまでファンタジーでもないものの、人の優しさが起こす化学反応だとかどこかおとぎ話風でもあって前述の通り期待以上の面白でした。それも全てベテラン出演陣の演技が光っているからで、気難しそうなマギースミスぴったりだなとか、おどおどしてるビルナイ新鮮だな、とかそういう部分も楽しめました。

2作目は2016年に録画していて、ようやく見ることができます。なんと新キャラにリチャードギア。あえて1作目だけ先に紹介しましたが、途中まで見た今の段階で相変わらずの面白さですので、2作合わせてお勧めします。

(1作目は)huluにて吹き替え版で視聴。






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