ウィッチサマー / 森に潜む魔女(?)が日常を侵食していく青春オカルトホラー。父親と過ごすことになった17歳のベン。隣人の子供が突然いなくなるなど不可解なことが起き始め、なにか恐ろしいものが存在してると疑うのだが……。

ブレット・ピアース、ドリュー・T・ピアースという兄弟で監督脚本を手がけたサスペンスホラー。邪悪な魔女によって人々の生活が脅かされていく恐怖を描く。主演はジョン・ポール・ハワード。
両親が離婚し、父親と過ごすために水辺の街にやってきた17歳のベン。隣の家には小さい子供がいる家族だったが、そのディロンから「母の様子がおかしい」と打ち明けられ、ほどなくして彼は消えてしまう。しかも親たちはその存在すら覚えていない様子。不審がった彼は注意深く観察するが、そこには森からやってきた恐ろしいものの影響があった。低予算ながら6週連続1位で大ヒット。
共演はパイパー・カーダ、ジェイミソン・ジョーンズ、アジー・テスファイ



あらすじ
17歳の少年ベンは、両親が離婚し父親と過ごすことになる。ある日、4人の家族が住んでいる隣の家から、少年のディロンが母親の様子がおかしいと訴えてくる。隣家の様子が変だと思ったベンは、窓から監視を始めるが、父親と母親はいつも通り生活していた。しかし、隣家で暮らしていたはずのディロンの姿がある日突然消えてしまう。(シネマ・トゥデイより)


監督脚本の兄弟は、過去作の「ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春」はこのブログでも紹介していて、( http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/418199819.html ) 個人的にもゾンビものの中でもかなり上位に来るくらい好きな作品。今回はオカルトホラーですタイプこそ違いますが、そこに青春要素が加えられてて面白かったです。圧倒的にこちらの方がシリアスですが。

何かで「サムライミも絶賛」って評価を見た気がしますが、確かに彼の映画っぽさありました。ウィッチってついてて魔女を扱った作品ではあるものの本格的に「異形のものとの戦い」が描かれるのはわずかで、メインとなるのは【何か良くないことが起きている】という不気味さ、全体的なトーンがサスペンスとして秀逸で、どうなっちゃんだろうという緊張感が心地よかった。

主人公のベンに何かが起こる、あるいはそれに気がつくのはかなり後の方で、序盤はお隣さんがメイン。双眼鏡でのぞきながら固唾をのむというのはある意味で映画を見てる我々と同じ立場で、それによってシンクロしてくんですよね。何を捨ててるんだろう?とか。挙動がどうも普通じゃないな、とかね。夫婦が愛し合うのを覗き見しちゃいそうなタイミングで誰かに声をかけられたり、ホラーあるあるの「ビクッとさせられる」演出もあります。

そういうふうに17歳の年相応っていう青春要素があって、バイト仲間の女の子マロリーといい感じになったり、同年代の飲み会で美女の下着に釣られて馬鹿にされたりと怖さ以外のシーンもあるから緊張しすぎて疲れるってこともないのが良かった。まあそうやって一時的に忘れてても、実際のところ少しずつ浸食されていってるんですけどね。今度はマロリーの身に危険が……。

人間が突然消えて、家族はその存在が初めからなかったかのように記憶からも消えるってのが怖いですよね。単純に何かに寄生されて乗っ取られるとかだけよりも怖いし、相談しようにも自分がおかしくなったと思われちゃう。邪悪な存在「闇の母」についてネット検索して対策を講じるも、かなりの孤軍奮闘。こういう映画はバッドエンドありえるからね。怖いです。

少ないながらグロ描写も多少あって、人を食べてるような演出や、おどろおどろしい「鹿の遺体」。そういったものの「内側から何かが這い出してくる」というのは生理的な嫌悪感をもよおしてなんともキモかったです。白目剥いて髪振りかざしてくるタイプだとなんか笑えてくるんだけど、そういうのじゃない。この映画の魔女はほんと嫌でしたね。

「花が枯れる」という設定が結構生かされていて、それによって近くの人間が危険だと気がつく流れが良かったし、映画ラストのシーンも「ということは?」って思えるようなってるのがにくい。もちろん細かいツッコミどころもないわけじゃないけど、気にならないレベルで満喫しました。でもなんといっても終盤に明らかになる事実、それまでの違和感の伏線回収が気持ちよくて。予想できた人も多いと思いますがそこもこの映画の魔女だからこそ成立してたなぁと。お楽しみに。

95分なので割とサクッと見れますし、R指定もないからホラー苦手じゃなければ大丈夫だと思います。
アマプラで吹き替え版視聴。

22年6月現在、字幕、吹き替えともに見放題対象です。

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