THE WITCH／魔女－増殖－ / 遺伝子操作による超人的な暗殺者研究所。そこから一人逃げ延びた少女はとある姉弟に出会い人間的な生活を始めるが、その命を狙うものたちが。複数の陣営入り混じり戦いは熾烈なものに。韓国産ファンタジーアクション、待望の続編: 映画感想.net ～映画ファン「きよ」のオススメ作品紹介～

2024年04月26日 19:00

THE WITCH／魔女－増殖－ / 遺伝子操作による超人的な暗殺者研究所。そこから一人逃げ延びた少女はとある姉弟に出会い人間的な生活を始めるが、その命を狙うものたちが。複数の陣営入り混じり戦いは熾烈なものに。韓国産ファンタジーアクション、待望の続編

大ヒットした韓国産超能力バイオレンスアクション映画の第2作。研究によって超能力を持て生まれた少女を取り巻く戦いを描く。R15+指定。
韓国チェジュ島にある研究所が何者かたちに襲撃されほとんど壊滅。たった一人逃げ延びた<少女>は、とある女性が誘拐される現場に居合わせ助ける。彼女とその弟と共に生活するようになるが、研究所のてのものや、襲撃した者たちがそれぞれ少女を追っていた。三つ巴の戦い。遺伝子研究「魔女プロジェクト」で超能力を持つものたちの想像を超えた戦闘シーンは必見。
主演をシン・シア。監督脚本をパク・フンジョン。
パク・ウンビン、ソ・ウンス、ソン・ユビン、チン・グ、チョ・ミンス、イ・ジョンソク、キム・ダミら共演。
あらすじ
済州島にある研究所“アーク”が謎の集団に襲われるが、ひとり生き残った少女は遺伝子操作で超人的な暗殺者を養成する“魔女プロジェクト”の実験体。初めて研究所の外に出た少女は、牧場主の女性ギョンヒとその弟デギルのもとに身を寄せ、人間らしい生活へ。だが“魔女プロジェクト”の創始者は少女を抹殺すべく、チョ・ヒョンら工作員のチームを送り込み、さらに“アーク”を壊滅させた超能力者集団や地元犯罪組織も現われ……。(WOWOW番組詳細より)

参考1作目のレビューはこちら
The Witch／魔女 / 特殊施設で育てられたが脱走して田舎の酪農家の元でごく普通の少女として暮らしていた高校生ジャユン。家計を助けるためオーディション番組に出たことで組織に見つかるも、彼女の能力が覚醒して……。
http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/THE-WITCH-PART1.html

最初ちょっと1作目のお話を細かく思い出してなくて混乱しかけましたが、映画冒頭は割と過去の回想が描かれているので超人的な人間が生まれる経緯みたいなのが少しずつ見えてきたという印象。前作は「主人公は突然能力に目覚めた少女」というわかりやすさがありましたが、今回は主人公が出てくるのはそれらが終わった後。

名前すらない「少女」は襲撃を受けたアーク研究所での唯一の生き残りで、この子がメイン。めちゃくちゃ力を持ってるけど外の世界、普通の暮らしを知らない彼女がとある姉弟の家に身を寄せて、いろんな初めてに触れていく。食べたことないものだらけで感動して、試食コーナーをはしごしまくるシーンなどちょいちょいギャグシーンもあって楽しかった。いわゆる【悲しきモンスター】系の王道って感じで単純にこの子のストーリ一本でも十分に面白かった。そもそも拉致されそうになってたのもあるしトラブルを抱えているんだけど、それを主人公のパワーで撃退していく。超強いことがバレて焦る姉と、「マジでかっけぇ!」「動画にして広告収入得ようぜ」ってなる弟との温度差も笑った。

しかし邦題サブタイトルの「増殖」でも示す通り、超能力持ち人間がバンバン出てきます。男女コンビで仕事として色々やっている二人、どちらかといえばこっちの方がまだ正義に近い、主人公とも分かり合えそうな印象を受けるんですが、問題は<土偶>と呼ばれる元・研究体。序盤で研究所を襲撃した彼らは唯一の生き残りである主人公のことも抹殺しようとしてるのでもうわかりやすいくらいにザ・敵です。

映画後半にかけてはその3つ＋姉弟を狙うヤクザみたいな奴らが一堂に介して乱戦って感じになるのですが、もうパワーが桁違いだしテレキネシス(物体を中に浮かす)や回復能力あるからドラゴンボールとかマンオブスティールみたいな戦闘で迫力ありすぎ。「花火に乗じて〜」っていう作戦だったので背景で綺麗に鳴り響く中で結構グロっていうかバンバンやられていくからね。

1作目の焼き直しにならないように主人公の戦闘はほとんど描写されなかったのですが、このラストバトルでは圧倒的な力の差を見せつけててすごかったしせっかく人間らしい生活ができてたのにそれを壊されたことでの悲しみとかが乗ってるからね。でも二人にあってやっと感情というものを知った、表に出せるようになった的な感じだから無表情というか淡々としたオーラを纏ってるから相手からしたら怖いと思う。ほんと蚊が飛んでたから退治しなきゃ見たいな感じ。

その意味ではクールというレベルを超えた空気感今作の主演であるシン・シアさんもぴったりの配役だったと思います。わかっていましたが最後の最後で前作の主役ジャユンも出てきますのでそこも盛り上がりポイントかな。
ゲスト出演のイ・ジョンソクを含め、現在そして過去のアーク研究所周り、その派閥などなど超能力を持った人だけでなくその経緯とかも少しずつ見えてきてこの一連作品がグッと広がった2作目。ジュアンであったことで少女はどう影響を受けていくのか。次も非常に楽しみです。

少女を救ってくれたギョンヒはサポートが少ない中でも懸命に生きてる女性って感じで精神的な強さを感じましたし、カッコよかった。この人の存在があるので、少女はジュアンほど冷酷じゃなくなりそう。価値観の違いが出てくるんじゃないかと思います。

R15+なので血とか欠損とかありますが、大迫力のバトルは必見ですので1作目共々アクションサスペンスファンにおすすめ。

字幕版を録画、WOWOWオンデマンドで吹き替え版を視聴。
おそらくWOWOWでの吹き替え初放送は5月なんですがオンデマンドはすぐに配信してくれて助かる。