THE UPSIDE/最強のふたり ( 人生の動かし方 ) / フランスの名作映画をハリウッドリメイク。首から下が動かせない白人お金持ちと、介護人の黒人男性との交流を面白おかしく描く。ケヴィン・ハート&ブライアン・クランストン(BrBa)主演

フランスで制作され大ヒットした映画「最強のふたり」をハリウッドリメイク。首から下が動かせない車椅子ユーザーの富豪と、彼の介助人となった男性との交流を描く。主演は先日紹介した「ミータイム」ケヴィン・ハートと、これまた名作ドラマ「ブレイキング・バッド」主演のブライアンクラストン。
就職活動をした証拠として内容も知らずに面接にやってきた黒人男性のデル。そこにいたのは富豪だが首から下が動かない車椅子のフィリップだった。他の候補者が決まりきった言葉や人助けに燃える良い人ばかりの中で明らかにデルは浮いていたが、フィリップは気にいって彼をお試し雇用することに。反対していた秘書のイヴォンヌの予想通り、ほとんど介助人としての役に立たないデルだったが特別視しすぎたり、フランクに彼に悪事を勧めるなど両者にギャップがあればこそ友情が強まっていく。あまり人を寄せ付けないフィリップも変わっていくが……。
秘書役にニコール・キッドマンら共演。
素晴らしいストーリー、オリジナルを見た人もリメイクとの違いを楽しめる名作映画。
あらすじ
スラム街で生まれ育った黒人男性のデル(ケヴィン・ハート)は仕事をしておらず、妻子からは愛想を尽かされてしまう。あるとき彼は、車椅子で暮らしている白人の大富豪フィリップ(ブライアン・クランストン)の介護人になる。フィリップの秘書のイヴォンヌ(ニコール・キッドマン)らは、教養もスキルもないデルを起用することに強く反対していた。しかし二人は、周囲の心配をよそに充実した毎日を過ごすようになる。(シネマ・トゥデイより)


ハリウッドリメイク作品に共通して言えることですが、わざわざそういうものが作られている時点でもう「素晴らしい作品」なのは確定しているわけで、あとはそれをどうアレンジしてくるか、どう違いを持たせるかというのが見どころだと思います。(ただ俳優を変えるだけでもそれはそれでいいのですけどね)僕自身も9.10年前に見たきりでしたが、オリジナル版も各種サブスクにあるのでおさらいしたり、あるいはこっち見た後にまた見返して違いを楽しむのもありだと思います。

そのオリジナルがかなり有名なので仮に見ていないという人も「なんとなくこういう話ですよ」ってのは知ってるかもしれませんが、凸凹バディものと似た良さ、価値観や境遇の違う二者が交流して友情を育むという王道といえば王道なので初見でも割と予想しやすいストーリー展開と言えるでしょう。ただデルの行動が割とやりすぎ感あるんで、良いのかよ!ってゲラゲラ笑っちゃうんですけど。

これはどちらも共通してますが、最序盤のツカミがすごい。冒頭にスーパーカーで飛ばして警察に追われ「病院に行くところだ」って嘘をついてなんとかやり過ごす。その芝居にフィリップ自身も付き合ってくれるわけで。当然これはふたりが知り合った後の話なのですが、じゃあどういう出会いだったのか?と思わせる。もう釘付けです。

ケヴィンハートをキャスティングしてる時点でそういう役割なのは当たり前ですが、とにかく言動が面白くて。一部下品なものも含みますがアメリカのコメディって感じで笑ってました。お風呂でボロボロになるところや、オペラでのやり取りが特にお気に入り。予告動画でもフィリップが爆笑してますが一緒にハッパをやるなんていう危険行為も。

一方フィリップも「ブレイキングバッド」のウォルター役ブライアンクラストンなので(10月中旬、ついにファイナルシーズンに入りましたよ) 心に憂いを抱えた割とお堅い人っていうイメージがまた似合っていて。一方でデルと過ごすうちに少しずつ柔らかくなっていくのがすごく素敵だった。あとは文通相手のことになるとどうしていいかわからなくなるのもとても可愛らしい。この辺の設定はリメイクで変わっていますのでご注目ください。

あと好きだったのはブチ切れるシーンで、癇癪を起こしたくてもできないっていうのを感じ取って代わりに出るが暴れるところがすごく良かった。あのまま喧嘩になるかと思いきや、逆に何よりの理解者だったんだって感じがして。怒ってるのか笑ってるのかわかんなくなっちゃう感じ。ふたりの関係性を象徴するシーンだった。なんていうか素直でいられる相手って大事ですよね。

ニコールキットマンという美人を出しておいて、変にラブロマンスに持っていかないのも好印象だった。そういうのを超えた友情。彼女もまた最初こそデルを認めてなかったけど、フィリップのああいう顔、姿を見てたら変えられるのはこの人だけだって思うのも無理ないし、彼同様に本当の魅力(たまたまひどい環境だったけど)ってのが分かっていたのだと思う。ただのおふざけマンじゃないのがいい。

ふたりに距離ができてる間にやってたこともなかなか良くて、出るにとってもまたフィリップとの出会いはかなり影響を与えてるんですよね。それから意外な才能のこともあるし。あれはちょっと物事が上手くできすぎてる気もしましたが、「援助」ではなく自分の力でお金を得られた流れは割とよかった。(お金があるなら奥さん戻ってくるのか、っていう野暮なツッコミはなしで)

全体的に優しい世界で、見てるこっちも幸せな気持ちにさせてくれる映画だった。元なった実話もそうですが、単に利用者(雇用主)と介助人じゃなくて、人間同士の「親友」になっていく過程がとても好きです。
人生を良い方向に上げてくれる、UPSIDEというタイトルにも納得。アマプラ独占配信に際しての邦題が「人生の動かし方」と違っていますが同じ映画なのでご注意を。

Amazonプライムビデオにて吹き替え版で視聴。

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