成功したら刑期短縮という条件で極悪人たちのチームを作り、半ば脅される形でリーダーとなった最強スナイパーのブラッドスポット。首には爆薬を埋め込み、任務に背けば爆発。もちろん失敗しても死亡。という危険なミッションに向かう彼らは自殺部隊(スーサイド・スクワッド)と呼ばれた。最初の任務は先発隊との合流なのだが、僅かに生き残ったのはハーレイともう一人の男のみだった。
R指定でこれでもかと過激な映像てんこ盛り。ハイテンションとユーモアで突き進む、ポップなアメコミ映画。
イドリス・エルバ、ジョエル・キナマン、デヴィッド・ダストマルチャンら豪華共演。
あらすじ
クレイジーなハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)、最強スナイパーのブラッドスポート(イドリス・エルバ)、敵をチーズに変える能力を持つポルカドットマン(デヴィッド・ダストマルチャン)ら凶悪な犯罪者たちを集め、特殊部隊が結成される。彼らは成功すれば刑期短縮、失敗すれば即死、命令に背けば首に埋め込まれた爆弾で殺されるという命懸けのミッションに挑む。(シネマ・トゥデイより)
R指定というのは知ってはいましたが、アメコミ映画の中でもトップレベルにグロいんじゃないでしょうか。単純に体が吹き飛ぶ、血飛沫、っていうスプラッター的なグロさもあるんですが、個人的には大量のネズミのシーンとか、後半に登場する「カイジュウ(予告動画での呼称)」の生態がなんというかゾワゾワしました。いろんな要素が確実に夢に出てきそうなインパクトです。
とはいえジェームズガン監督なんで、基本的にはめちゃくちゃ明るく、それでいてアクションの見応えはバッチリ。悪役とはいえ地球のピンチに立ち向かうヒーローチームが立ち向かうっていう映画としてめちゃくちゃ面白かったです。1作目の「スーサイド・スクワッド」とは独立しているものの、「彼氏と別れた」設定など「ハーレイクイン華麗なる覚醒」とも矛盾なく繋がっていて、自由になったけどまた捕まってしまったんだな、とか思っておけばOK。
先発隊、というか捨て駒、というのか予告動画で大量のメンバーが写ってるシーンは最序盤の上陸作戦にのみ登場し、残念ながらその多くが無残にやられてしまいます。ここの圧倒的な暴力描写で悟りますよね、「あ、これ結構グロいんだな」って。公開当時、TDKを『手・で・攻撃』って訳した人がすごいってTwitterで見ちゃったんですが、面白い能力者結構いたんですけどね。イタチとかもシュールだった。生き残ったのはハーレイたちだけ。死にゆく仲間に託される形で槍を受け取り(僕の聞き間違いではなければ日野聡さんだった) 劇中での彼女のメイン武器としてかなり活用されていました。
メインとなるのはブラットスポートら後発隊で、このキャラ全員やばかった。色々変形する武器のエキスパートと、同じく歴戦練磨の凄腕傭兵。ネズミを操れる少女に、全身から水玉を放出(これ以上の表現ができない)する気弱な青年。さらには知能を持ったサメ男。と、とにかくぶっ飛んでるんですよね。ちなみにサメ男をシルベスタースタローンがやってるという無駄遣い。とある国でクーデターが起きた結果、アメリカとして脅威になり得るからそれを解決してくることと、研究施設の件。そして囚われた先発隊の救出が任務となるわけですが、それはもうバンバン殺します。どっちが強いか張り合うように、さまざまな武器、殺し方。この二人の対立は後々の伏線にもなってるのですが、罵り合いも(下品ですが)笑えます。一応お互いの実力は認め合っている感じ。
チームメンバー間の関係性も面白んですよね。例えばラットキャッチャー2とブラットスポートはどこか父と娘みたいな部分もあるし、それでいて彼はネズミが苦手。ウジウジしてるポルカドットマンもダメな末っ子ぽくて、みんな見捨てずにフォローする。「敵を母親に見たてろ」って力を発揮させるコツが分かってからも良かった。あの水玉地味に攻撃力えげつないんですよね。危ないといえばナナウエは人間をナムナムしちゃう(食べちゃう)から同士うちとかも不安でしたが、ちゃんと【友達】として貢献してたのほんと癒された。爆弾で人形遊びするの大好き。
研究所付近でカラフルなクラゲ?との戯れるシーンがあるんですが、ここもまたショッキングな映像なのでご注意を。この作品のパターン的にちょっと予想できてたとはいえ、ああいうのも苦手だなぁ。めちゃくちゃ痛そう。全編を通じて癒しキャラでしたね。ぬいぐるみとかあったら買いたい。
ハーレイクインはやっぱり別格で、彼女にスポットが当たるシーンの割合は他のメンバーよりも多いです。ラブロマンス要素ががっつりあって、今度こそ幸せになるのかなと思ったところでクソ野郎っぷりが発覚。そこからの決断の速さはびっくりしたし衝撃でしたが、彼女の気持ちを思うと切ない。そういった悲しみをぶつけるかの如き脱出シーンの無双はめちゃくちゃスカッとしました。赤いドレスのところです。ここもバンバン人がやられていきますが、お花満開のエフェクトが出てくるので緩和されているかも。華麗なる覚醒で鮮やかな煙が出てたのを彷彿とさせますね。
最終盤にも槍を使った活躍があって、そこにつながるかーとなかなかエモかったです。戦闘力は高いし、自分というものを持っててますますかっこよかったし、みんなで尋問してる時に参加して「咳エチケットをしなかったらお前は死ぬ」って真顔で言ってたりとちょっとズレてるのもまた魅力的でした。
予告でチラッと見えちゃってるのでネタバレしちゃうと、研究所に隠された巨大ヒトデ。これがまあ凶暴でしてね。一般市民にも危険が及んでしまう。そこで任務とは関係ないからって静止されたのにも関わらず立ち向かっていくのがすごい。これが悪党であると同時にヒーローという所以ですよね。そこに至るまでにも本当の任務というか、アメリカに都合のいいこと、と世界のためとの矛盾での意見の相違が出てくるし、やはり主人公チームは性格がいい人ばかりだった。
こんな凶暴な相手にどう立ち向かうんだよ、って状況下でもチームワークと「そんなのあり?」でやってしまう(しかもそれを見てるこっちが受け入れられるう)という最後はきちんと正義が勝ってくれる気持ちよさがあって良かった。どのキャラも見せ場があったし、ハーレイ以外は初登場の割にどんな性格かとかまで掘り下げられてて感情移入しやすかったです。雨の中を並んで向かっていくシーンも印象的。映像表現に関しても、怪獣バトルといった想像を超えるダイナミックなものから、人間VS人間のバトルをヘルメットの反射に写して描写するなど緩急で別の緊迫感を出してて見応えありました。
過去のDCEU作品同様、クレジットの後におまけ映像があります。どうやらあのキャラクターのスピンオフドラマが制作されているようで、そちらも楽しみ。この作品自体の続編も全然可能性あると思いますからね。まあジェームズガン監督はしばらくマーベルの方が忙しいと思いますけど。
最初に触れた通りR指定なので過激な映像がバンバン出るんですが、そこさえ平気だよって人は頭空っぽにして楽しめるお祭り映画だと思いますので、ぜひぜひ。
DMMさまからクーポンを頂きまして、48時間レンタル、吹き替え版で視聴。スチールブックの予約に出遅れたので買えませんでしたが、いずれBlu-rayを購入するつもりです。
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