ラーメンガール / 恋人を追って日本にきたアメリカ人女性アビー。一杯のラーメンと出会い魅力に取り憑かれた彼女は、その店で修行させて欲しいと頼み込むが……。西田敏行ハリウッドデビュー作。

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この映画の撮影1年後に若くしてこの世を去ってしまったブリタニー・マーフィー主演。アメリカ人アビーが日本でラーメンに出会い、西田敏行扮する頑固な店主とぶつかりながらも修行に明け暮れる日々を描いたヒューマンドラマ。
日本でも舞台の演出などを手がけているロバート・アラン・アッカーマンがメガホンを取っているおかげか、ハリウッド作品ながらほとんど違和感ない日本の描写。西田に加え余貴美子、石橋蓮司、山崎努、石井トミ子、岡本麗ら日本人キャストが多数出演。
あらすじ
恋人を追って日本に来たのに、体よく振られてしまったアビー(ブリタニー・マーフィー)。そんなアビーを救ったのは、一杯のラーメンだった。アビーはラーメン店で修行をすることを決意。しかし、店主マエズミ(西田敏行)は酒飲みで短気、アビーに雑用ばかりを命じる。ある日、ラーメンの達人(山崎努)がアビーの味を認めてくれないと店を辞めるとマエズミが言いだし……。(シネマトゥデイより)


職人気質の頑固オヤジにどんなに厳しく当たられても頑張ってラーメン作りに励むアビーの奮闘ぶりがとても可愛らしく、応援したくなるストーリー展開。どちらかというとスポーツ根性ものの面白さに近いものがあります。当然ですが文化の壁、言葉の壁、みたいなものもメインの要素としてあるのですが、意外というかビックリだったのは最後の最後までほとんどお互いの言ってることが理解できなかったこと。
一応アビーは辞書を持ち歩いてるし、単語いくつか自体は調べつつといった、多少の歩み寄りはあるんですが、ほとんど一方的に怒鳴りつけて、「何いってるかわからないよ、ちゃんと説明してよ」って感じの繰り返し。でも話してる言葉の意味がわからなくても、伝えたいこと、大事なことはちゃんと届いてて。ラーメン作りを通して二人の絆が深まっていくって流れがグッときました。
見よう見まねで作ったスープをほとんど味見もせずに捨てたりとか本人の前では厳しいのに、上記あらすじにある通り、自分の師匠(山崎努)にラーメンを評価してもらえる自信があるとライバルに宣言したり。それだけ本気でアビーを仕込もうとしてたし、また成長できると信じてた証拠なんですよね。こういう「不器用なかっこよさ」をちゃんと描いてて、良さを分かってくれてるんだなぁって日本人としては嬉しかったです。

エントリ冒頭で書いた通りほとんど違和感なかったですよね。あえていうなら部屋に日本人形や和服を飾ってあるところとかですかね。お祭りのシーンもそうですが、ターゲットとしてはアメリカ他でありつつも、日本人が見ても十分面白く作ってある感じ。そうそう、僕はテレビ放送の録画で視聴しましたが、アビーやその恋人らの会話は字幕、日本人キャストはもちろん日本語というスタイルでしたが、英語圏にとっては逆なんですよね。西田さんの喋ってることの方が字幕で表示されるという。結構アドリブかな?っていうシーンがあったのでどう映るのか気になります笑
前述の「会話がなりたたない」もある意味でギャグとして扱われてますし。

果たしてアビーが作るラーメンはどんなものなのか、って言うのは気になりましたが、結果的に言うとあまり主題にとっては重要じゃない感じです。アビーの恋人の行動もそうですが、「やりたいもの、夢を見つけたら、とにかく挑戦してみよう」って応援歌のような物語なので。最後の最後に彼女が作るラーメンの名前が判明するんですが、そこでまた爽やかな気持ちなりました。写真と言う形ですが、マエズミに何があったのかを予想させる演出もありましたし。

冒頭で少し触れた通り主演のブリタニー・マーフィーはこの作品の1年後に若くしてなくなってしまってます。応援したくなる愛くるしいタイプのキャラがとっても似合ってたので今後の活躍、日本の映像作品でのチャンスなんかもあったのかなぁなんてとても残念に思いました。

テレビ放送されたものを録画視聴。


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