プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 / 息子のために銀行強盗を繰り返した男と、彼を追い詰めた新米警官。二人の奇妙な因縁はやがて息子たちにも受け継がれ……。ライアン・ゴズリング&ブラッドリークーパー共演のヒューマンドラマ。

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『ブルーバレンタイン』のデレク・シアンフランス監督とライアン・ゴズリングが再びタッグを組んだヒューマンドラマ。もう一人の主人公をブラッドリークーパーが熱演。
バイクの才能に恵まれサーカスでショーをやっていたルークは、かつての恋人が自分に内緒で子供を産んでいたことを知り、何か父親らしいことをしたいと金を作ろうとして銀行強盗に手を出してしまう。運転技術もあっていつも逃げ切れていたが、ある日ついに追い詰められてしまい、新米警官エイヴリーとの対峙した結果、転落してしまう。ルークにもまた息子がいたのだが……。
事件をきっかけに絡んだ二組の父と息子の運命。そこが向かう先は、果たして。静かに胸を打つ感動作。
エヴァ・メンデス、レイ・リオッタら共演。
あらすじ
天才ライダーのルーク(ライアン・ゴズリング)は移動遊園地でバイクショーを行う刹那的な日々を送っていたある日、元恋人ロミーナ(エヴァ・メンデス)と再会。彼女がルークとの子どもを内緒で生んでいたことを知ると、二人の生活のためにバイクテクニックを生かして銀行強盗をするようになる。ある日銀行を襲撃したルークは逃走する際、昇進を目指す野心的な新米警官エイヴリー(ブラッドリー・クーパー)に追い込まれるが……。 (シネマ・トゥデイより)


2012年公開の映画で、僕自身も有料放送で2014年に字幕版を録画済みだったのですがなんだかんだで見るタイミングを逃してしまって月日は流れ、気がつけば2021年に。今回huluで吹き替え版が配信開始されたので視聴したら驚くほど胸を打つ名作映画だったのでご紹介。

ジャケットとかライアンゴズリングが大きく書かれてるし、序盤は彼目線で描かれるものだからずっと主役だと思って感情移入してたのに映画真ん中あたりで今度はエイヴリーにスポットが当たるようになるのでちょっとした衝撃でした。書いてしまってある意味ネタバレになってしまいましたが、彼らの息子それぞれを含めて4人が主人公という表現が一番ぴったりくると思います。そのくらい彼らに共感できたし、一つの大きな物語になっていました。

もちろん金ないからって銀行強盗はないでしょうって気持ちもあります。もともと性格的に後先考えず動くタイプというのは強調されてましたが、一方でルークなりに息子のために頑張るんだっていう思いだけは本物なので同情はします。ロミーナは新しい恋人と別の人生を歩み始めてるわけで、ともすればそっちの3人でこのまま家族になってしまう。焦りがあったんでしょうね。その後を見てても継父コフィ(マハーシャラ・アリがいい演技してます)はずっと優しいし、幸せな家庭になってるのでルークの方がお邪魔虫という見方もできる。犯罪を冒してまで金を作り、会いにきてるっていう痛々しさが人間らしくて魅力的に見えちゃいます。

一方でエイヴリーも正義の人で、たまたまルークと犯罪者と警官という立場であっちゃったためにああいう形になってしまって、そのことで苦しんでるっていうのがとても感情移入できました。レイ・リオッタがドラマ「シェイズ・オブ・ブルー」と同様に絵に描いたような悪徳警官やってたり、同僚たちのクズっぷりにドン引きしちゃうレベルでしたが、エイヴリーだけはまともだったのが救いでした。ちょっとベタな気もしましたが、妻の父親の存在とか、検事補佐や選挙など世間のイメージがどんどん上がっていく中で、自分はそんな人間じゃないんだって思い続けてたのかな〜なんて思わされたりして、こっちもまた素晴らしい存在感でした。

映画残りの1/3は一気に時が飛び、子供達の世代へ。ああ、これが「宿命」ってサブタイトルの意味なのか〜って納得。事前情報一切なしで見たので驚かされてばかりでした。前述の通り偶然が重なって同じ高校へ通い、しかもお互いの素性を知らぬまま つるんで悪さしてしまうというのはなんと数奇な運命なんだろって思うし、こうなると「親の復讐」というのか悲劇が起きないでくれよと祈るような気持ちも沸き上がってきました。
留置場に呼び出されたエイヴリーが一緒にいた子とその親を見た時の驚きはすごかっただろうな、とか「全てを知った上で見てるからこそ」の辛さがありましたし、『あいつとは今後絶対に関わるな』って声を荒げるのも当然ですよね。当の息子AJはそんなの守らないんですけど。

ルークの息子ジェイソンについてはかなりスポットが当たってて、総括すると彼が主人公とさえ言えるレベルでした。実の父親のことを知り、事件を知り、それがよりによって新しい友達の父親だとわかる。AJに直接言うこともできないし、もう何年も前だし。行き場を無くした怒りが彼を侵食してくのは見ていて辛かった。銀行強盗をそそのかしたロビンも出てきてこっちまでむかつきましたが、ルークのことを教えてくれる存在がいたのはある意味救いだったかも。

一番泣けたのはそんなジェイソンが意を決して行動した後で、あのやりとりと、1枚の写真。涙なしに見れなかったですし、一歩間違ったら大変なことになってたが、ちゃんと爽やかに終わってくれたのがとても良かった。あんまり言うと勿体無いのですが、バッドエンドじゃなかったです、ご安心を。

ルークのこともあるしPG12ですが、それぞれ一生懸命に自分のできることをやろうとした結果運命が別れてしまった二人の男と、その息子たちの物語としてめちゃくちゃ引き込まれて感情移入したので色んな人におすすめしたい1本。これもまた「もっと早く見れば良かった」って感じた映画でした。
ライアン・ゴズリングは 内田夕夜さん、ブラッドレイ・クーパーは桐本琢也さんといつもの人が吹き替えてて違和感もなかったです。

huluにて視聴。



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