【海外ドラマ】THE PENGUIN-ザ・ペンギン-【U-NEXT】 / アメコミ原作、映画「ザ・バットマン」の後日譚を描くスピンオフドラマ。ペンギンことオズワルドが裏社会でのし上がっていく様を描くクライムサスペンス。

HBO、U-NEXT独占配信。DCコミックのヒーロー「バットマン」その悪役のひとりであるペンギンを主役にしたドラマ。正式名称「Batman Epic Crime Saga」と呼ばれる、バットマンを主役にした映画3部作とそれに連なる関連作品群のひとつで、映画『THE_BATMAN-ザ・バットマン-』の後日譚として、バカにされていた男が裏社会でのし上がっていく様を描くクライムサスペンス。
オズワルド・コブはマフィアのボスであるカーマインファルコーネの右腕として働いていたが、その歩き方などからかげでは「ペンギン」とバカにされていた。自分自身が犯罪王としてのしあがろうと一線を超えた夜、ホームレスの少年ビクターと奇妙な出会いをし、運転手兼忠実な部下として共に計画をすすめていくことに。
いくつもの組織がしのぎをけずるゴッサムを舞台に、暗躍し勢力を拡大していくオズ。母親との関係と過去、因縁の相手、衝撃的なラスト。ヴィランが主役の作品らしいダークで過激な作品。アメコミを知らない人にもおすすめなので、なるべくネタバレに触れずにご紹介。
主演は特殊メイクをほどこしたコリン・ファレル。
予告動画


僕自身もアメコミの方はほとんど読んだことないのですが、ペンギンというヴィランは2000年以前のものも含めてバットマンの実写作品に数多く登場してきているので、かなりお馴染みのキャラ。特にバットマン=ブルースウェインの少年時代を描いたドラマ「ゴッサム」でもかなり中心的な人物だったので、そちらを見ている人は2作品の違いを味わうことができると思います。

基本的には「マフィアもの」としてめちゃくちゃ完成度高いドラマなので、冒頭で触れた通り「アメコミ原作」って意識せずに視聴できるはずですし、言われなきゃわからないと思います。ワード的に「バットマン」って出てくることがあったくらいで、ほぼ現実世界そのまま。ゴッサムという街、「アーカム・アサイラム」って精神病院など世界観が同じですし、とある医者の部屋にスケアクロウのマスクが、みたいなファンサービス的なものがほとんどです(笑)

ただし、映画「ザ・バッドマン」のラストで水に関する悲惨なことが起きてしまうので、そちらの映画も注意していただきのと同様に、このドラマもその続きから描かれるのでその影響が色濃く出てしまってますし、さらには「回想」や登場人物の「フラッシュバック」って形で描写されるので、あらかじめご留意ください。

HBOなんで過激描写もあるというか、裏社会の抗争なので拳銃でのドンパチは当たり前にありますし、炎、ガス、首絞め、などなど人が死ぬシーンはかなりたくさん。いきなりっていうのもそうだし、復讐という怒りに燃えて容赦ないのがね。あとは地味に指切断の拷問が……。ここも人を選ぶ要素ですね。

連続殺人鬼「ハングマン」とされていた女性ソフィア・ファルコーネも影の主人公ぽくて、彼女が強いボスとして君臨するのも見どころの一つ。過去に何があったのか、そしてどう成長してしまったのかというのもほぼ1話のエピソード使って描かれてましたから、この人にもかなり感情移入したなー。クリスティン・ミリオティさん。ペンギンが仕えていた男の長女という立場なので因縁がありますしね。

でも一番はやっぱり車のパーツを盗もうとした結果、ペンギンのよき助手になっていくヴィクターでしょうね。ちょっと吃音気味で自信も金もなかった少年が、ちょっとずつ頼れる部下になる。それも悪にそまりきるともまた違うからいんですよ。この人も前述の災害の遺族だし、ゴッサムという街にいたらああいう生活になっちゃうのもしょうがないところがある。でもペンギンの母親の面倒とか、一度は逃げ出そうとしたあとの行動とか二人の絆がちょっと感動的でね。だから同時に最終話に向けてマジで怖くなっていきましたけど。
ギャングの連中に演説するところや、ペンギンを鼓舞するところ好きです。「お前いまのそれは練習したのか?」って揶揄われるとこ含めてね。演じてる レンジー・フェリーズくんはマーベルドラマの「ランナウェイズ」でもメインキャラクターやってました。アメコミドラマに呼ばれるなー。

そしてそのペンギンの母であるフランシス。「ゴッサム」でもマザコン、というか母親を大事にするキャラではあったのだけど、このドラマのオズはかなり歪んでましたね。途中までは同情してたけど、やっちゃったことがかなりやばい。やはりちょっと人と違うというか、善人ではないんですよ。母親を喜ばせるっていう言葉だけ見ればめっちゃ親孝行だけど、現実はもっとグロテスク。

マフィア同士のバトルの決着も見ものですが、そういうの含めて色々とショッキングな展開すぎて終盤はかなり予想を裏切られましたね。「ヴィランだけど、どこか憎めないキャラ、ペンギン」っていうのがほぼなくなっていく。この一連のバットマンシリーズはダークな印象あるですけど、今回もすごかったなぁ。

アメコミ原作とはいえ、派手な能力者も、ヒーローも登場しません。が、重厚なクライムサスペンスとしてかなり引き込まれてしまったので、ファンならずとも要チェックなドラマだと思います。
当然この流れを受けて、ザ・バットマン2作目が公開されるのでしょうしね。

U-NEXTにて独占配信中。9月から配信されてたんですが、ようやく見れました。
映画同様、金田明夫さんが吹き替えを担当してます。(刑事ドラマでもよく見かける俳優さん)


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