往年のスター、シャーリー・マクレーンと、アマンダ・セイフライド主演で送る、ブラックユーモアありのヒューマンドラマ。会社を経営し、社会的には成功したものの、あまりの毒舌っぷりに別の意味で語り草となっている老婦人ハリエット。新聞の訃報記事「お悔やみ欄」を眺めるうち、生きているうちに自分のものがどう書かれるか気になる彼女は担当者に直談判。ライターのアンは彼女から渡された友人知人リストをもとにインタビューを試みるも、夫を含め、彼女を褒める人は誰一人としていなかった。
はっきりものを言いすぎて苦笑いしつつも、その裏に隠れた彼女の強さ、少しずつ打ち解けていく登場人物たちの絆に涙する傑作ドラマ。
あらすじ
何不自由ない生活の中で孤独と死に不安を抱くハリエット(シャーリー・マクレーン)は、生きているうちに自分の訃報記事を用意しようと考える。地元新聞社の訃報記事担当者のアン(アマンダ・セイフライド)に執筆を依頼するが、これまで自分中心だったハリエットをよく言う人はいなかった。理想とはほど遠い内容の原稿を読んだハリエットは、最高の訃報記事のため自分を変えようと行動を起こす。(シネマトゥデイより)
上記予告動画からわかる通り、「悪態をつく」って言葉がぴったりの、全方位に向けてあたりがきついお婆さんなので知人たちから何一つ褒め言葉が出てこないことも納得してしまいます。それは今回依頼した相手のアンに対しても例外でなく。アンはアンで敬語とか使わずそれに答える。嫌味や皮肉のオンパレードの掛け合いは最初こそトゲがありましたが、最終的にはそこに信頼関係がある、お互い遠慮せずに言い合える関係性に変わっていくので、そういう変化もとても面白かったです。
ハリエットが自分で提案した「素晴らしい!お悔やみ欄"の要素」の中の一つ、『黒人や障害者に良い行いをした』のために(このブラックなユーモアは大丈夫なのだろうか、色々) 保護センターで暮らす少女ブレンダを引き取るのですが、この子もとても生意気で、ハリエットとの口喧嘩でいい勝負してるのも良かった。本当に家族みたいに接したり、言葉遣いを正したり、きっかけこそ冗談みたいな理由ですけど本気で大事にしてたのが誰の目も明らかでしたし、おばあちゃんって感じでした。ちょうどアンが彼らの真ん中くらいの歳なので、親子3世代っぽく見えましたね。予告にも出てくる3人での写真だとか、ベッドのくすぐりとか夜の湖のシーンだとか、微笑ましかった。
劇中で「笑うのは自分が間違ってたと分かった時だけ」なんて出てきますが、そういうシーンで自然と笑顔になって優しい表情してるのがジーンと来ます。
人生のやりなし、という言葉を使われてますが、一応、夫や娘に会いにいくものの、ちょっと裏切られます。特に娘とのシーン。ええ、そういう感じなの!?ってビックリでしたね。夫とのシーンは予告でチラッと出ちゃってますけど。
映画を見始めた段階で大抵の人が読めちゃうと思うのですが、生きているうちにお悔やみ欄を作るはずが、実際にハリエットに死期が近づいてしまうということ。その悪い予感は当たってしまうのですが、アンがお悔やみ欄を書こうと調べれば調べるとほど、彼女の人生の本当の側面、「ただの気難しいお婆さんじゃない」って部分が見えてきて、アンも、そして映画を見てる僕らも彼女へのイメージが変わってくるのがうまいなぁって思いました。
それを経ての、お悔やみ欄が披露されるラストシーン。アンが解釈した、ハリエットの生き様みたいなものを改めて言葉にされるとそこでさらに涙を誘います。その後の展開もとてもハリエットらしいというか、さすがだな、としか言えません。もっと人と打ち解けてもいいとは思いますけど、妙なカッコよさがあるんですよね。劇中の言葉を借りればまさに「あっぱれ」なお婆さん。
"教育"してもらったブレンダだけでなく、アンも彼女の影響を受けて、恋愛面でも仕事面でも、そして夢でも「一歩踏み出す強さ」を出せるようになっていくというのもあって、そこも見ててグッとくるポイントでした。
映画の公開時期の関係なのか、「激おこ」「ムカ着火」なんてセリフがあったりしてちょっと面白かったです。オリジナルはなんて言ってたのかな。気になります。
11月にDVDなどのリリースが決定したそうなので、お楽しみに。
スターチャンネルにて吹き替え版を録画、視聴。
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