ジャッキーチェンが妖怪ハンターを演じたファンタジーアクション。怪異短編集「聊斎志異」の原作者・蒲松齢をモデルに、少女誘拐事件の捜査と、悲しき過去をもつ妖怪たちとの戦いを描く。
世の中に紛れている妖怪を「陰陽の筆」を使って本に封印。さらには妖怪をモチーフにした書物を書いてして暮らしていたハンターのプウ。少女誘拐事件の影に妖怪の存在を感じ取り捜査にあたるが、そこに謎の男が登場。そこには悲しい過去が。
イーサン・ルアン、エレイン・チョン、リン・ボーホン、リン・ポンら共演。
あらすじ
異世界のバリアが壊れ、押し寄せてきた妖怪たちを捕らえるため、妖怪ハンターのプウ(ジャッキー・チェン)が人間界に送り込まれる。“陰陽の筆”の力を駆使して邪悪な妖怪たちを封印していく中、二人の女妖怪による少女誘拐事件が発生。捜査に当たっていたプウは、謎の男チュイシャ(イーサン・ルアン)から女妖怪の一人シャオチン(エレイン・チョン)の悲しい過去を知らされる。(シネマ・トゥデイより)
ジャッキー主演ですがいつものジャッキーアクションはちょっと少なめで、主にCGのダイナミックなバトルが展開していきます。当人も「筆」を使って封印したり、仲間の妖怪を力にして戦うってシーンが多いですけどね。ただ上記予告動画でも写ってる通り、おふざけ自体はちょいちょいあるのでご安心を。例えば鏡の中を行き来できる妖怪との戦闘ではジャッキー自身が入り込み、上半身と下半身に分かれてしまうというシチュエーションも。「待て俺の足逃げるな〜」みたいなドタバタを繰り広げたりします。
主人公側はプウとに弟子入りした形になるヤンフェイ(新米探偵、警官みたいなイメージ)、さらには私益しているいい妖怪たちというチームで動き、主な敵は既に触れた鏡の妖魔チンヤオと、チェイシャとシャオチン。ビジュアル的には圧倒的にチンヤオが悪役だったのですが、映画前半くらいで倒せてしまって、悲しき愛の物語に。
怪異短編集が元ってことで割と王道というか日本の伝承でもありそうな題材なんで説明されなくても経緯とかラストにどうなるかはある程度予測できたのですが、布をコントロールして動きを封じてきたり、大量のお札が舞うなんていう二人の戦闘スタイルはかなり見応えあって楽しかった。ワイヤーというか中国のアクション、ってのを全面に出してましたしね。特にチェイシャの吹き替えが高橋広樹さんなんですごくカッコ良いんですよ。なんとか愛する女性を救いたいっていうシンプルな思いで動いてるし。
一度は無事に解決したように見えて、あいつが余計なことをしたばっかりに自体がさらに悪化。封印を解こうと彼は本の中に入ってしまいます。この描き方が予想以上に幻想的で、なんとなく「ドクター・ストレンジ」を彷彿とささせました。宇宙のような無重量の空間にいろんな建造物が漂流してる。当然思ったのとは別方向に進んじゃったり、なかなか追いつけなかったりなどのお約束をやって笑わせてくれますが、人智を超えたバトルというダイナミックさはすごかった。オナラに火をつける、とかギャグなんだけどかなりの効果出ててすごい。
弟子もなんだかんだで活躍するし、メインキャラそれぞれにちゃんとした見せ場があって面白かった。別に子供むけ、って言いたい訳ではありませんが、夏休みに家族で見るのにぴったり、的な作品だったと思います。ジャッキー映画は痛そうなのはあっても不快なシーンとかほとんどないですからね。
妖怪の悲哀を描きつつ、ファンタジー色強いバトル描写で楽しませてくれる映画。魔法「拳」というほどパンチとかカンフーは出てきませんが、とても面白かったです。
Gyao!にて吹き替え版で視聴。22年5月現在U-NEXTでもアマプラでも配信してます。

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