ヘイトフル・エイト / 猛吹雪の中、小屋で共に過ごすことになった8人。賞金稼ぎとその獲物、死刑執行人や保安官など個性的な面々はそれぞれ秘密を抱えていて、、、。サミュエルLジャクソンを始め豪華スター共演。

ヘイトフル・エイト(吹替版)


クエンティンタランティーノ監督の8作目は再びの西部劇。しかし舞台は雪吹雪く山の密室。一癖も二癖もある登場人物たちが互いに罵りあいつつも少しずつ明らかになっていく秘密。ミステリー要素も含んだ傑作エンターティメント。サミュエルLジャクソン、ティムロス、カートラッセル他豪華な面々が勢ぞろい。終盤には意外な若手?も。
あらすじ
雪が降りしきる中で馬を失った賞金稼ぎマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は、同じ稼業であるジョン(カート・ラッセル)と彼が捕らえたデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)を乗せた駅馬車に同乗する。途中で保安官を名乗るクリス(ウォルトン・ゴギンズ)を拾った馬車は、猛吹雪から避難するためにミニーの紳士洋品店へ。メキシコ人の店番ボブ(デミアン・ビチル)や怪しげな絞首刑執行人オズワルド(ティム・ロス)などの存在にジョンが強い警戒心を抱く中で、事件が起こる。(シネマトゥデイより


みんな似たような服装をしていて人数も多いので把握しきれるか?と思ったんですけど、物語はチャプター1、みたいな感じで章立てて語られ、少しずつ増えていくのでわかりやすく、「あんた、もしかしてあの有名な〇〇かい?」的な会話があったりして、特に意識せずともどういう人か見えてきます。一つだけ言えるのは全員が半端じゃなく口が悪くて、数々のエピソードがある人たちだってこと。

一応一番スポットが当たるのがサミュエルLジャクソン扮するマーキスで、過去の行いから、彼自身もまた人に命を狙われる身。舞台設定が南北戦争から数年後って感じで、黒人と白人、そして北軍と南軍で戦った人々がお互いをどう思っていたのかということを念頭に置いておけばその憎悪を想像することができると思います。序盤からいきなりニガー(黒人の蔑称)とか連発しますし、文字通りのヘイトフル。

ミニーという女性がやっている服屋さんで吹雪をやり過ごそうと立ち寄ったわけですが、このマーキスは早い段階で何かおかしいぞと感づきます。そして他の連中の中にデイジーの仲間がいて、ジョンもろとも自分を殺そうとしているのではないかと思います。一方で店で落ち合った他の連中も、それぞれが本当に名乗った通りの人物なのかを心から信じることができず、お互い疑いつつつも、時間は過ぎていく。

早撃ち対決をはじめ、中盤あたりから8人の中に命を落とすものが出始めて、誰かが仕掛けた罠なのか、マーキスの説は正しいのかと思っていく中でちょっとずつ見えくる真実。最後のチャプターは時間が巻き戻って何が起こったのかわかるんですが、なるほどそういうことかと。しかもそこで終わるんじゃなくて、そこからのやりとりがまたすごかった。R18指定になってるので差別発言に加えてドンパチも遠慮なしなので、最終盤の血だらけな画は衝撃的でした。

ほとんど予想とかできなくらいの展開で非常に見応えがありましたし、「リンカーンの手紙」とその内容が最後の最後でああいう意味を持ってくるとは。皮肉にもいがみ合ってた陣営が協力し合うっていう展開(まあ二人で何をしたのか、は置いといて)なるほどなぁって感じでした。

ちょっと長めなんですが、グロ描写とブラックジョークが平気な人ならすごく楽しめる作品だと思います。目が離せないってのはこのこと。全員怪しいんだもの。

それと音楽もすごく凝ってて、一触即発な雰囲気がより出ていました。DVDのチャプターメニューが場面ごとだけでなく劇中曲ごとにも飛べるようになっててそれも新鮮でした。冒頭の数分間雪山と音楽だけってのもすごい。あれで期待が一気に高まっていきました。

DVDレンタルにて吹き替え版で視聴。オリジナル言語だと、第1章、などのナレーションはタランティーノ監督本人がやっているようです。




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