「マダガスカル」シリーズなどのトム・マクグラスがメガホンをとり、ベイビーの声をアレク・ボールドウィンが担当。日本語版はあのムロツヨシが吹き替えしてます。
あらすじ
両親に愛され、幸せな毎日を送っていた7歳の男の子ティム。ある日突然、彼のもとに弟だという赤ちゃんがやってくるが、黒いスーツとサングラス姿で手にはブリーフケースを持っていた。困惑するティムを尻目に、両親は赤ちゃんに絵本を読んだり、ハグをしたりと言いなりだった。やがてティムは、弟がベイビー株式会社の社員で、世界の愛情の比率が赤ちゃんより子犬に傾く中、発表される予定の新種の子犬の正体をつかむよう命じられていることを知る。(シネマトゥデイより)
上記予告動画でもその声を聞くことができますが、冒頭で触れた通り、主人公の声はムロツヨシ。姿は赤ちゃんのにおっさん丸出し、というのが笑いポイントになってるのでかなり正解なキャスティングだと思います。ただ僕が今回見たWOWOW放送版は「ワンワン」の声や、顔出しで教育番組に出演してた"チョーさん"ver。大ベテランだったので流石の吹き替えで、コミカルシーンにもぴったりでした。
そうそう、は赤ちゃんなのにスーツ着てる、言動が会社員のそれ、っていうギャップのおかしみばかり注目されがちですし、実際そういうギャグは結構出てくるのですが、実際見ていくと兄ティムとの関係性の変化だったり、仕事を無事に完遂することだけが大切なのかなど、家族向けの王道な展開を見せてくるのでかなり感動します。映画冒頭で配給会社見てるはずなのに、「ディズニーぽい」って思っちゃいましたもの。
ボスというタイトルがついてる通り彼には部下もいて、同じように赤ちゃんの姿で暮らしています。これもまた個性豊かで、特にイエスマンの三つ子は現実にも(大人として)いそうで笑ってしまいました。そのあたりの「なぜ赤ちゃんのまま、しっかりしてるのか」という部分に答えるようにアイテムを登場させ、一応納得できる形にしてるのが良かったですね。生まれる前、家族の元に来る前に天空?で過ごしている、みたいなお話は割とよくあると思うんですけど、ちゃんとした「仕組み」が出てくる。しかもこれが敵対会社の策略にも関わってくるから上手いと思います。
その犬がまた可愛いんですよね。劇中だと「犬の方が愛されて、だんだん赤ちゃんは見向きもされなくなる」というのは、「そんなまさか!」とは思うんですけど、これ実は「妹・弟ができると上の子供に対する愛情は薄れる」という誤った見方ともリンクしてて、それが最後の最後に生きてくるという上手い展開でした。上記あらすじもティム目線で書かれてますけど、ボスベイビーとのダブル主人公という感じで、すでに触れた通り彼らコンビの絆がだんだんできてくる流れはかなりグッときます。突然弟ができたことでの困惑だったり、親の関心がそっち中心になりがち(これは単に手がかかるから仕方ないことなんですけど)な嫉妬という、あるあるネタも丁寧に書いてますからね。「ボスベイビーなんか受けれ入れられないよ。」「じゃあ早く出ていくから仕事を手伝え」というコンビ結成への流れもすごく自然ですし。
あるあるといえば突然電池が切れたように眠る、という赤ちゃんネタは笑いましたし、子守で一番困るのが……。などなど親目線でも微笑ましく笑えるシーンもあります。子供二人が大冒険してるの、最後にならないと両親は気づいてないので、そのギャップも面白ポイントでしたね。ものすごいカーチェイスを繰り広げてるように見えて、大人から見るとめっちゃのろのろとか。基本的にティムは想像力たくましくて、色々イメージ映像が登場するのですがそこもすごく楽しかったです。やはりある種の幼稚さというかピュアさがあるからこそ、ベイビー株式会社とか受け入れられるんですよね。7歳って年齢が絶妙だったと思います。
最終的なオチはものすごい予想通りでしたが、序盤での二人のやりとりを受けて、ああいう風に見せられるともう完全にやられましたね。リメンバーミーの紹介でもかなり泣いたと書きましたが、これもめちゃくちゃ泣きました。ずるいよ。僕自身は一人っ子なのですが、兄弟がいたらこんな感じかな、って想像だけでもグッときました。ニヤッとする締め方でそこも好きです。
続編というかスピンオフ作品が作られていて、確かNetflixで配信されれたような気がします。本編見たので次回契約したら視聴したいです。
最後になりますが、メリーポピンズとか、スーパーヒーロー着地とか小ネタが結構あるのでそういうのに注目するのも面白いと思います。
WOWOWにて吹き替え版を録画、視聴。
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