THE BATMAN-ザ・バットマン- / DCコミックのヒーローがロバート・パティンソン主演で久しぶりの単独実写映画化。かつて両親を殺された青年は毎夜悪人を倒す探偵となっていたが、なぞなぞ好きの連続殺人犯が現れ……。

もはや説明するまでもないDCコミックの代表ヒーローの一人バットマンを、トワイライトシリーズやテネットなどのロバート・パティンソン主演で新たに実写化。小さい頃両親を殺された大富豪の青年は、マスクをつけて悪人どもを倒し続けていた。そんな彼に挑戦するかのような連続殺人鬼リドラーが現れ、調べるうちに闇に葬られた街の秘密を知ることになる。
巨大企業の御曹司であるブルースウェインはあまり世間とは交わらず、夜になるとマスクをつけて悪人を探し、正義の鉄槌を食らわしてきた。そんな彼の探偵業も2年目になるがゴッサムシティの犯罪は減ることを知らない。そんな折、権力者が次々と殺される事件が発生。そこには「バットマンへ」という手紙が残されていて、それは暗号、なぞなぞだった。手がかりを追う中で彼も知らなかった街の秘密を知ることに。しかも犯人のリドラーは恐るべき計画を立ていて……。
ゾーイ・クラヴィッツ、ポール・ダノ、ジェフリー・ライト、ジェームズ・ゴードン、アンディ・サーキス、コリン・ファレルら共演。

あらすじ
両親を殺害されたブルース・ウェイン(ロバート・パティンソン)は探偵となり、夜は黒いマスク姿でゴッサム・シティの犯罪者を懲らしめていた。しかし、権力者を標的にした連続殺人事件の犯人として名乗り出たリドラーが、警察やブルースを挑発。そして、政府の陰謀やブルースに関する過去の悪事などが暴かれていく。(シネマ・トゥデイより)

※水害のシーンがあります。ご注意を。

マーベル同様、DCコミック原作の映画もほぼ全て見てきている僕ですが、ここにきて新たなバットマン誕生です。色々と物議を醸したホアキンフェニックスの「ジョーカー」も過去の作品とは繋がりがなかったですが、この映画も一緒。キャストだけでなく全てのしがらみがない状態でのスタートです。(ハーレイクインとか、ワンダーウーマンとか繋がってない)

ロバートパティンソンがやるってニュースを聞いた時最初こそバットマンのイメージと少し違うのでは?と思ってたんです。でも、映画「テネット」での役柄などで本人めっちゃ好きになってて。そしてかなり身体を鍛えてたし、今回の映画はめちゃくちゃ暗くて重いムードが漂ってるので影のある演技とマッチしてて実際みたらピッタリでしたね。

特にR指定とかはないものの、全体的にホラーっぽい雰囲気があるんですよね。犯罪者にとってみれば、バットマンこそが恐怖の対象。土砂降りの中、スーツの足音をさせてゆっくり近づいてくるのとかマジでちびる。「俺は"復讐"だ」って。いつものように有能執事のアルフレッドがいるんですが、あまり「昼はプレイボーイ」的な要素は少なめ。なんかずっと閉じこもって調べてきた情報の整理やってるから、探偵という表現が似合います。

正体こそわかってないものの2年経ってるだけあってゴードン警部補(?)は最初からずっと味方で、他の連中は快く思ってないものの現場にも顔パスで入れてしまってる。ちょっとやりすぎなところもあるし、最低限度しか喋らないせいで異様に映ってるのもわかるし、「誰からも愛されるヒーロー」とは違う。とりあえず完全な悪じゃないから共同捜査が許されるだけ。その意味でもブルースは孤独だし、影が纏う。

一方でヒロインのセリーナ=キャットウーマンは尺の都合からかちょっととんとん拍子に距離が縮まりすぎな気もしないでもないけど、共通点も多いし、言葉数少ないながらも心配したり守ろうとしてるのがわかるから彼女が惹かれていくのもわかる。この人も友人のことでちょっと理性で歯止めが効きにくくなってるし、重要な証人がどうにかならないかハラハラしました。

リドラーが敵なので謎解き要素が宣伝されてましたが、ブルースとかがほぼ瞬殺で答えてしまうのであまり視聴者側が考える、とかはありません。一方で「ネズミ」というターゲット、彼が明かそうとしている街の闇が一体なんなのかちょっとずつわかっていくのも面白かった。適度にミスリードがありましたしね。マフィアの親玉と、その部下であるペンギン。ブルース、セリーナ両方の過去とも関わっていて、二人ともキャラが立ってました。まあ有名なヴィランなんでペンギンとの対峙はかなり見応えある映像になってます。

先ほどもホラー触れましたが今回もすごく泥臭い感じの戦い方で、ガジェットも出てきてかっこいいんですが「やりすぎないかな?」って不安になるくらいボコボコにしてく姿はスカッとするよりはヒヤヒヤ。特に予告でも使われてるカーチェイスシーンは怖いもの知らずすぎてペンギンがドン引いてました。実際に終盤はとある事情で暴走して、止められるってシーンもありますし。街のためにって思いが強いが故。

その予告で「ご両親のように貢献したら?」と言われるシーンがあるのですが、ブルースにとってはバットマンとなって少しでも悪を潰していくことが何よりも貢献だと思ってる。そしてそのことが全ての決着がついた後で「希望」という形で自信を持てるようになる流れも泣けるし、そこで出てくる『心の傷は破滅を招くが、もし耐えれば強い自分に生まれ変われる』(意訳)というセリフがカッコ良すぎました。ノーラン3部作のラストはどれも素晴らしかったけど、それにも負けず劣らず。

順番が前後しますが、メインヴィランのリドラー、途中まではビデオメッセージ程度だったものの、犯人が分かってブルースと対峙したところあたりからの「やっぱりこいつは狂ってる」っていう演技がすごくて。しかも吹き替えも石田彰さんだからその狂気が怖かったです。一応彼の言い分というか動機は理解できなくもないんですが、いつぞやのジョーカー同様に勝手にバットマンを自分の同類だと思ってて、それが違うと分かった時の豹変っぷりとかね。ちょくちょくアヴェマリア流れてるのはこのためだったのか!とかほんとインパクト強すぎだった。「まだわからないの?」って見てるこっちまで血の気が引きます。
(繰り返しますが、水害のシーンがありますのでご注意ください)

ヴィランたちとバットマン、街の過去、それぞれが結びついていて最後にわかる構造も面白かったし、仮にバットマン初めてみるって場合でもすんなり入れる造りなのも良かったと思います。一応ファンサービスとしてクレジット前に今後を示唆する流れがあります。今の段階で続編が決定してるそうなので、アメコミファンも、ここからの人も楽しみに待ちましょう。

主人公の声はこれまで通り櫻井孝宏さんで、バットマンモードの時も違和感あるほど低い声にならずに(僕は好きだけどノーラン版はよくネタにされてた) それでも心に闇を抱えた喋り方で独特の魅力がありました。マジでカッコよかった。セリーナ役はファイルーズあいさん。この人も強い女性似合うよね。奇しくも「岸辺露伴は動かない高橋一生実写版」のゲスト声優コンビ。※アニメでそれぞれ露伴役、ジョジョ6部主役を担当してます。

アクアマンとかの例外を除いてDC映画で毎回かていますが、こっちはマーベルとかと違って全体的に暗め。でもその中にエンタメとしての面白さあるし、重厚なストーリーできっちり見せてくれるので思ってた通り見応えありました。170分と長いし(笑)

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