5年前に事故で長男ロニーを亡くした家族。そこに突然彼の恋人だったメリッサが妊娠した姿で現れ、しかも不思議なことにロニーの子供だという。当然母シャーリーンは追い返すが、凍結した精子の利用など可能性はゼロじゃないため揺らぎ始める。次男フィリップも独自に探りはじめるが、離婚した旦那や現在のメリッサの隣人などそれぞれが抱える秘密が明らかになっていき……。
メリッサ役をマーガレットクアリー、シャーリーンをエイミーライアンが演じた他、ニック・ロビンソンら共演。
あらすじ
5年前、事故で兄のロニー(コナー・ジェサップ)を失ったフィリップ(ニック・ロビンソン)。ニューヨーク州北部で母親のシャーリーン(エイミー・ライアン)と暮らしていた彼のもとに、ロニーの元恋人メリッサ(マーガレット・クアリー)が妊娠をしている状態で現れる。思わぬ来訪によってフィリップたちがロニーの事故死を再び思い出す中、身ごもっているのが彼との子供だと言い張るメリッサにシャーリーンは激怒。5年前に死んだ男の子供を授かることができるのかと、フィリップは調べを進める。(シネマ・トゥデイより)
原題は最初に触れた原作小説と同じstrange but true。奇妙だけど真実、ということは信じられないような話ってことでもしかしたら超人的なファンタジー要素が出る可能性も大いにあり得そう。でもスリラーだからなぁって感じで恐々見始めました。
マーガレットクアリーは僕がかなりハマった(今もPS5で遊んでいる)ゲーム『デスストランディング』のメインキャラを演じていたのでちょっとうれしかたのですが、現実に考えて5年ぶりに現れて死んだ人の赤ちゃんを孕ってると言われたら怒りの前に困惑、むしろ二度と関わりたくないって感じですよね。しかも診断結果とかじゃなくて「霊媒師に言われたから」で、それを信じ込んでるのがやばい。
生まれた後じゃないとDNA検査とかしてたしかめられないってのがミソですかね。そもそも亡くなったロニーのもの残ってないから無理なのか?
母親の立場になるときついですよね。いつになってもその傷、悲しみは癒えることがないのに久々にきてそれか。と。とにかく本人が主張していてて、半ばパニックになって追い返しちゃったから確認のしようがない。でもフィリップが言うように保存しておいた精子で受精したとか、完全には否定できない。このモヤモヤが辛い。
このシャーリーンも映画全体では結構キャラが掘り下げられてて、図書館でバリバリ働いていたのが回想などで明らかになりますしそれが事故からこっち一気に変わってしまった。そのことで自分のポストが奪われた苛立ちとか、夫のこととか、共感しやすいポイントが多かったです。ただそういう要素を描きたい為に「家に調べる機械がないので図書館のパソコンを使う」っていう流れがちょっと笑いました。スマホとかないのか……。
別れた旦那も結構秘密抱えてそうで、すごく怪しかったですね。序盤から「なんでメリッサがここにいないことを知っている?」と伏線貼ってたし、若い人と新しい生活始めてて、金はもってて、見てる我々として好きになるような要素が少ない。息子を失って精神的に参ってる妻を支えるどころか離れたってだけでもかなり引きます。そういう時こそ家族の助けがいるのだろうと。
メリッサとは関係なさそうなものの、怪我してるフィリップも何か人に話せない闇を抱えてそうでそこも気になりながら見れましたね。占い師や、直接彼女を尋ねるなど母親とは別ルートで探りますし、一番悪人ではなさそう、素直だったので唯一安心できたかも。彼女も気を許してたし。最終的に明らかになる秘密も、気持ち自体は理解できるものでしたしね。ロニーの死はどの家族にとってもやはりきつかった。
お話が進むことで真相が明らかになると、それを露見することを恐れたものが暴走し一気に緊迫感が上がります。アクションサスペンスのような要素が出てきて、ちょっと予想外。あそこであれが出てきた時点で察することはできるんですが、なかなか衝撃的な展開ですね。しかもそういうどうなるどうなるってシーンに織り交ぜて5年前の回想が挿入されるのですごく焦らされる感じ。そこはハラハラって意味ではうまかったですね。一気につながっていく。
赤ちゃんという希望の象徴みたいなものがあるのでハッピーエンドになるのは予想していましたが、全てを知った上だと若干その流れを受け入れ難い部分もあるんですが、彼女にとって幸せならばそれが一番ですからね。ハッピーと言っていいのだと思います。
全体的に暗いムードで進行しますし、誰もが心に闇を抱えててこっちまで辛くなってきますが、謎もなくスッキリ終わるし緊迫感もあって面白かったです。
huluにて吹き替え版で視聴。
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