両親もハーバード大卒で秀才の黒人女子大生ジャミラ。彼女もハーバードのロー・スクールに通うことを夢見ていたが、推薦状を書いてもらう条件は、パリピな白人ソロリティを更生させるため、ステッピングというダンスを教えてチャリティに出ること。しかし黒人の文化として根付いてきたダンスを教えるのは裏切り行為とみなすものもおり、忙しくコーチする日々の中でもともといた黒人ソロリティメンバーとも距離ができて……
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ダンスで壊せ、人種差別の壁。女性たちのかっこいいダンスが映える、スポ根要素ありの青春ドラマ。
主な出演は、イーデン・シェール、アレッサンドラ・トーレソン、ゲイジ・ゴライトリーナ、トゥーリ・ノートン、ロバート・カーティス・ブラウン。
予告動画はこちら。英語なのでご注意。
あらすじっていうあらすじはエントリ冒頭に書いたものがほとんどで、最初は進学のためにコーチをやってたけど白人ソロリティのメンバーたちとの絆も芽生えていき、練習の成果でステッピングもどんどん上達。一度は亀裂が入るも、最後には大会での成功を目指し一致団結。そして結果は……!な物語。
ソロリティ(男性版はフラタニティ)とは、これまで見てきた映画やドラマのイメージだと大学にいくつかある寮ごとの集まり、みたいな感覚で、それぞれの特色があって、つるんでは色々やってるという感じ。伝統があって、お母さんも昔はどこどこの元メンバーだったのよ的なやりとりなんかもあります。厳密には寮とは違うのでしょうけどね。ハリポッターの組(グリフィンドールやスリザリン)が、もっと数が多くなったVer。
で、当然というように似た人たちで固まるわけですが、ジャミラが所属しているのが「シータ」という黒人女子で構成されたもので、今回のメインである「ステッピング」もかなりの実力。予告動画も、映画冒頭でもいきなりそのど迫力のパフォーマンスに圧倒されます。ステップというくらいなので力強く足を踏んだり、体を叩いたりして音を鳴らすのも特色ですよね。不勉強なもので、なるほどそういうのがあるのかという印象でしたが、映画全体で複数のチームの披露があり、かなりカッコよかったです。
そんなステッピングは黒人のものっていうイメージがあり、(ルーツがアフリカ?)、いくら進学のためとは言えほとんど白人で構成されたソロリティ「SBB」に教えるなんて、ジャミラは黒人から見たら裏切り者のイメージ。だから地下でこっそりとコーチをするわけですが、シータのメンバーともすれ違うし、だんだん怪しまれてついに……という展開。
それと対照的に文化の違いとかシゴキとかで距離があったSBBメンバーとはかなりの信頼関係が出来上がり、まあ新しい仲間と共に、自分本来の良さを見つけられたならとグッとくる方向へ進むのですが、ことの発端である「コーチを引き受けたのは進学のため」が露見し、こっちとも仲違い。一人ぼっちになったジャミラ、どーなるの?っていう中盤は特に目が話せません。
劇中では、世の中の人がイメージする「人種差別」とは逆方向のディスりが結構あり、「白人なんかに踊れない」みたいな調子。大きなくくりで言えば伝統だとか、個人的なことを言うと自分のルーツ、アイデンティティってことを意識するとどうしても「違うこと」を恐れがちなんですけど、そういうの超えて楽しもうぜ!っていう勇気をくれる内容なので最後はとても爽やかに終わります。
SBBに黒人メンバーがいるって言うのもミソなんですよね。そして彼女とシータとの関係も。まだまだ人種差別の問題は大きいのでしょうが、せめて映画の中だけでもこう言う幸せな結末になってほしいと感じました。
なんか極端なタイプのジャミラの恋人に変わって、SBBリーダーの弟といい感じになるラブロマンス要素もありましたが、どちらかと言うと彼もまた「素直になれよ」ってタイプのキャラクターなので好印象ですし、素直に応援したくなりました。過干渉気味のお姉ちゃんにも笑いますけど。(ちょっとやり過ぎ)
そんな感じで青春ドラマ要素のツボを抑えつつ、練習するうちに技術も上がるし、同時に絆も深まると言う王道スポ根の要素もあり、もちろんその成果を見せるパフォーマンスシーンありと、予想した通りの面白さでした。
SBBメンバーもある程度掘り下げられますが、ジャミラの友達のベスがとてもいいキャラしてて、ほんと癒されました。中盤あたりにある「もっと気合いを見せろ」っていうトレーニングがまじで笑えた。ポジティブは伝染する。まさにそうでした。
ネトフリオリジナルなので今のところ契約者限定なのですが、色々な人にオススメできるお気に入りの一本になりました。ピッチ・パーフェクトシリーズが好きな人には特にオススメしたいです。
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