高校でマーチングバンドに所属するリオはあまり目立つようなタイプではなく、ごく普通の男子生徒として過ごしていたのだが、ある日スターガール という名の転校生が現れ、ウクレレを弾いたりネズミをペットにしていたりと風変わりな面もあるものの自信たっぷりで誰にでも仲良くするためにだんだんと人気者になっていく。リオはそんな彼女に一目惚れし、二人は少しずつ距離が縮まっていくが、彼女の「分け隔てなく接する」ことや「優しさ」が予想外の結果をもたらし、状況は変わっていく。
ノスタルジックでちょっとほろ苦い、ファンタジックな青春ラブストーリー。
リオ役にグラハム・ヴェルキアの他、カラン・ブラル(「ジェシー!」)、ダービー・スタンチフィールドら共演。
あらすじ
リオ・ボーロック(グレアム・ヴァーシェール)はマイカ・ハイスクールに通うごく普通の高校生。学校でそこそこの成績の彼は、マーチングバンドの一員であり、目立たないように生活してきた。しかしスターガール・キャラウェイ(グレース・ヴァンダーウォール)に出会ったことで彼の人生は変化する。自信に満ちたこの興味深い転校生はウクレレを弾き、周囲の目を引く。彼女は日常生活の中から不思議な力を見つけ出し、何気ない仕草で人々を感動させる。彼女の風変わりな人柄はリオや他の生徒を惹きつけ、リオはそんな彼女に夢中になるが、しかしあっという間に彼女は無視や冷笑の的となる。(wikipediaより)
(英語の予告ですが)
ディズニー+オリジナルの作品ですが、ここでも色々紹介してる「ディズニーチャンネルオリジナルムービー」的な、ティーン向け青春映画。何か魔法のようなことが起きたり、楽曲シーンもウクレレなので激しいダンスとかもないのですが、心にしみてくる不思議な魅力のある作品でした。
映画は男子高校生リオの目線で描かれるので主人公ですが、主役は誰かと言われたらやはりタイトルになっているスターガール でしょう。彗星のように現れ(この表現今やあまり聞きませんね)、みんなに色々な影響を与えていった彼女。その日々がリオにとってどんな意味をもったのか、そしてどう成長させたのかが描かれてて面白かった。特に「なんてことない高校生」まあ乱暴な言い方すればいわゆる"陰キャ"だってのも感情移入しやすいと思います(笑)
大抵自分とは違う姿に憧れを抱いたり好きになったりするものですが、虐められた経験もあり目立たないように過ごしてきたリオにとって、名前を含めて明らかに周囲と違ってて、でもそれを少しも恥じることなくありのままで過ごしているスターガール がどれほど眩しく感じたことか。正直みてる僕らもすごいなーって感心しちゃうと思います。思春期は特にですが、「人からどうみられているか」って気にしちゃうじゃないですか、それをほんと感じさせない。我が道をいくタイプ。でもそのスタンスが誰にでも優しいとか、歌を歌うってことだから不快にするどころか、盛り上げてしまう。
実際に応援の効果もあって弱かったはずのスポーツが検討していくんですが、才能披露するオーディション番組で優勝したグレース・ヴァンファーウォールだけあって歌唱シーンは圧巻。上で激しいダンスはない、と書きましたが、チアリーダーやマーチングバンドを含めた大掛かりなミュージカルシーンはみてるこっちまで笑顔でノリノリにしてくれます。こんな感じです。
青春映画なのでもちろんリオとスターガールの恋模様も見所の一つで、明らかに好意持たれてるだろって状態なのになかなか一歩踏み出せない情けないリオとかも良かったですし、父親との思い出である曲のレコード(カーズ)だとか、音楽を通じての結びつきみたいなものもこの映画ならではなだなと思いました。それが終盤自体の展開にも繋がってきますし、あの曲を聞くたびに彼女のことを思い出すんだろうなって。
ネタバレになってしまいますが、この映画ちょっと切なくなります。あらすじの最後にあるような出来事は直接関係なくて、周りからの目が変わったとしてもリオの気持ちが変わることはことはないのですが、以前と変わらずというわけにはいきません。そもそもなぜガラッと変わったかについても、事情を考えれば責める気持ちは仕方ないもののそこにスターガールの悪意はなかったわけで。色々なことが重なった結果だったのだと思います。勝手に勝利の女神扱いしておいて、予想とは違っただけで落胆し、態度を変える。本人は初めから何も変化してないのに可哀想でした。
でもその切なさの中に確かな暖かさがあって。いわゆる「初恋は実らない」的な悲しいけど美しい感覚があります。冒頭に出てくる「不思議なネ誕生日プレゼント」とも絡んで、彼女は一体なんだったのだろう。あれは現実の出来事だったのだろうか?というくらいの、人生のほんの一コマ。劇中でも似たようなこと言われたと思いますが、きっと多くの生徒にとっては記憶からも消えてしまうのかもしれません。でもリオにとっては掛け替えのない人で、美しい思い出で、あの時の感情は何にも替え難くて。そして今もその存在を確かに実感している。元来ハッピーエンドが好きなタイプとしては「えー、恋が成就して爽やかな終わりじゃないのか」と意外に感じましたが、これはこれでものすごくすっきりしてて気持ちよく見終われました。こういうのも「あり」だな、と。
ディズニー+オリジナルなので配信サービス加入しないと見れない映画ですが、このブログで紹介した他のオリジナル作品同様流石のクオリティですので、入会された際は是非に。
原作はこちら
1年後を描く続編も出ているようです。
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