疾風ロンド / スキー場のどこかに隠された、恐るべき生物兵器。空気中に拡散されるタイムリミットまでに無事に見つけ出せるか。東野圭吾の原作を、阿部寛主演でコミカルに描くサスペンス作。

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他にも数多く映像化されている東野圭吾の雪山タイムリミットサスペンスを阿部寛らで実写化。メガホンを取るのは「あまちゃん」「サラリーマンNEO」などの吉田照幸。
さか恨みした研究員の手によってこれまでにないほどの強力な「菌」が盗まれ、その在処を知りたければ3億円を用意しろと脅迫が届く。慌てふためく所長らだったが、当の元研究員が交通事故に合い死亡。車に残されていた「埋めた場所のヒント」だけを頼りに自体を収束せよとの命を受けた主任研究員(阿部寛)は息子と共にそれらしき雪山に向かうが・・・。
大倉忠義、大島優子、ムロツヨシ、濱田龍臣ら共演。
シリアスな設定にも関わらずコミカルに進んでいく物語は新鮮。
あらすじ
大学の研究施設の違法生物兵器「K-55」が盗難に遭い、さらに国民を人質に身代金3億円を用意するよう脅迫メールが届く。残された時間は4日間、主任研究員の栗林和幸(阿部寛)はひそかに兵器を探索するという任務を依頼されるも、手掛かりはゼロ。そんな折、犯人死亡というまさかの事態にぼうぜんとしながらも大惨事を回避すべく、犯人の遺品をヒントに国内屈指の規模を誇るスキー場へと向かう。(シネマ・トゥデイより)


予告動画にも「笑撃」(衝撃ではない)という言葉が使われていますが、実際、かなりニヤニヤするシーンの連発。冒頭で触れた通り、「あまちゃん」に携わったり、サラリーマンNEOの企画立ち上げ・監督をしていた方がこの映画の監督なのでシュール・ギャグだったりユーモアをふんだんに散りばめられています。もともと原作もそういう雰囲気らしいので(未読)、その意味ではピッタリだったかと。
※重厚なサスペンスももちろん面白いのですが、東野圭吾さんのギャグ系(「黒笑小説」など)も好きです。オススメ。

基本的に主人公の栗林はダメダメで、上手く滑れないわ、穴に埋まるわ、挙句負傷してしまうわで活躍しません。でも上司の命令だし、多くの犠牲者を防ぐためには一生懸命で、そこはちょっと応援したくなるちょうどいい塩梅でした。同じ東野圭吾作品の新参者シリーズとは大違い。小さい子供(物語的にもキーパーソン)にまでバカにされるのはベタでも笑ってしまう。

そこで代わりに活躍するのが、スキー場のライフセーバー的な人と、知り合いのプロ級スノーボーダー。なかなか進まないのを見てるのも辛いので、早い段階で彼らにバトンタッチして効率よく絞り込んでいくのは安心できて良かったです。そろそろ見つかるかなぁ、って。実際埋まってる場所自体はわれわれ視聴者には明かしてくれるので、あのキャラが一言ああ言えば解決しちゃうのに〜って言うもどかしさと、やっと繋がるか!って言う気持ちよさ。あえてでしょうが息子とも別行動してるので、全キャラがそれぞれ平行で動いてくのも見応えあります。

出てきた段階から怪しさ満点の謎の男(ムロツヨシ)はまだしも、闇を抱えてそうな喫茶店がどう絡んでくるのか。単純な「宝探し」だけでないのもハラハラしましたね。悲しみのあまりとんでもないことをしでかしそうなオーラが出てた。

アクションシーンも結構凝ってて、劇中でも「Gopro買った」みたいなセリフがありますが、滑ってる本人が身につけた高性能カメラ越しのスピード感ある映像も含めての追いかけっこ+バトルも良かったですし、中盤あたりの車のシーンも間に合うか!って言うドキドキ含めて良かった。いきなりワイルドスピードっぽくなって笑いましたけど。

謎解き要素だったり本格的なサスペンスというより、ゆるい笑いでニヤニヤしつつ、二転三転する物語を楽しむ、というタイプの作品。疲れずに見れて面白かったです。

WOWOWにて録画、視聴。

どうやら今回大倉さんらが演じる根津や千晶は「白銀ジャック」という作品にも登場していて、過去にはそちらも映像化されてるようです。(テレビ朝日系で、2014年2時間ドラマ化) 疾風ロンドの原作と合わせて、いつか読んでみたいと思います。


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